雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

今回は上弦の月をまじめに撮ってやろうと・・

2017年11月29日 | 天体写真(月・惑星・彗星)
移動性高気圧が通過した21日夜に撮った画像ストックもまだあるのですが、
今回は一昨日(27日)夜の上弦の月の撮影の話を。

わたしにとって「月」は貴重な星空を台無しにする邪魔者で、
月が太くなって真夜中まで沈まないとなると、「時間つぶしに撮ってやろうか」 となるわけです。
( 随分 上から目線ですけど・・ )
そんな片手間撮影なのですが、27日夜は再び移動性高気圧の通過で一晩中晴れる予報だったため
0時過ぎまで沈まない上弦の月を まじめに 撮ってみる事にしました。

月の全体を撮る静止画モザイクでは せいぜい4分割程度で エイヤーッ! で十分なのですが、
ぐっと拡大しての動画モザイクはかなりやっかいです。
これまでこちらも エイヤーッ! でっやってきた結果
つながらない( のりしろが無い、または少な過ぎる )
重複部分が多すぎたり、ズレたりする

そこで 昼間半日かけて動画モザイクのマッピングを作りました。
なんでこんなものに半日もかかっているのかですが。・・
そのうちの1枚をピックアップしてみると
ステラナビゲーター10 の「赤道座標」表示で作成しています
カメラの写野を表す枠線が二重になっているのは動画1分間での月の移動を表しています
問題は月の移動方向が星の移動(日周運動)の向きとは異なっていること、
更に星よりも早く進むため、赤道儀モーターで恒星時で追いかけても
わずか1分間でも写野内の月は動いていきます。
( 上図の太枠がスタート時、細線は1分後の写野になります )
モザイク撮影でつなぎ合わせるには のりしろ(重複部分)が必要なのですが、
この撮影中の移動量を考慮しないと、つながらなくなるので、
となりのエリアの写野の枠決めは慎重に行う必要があります。

いろいろ検討してステラナビの画面コピー使ったのですが、
もう一つの不安材料としてやや不鮮明なステラナビの月面表示で
きちっと写野の確定ができるのかどうか?
そこで過去に撮影した月齢の近い画像にもマッピングしておきました。
こちらの方が鮮明なのですが、月齢が同じでも月の上下・左右の首ふり運動秤動 といいます )
転記した写野の精度はかなり落ちると思います。

以上の作業に半日かけて夜を待ったのですが・・

夕方になって急に雲(濃いモヤ?)に全天が覆われて月は見えず。
なんとか撮影を開始したのは南中を2時間も過ぎた8時過ぎ。
これがひどいユラユラの月でガックリ。
動画撮影は断念し、一応 撮った証拠として静止画だけにしました。

月齢 8.6
( さえない画像ですがクリックで元画像の10%まで拡大表示します )
11/30 15:45 ・・・ AviStackで処理し直したものに差し替えました
撮影DATA: 2017/11/ 27 20:36’~  Vixen VC200L+canon2.0x(合成f=3,600mm F16 )
露出 1/50秒 x16枚 x4モザイク ISO 640 Cooled60D(冷却オフ) タカハシ EM-200 Temma2M AviStackでコンポジット
こんな月ならエクステンダーで拡大する事もなかったのですが、変更するのも面倒だったので・・

実はこの翌日の夜も晴れ、再び挑戦する事になるのですが・・
それは 「 上弦の月をまじめに撮ってやろうと・・(その2夜) 」 で。

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21日は移動性高気圧で奇跡の夜だったのですが、
だからといって いつもいい夜空とは限らないようです。
この夜は月が沈んだ後、系外銀河を撮る予定でしたが、
メジャーな散光星雲に変更しました。

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NGC 891(アンドロメダ座のもう一つの気になる銀河)

2017年11月26日 | 天体写真(系外銀河)
記事タイトルにはありませんが、( 移動性高気圧に感謝 その2 )になります。

21日夜、初冬の雪国に訪れた移動性高気圧による奇跡の星空
2タイトル目はアンドロメダ座NGC 891になります。

NGC 891  (アンドロメダ座)
(  画像クリックで 元画像の25%まで拡大表示できます  )
(  になります )
撮影DATA : 2017/11/21 22:36’~  Vixen VC200L+レデューサー(合成f=1,278mm F6.4 )
露出 20分 × 枚 + 分 ×  ISO 3200 LPS-P2FIL Cooled 60D (冷却 オフ CCD温度 約+6℃)
タカハシ EM-200 Temma2M マイクロガイドスコープ 60 ToupCam PHD2Guiding ステライメージ7

主役の銀河部分のトリミング画像です。
かみのけ座のNGC4565と似ているのですが、
輪郭がそれほどくっきりしていないせいか また違った雰囲気のある銀河です。

実はこの銀河はかなり前に撮ったことがあって、その時に気になったのが
画像左下に群がる遥か彼方の銀河たち。
わかりにくいのでネガ反転して かすかな銀河の等級を入れてみました。
等級の数値はステラナビ10で調べたものですが、もっとも暗いもので18.61等級でした。
これはかなり暗いと思って、メーカの望遠鏡で見える極限等級を調べてみると
口径30cmで14.2等級となっていました。(恒星の場合)
実は「極限等級」は人の目で見た場合で、そんな単純な話ではない事もわかりました。
「空の明るさ」や、他にもいろいろあって・・
ちなみに「すばる望遠鏡(口径8.2m)」のHPには何等星まで見えるかは載っていませんでした。
( いまどき「すばる望遠鏡」を覗いて観測する人なんかいないもんね。)
その代わり、画像処理をした写真では27等級までと書かれていました。

この銀河は前にも撮ったはず、と探してみたところ古いHDの中で見つかりました。
5年前に撮っていました。
まだVC200Lは無くR200SSにcanonのエクステンダーを付けて拡大しています。
カメラも初代kissDX、赤道儀も中古で購入した旧仕様のEM-200USDでした。
この5年間の進歩は感じられるでしょうか?

恒例ですので今回も撮影中画像(おりおんショット)を掲載します。
( 画像クリックで星座名入りで表示します ・・(注)スマホの場合 PC版 での表示が必要なようです ) 

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昨夜は1時間毎に目まぐるしく変わるGPV予報。
移動性高気圧では無かったのですが、
それでも全天薄雲で断念するまでなんとか2タイトル撮れました。
さて、画像ストックは現在いくつになったでしょう?

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ケフェウス座 魔法使い星雲(移動性高気圧に感謝 その1)

2017年11月24日 | 天体写真(星雲・星団)
この時期はもうこれに頼るしかない! それは雪雲を蹴散らしてくれる移動性高気圧

21日夜、あきらめていた新月期に訪れた奇跡の一夜(大げさじゃないんですよぉ )
今回はその1タイトル目、ケフェウス座の散開星団NGC7380を包む
散光星雲 Wizard Nebula です。
訳すと 主に""の魔法使い になるそうですが、くどいのでここはスッキリと

魔法使い星雲 (NGC 7380)  (ケフェウス座)
(  画像クリックで 元画像の25%まで拡大表示できます  )
(  になります )
撮影DATA : 2017/11/21 20:00’~  Vixen VC200L+レデューサー(合成f=1,278mm F6.4 )
露出 20分 × 枚 + 分 ×  ISO 3200 LPS-P2FIL Cooled 60D (冷却 オフ CCD温度 約+6℃)
タカハシ EM-200 Temma2M マイクロガイドスコープ 60 ToupCam PHD2Guiding ステライメージ7
”魔法使い”になじみのないわたしには、どうやったら”魔法使い”に見えるのかわかりません。
( ”魔女の横顔” 星雲はすぐにわかったんですけどね )

この星雲は以前にも撮っているのですが、
今回はより長焦点で感度は4倍、露光時間も増やしました。
撮影は19時20分に開始しているのですが、20分露光 最初の2枚は
なぜか星が流れて使えませんでした。(もったいない!)

2年前にR200SSで撮った画像です。 

もう恒例となった おりおんショット(只今撮影中画像)です。
( 画像クリックで星座名入りで拡大表示します )
TAMRON Zoom(f=17mm F2.8) 固定撮影 30秒×4枚コンポジット ISO1600 kissDX(FIL改造)
基準星導入のために一時的に付けたファイダーを外し忘れました。鏡筒バランスに狂いが・・

次回はアンドロメダ座の系外銀河の予定です。( といっても あの大銀河じゃないですよ )

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運よく撮れた画像、ゆっくりと間をおいて
満月期まで持たせようと思ったのですが、
天体写真ブログに ペーパークラフトの恐竜 じゃぁ、と
早めのアップになりました。

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2頭目完成したところで、移動性高気圧。(ペーパークラフトで恐竜)

2017年11月22日 | 天体写真よろず話
わが越後では冬が近づくにつれてますます遠くなる星空。
月に1,2夜しか撮影ができないのが当たり前の天気になっています。
そこで始めたのが 買ったけど使わなかったプリント用紙でのペーパークラフト。

最初は時間つぶしになるだろう 程度に考えていたのですが、
これが結構はまってしまう完成度。
おまけに素材は無料でダウンロードできます。
canonで提供しているHPは  こちら

素材のジャンルは幅広いのですが、私は孫の いっちー君も好きな 恐竜 から難しそうなのを。
星の写真が撮れない分、早くも2頭目が完成しました。

凶暴な事で人気のある(?)ティラノサウルス です。
(A4用紙11枚分で パーツは67種類になります)

こんな画像を見つけましたので
1頭目のスピノサウルスと遊ばせてみました。


結構大きなものなので置き場所に困ったのですが、食器棚の上で遊んでもらう事に。

予報ではこの新月期も期待できなかったため 3頭目をプリントしようかと思っていたのですが、
昨日(21日)の夜に移動性高気圧が通過した事から思いがけず徹夜で撮影できました。
昼間は雨だったのですが、気が焦り早々設営しました。
設営が終わった頃には沈みかけた細い月が西空に。
月齢 2.9
撮影データ:2017/11/21 17時半頃 VC200L+Red(f1278mm)
1/30秒 8枚コンポジット ISO1600 Cooled60D

この夜は湿度100%で0℃以下まで冷え、結露に悩まされました。
一タイトル目を撮影中の様子 筒先の星は北極星になります

撮影した画像は順次処理し、次回以降ブログ掲載いたします。

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画像ストックができましたが、これで満月期まで
持ちこたえるのは無理というもの。
初雪はまだなのですが、先日天気の良かった日に
植木の冬囲いとタイヤ交換を済ませました。
冬囲いの材料は毎年使っているものなので3時間程度で完了

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コーン星雲って、こんなに淡かったっけ?

2017年11月19日 | 天体写真(星雲・星団)
久しぶりの撮影となった12日の夜(正確には13日早朝)最後に撮ったのは
いっかくじゅう座の コーン星雲とX,masツリー星団 でした。

コーン星雲 & クリスマスツリー星団  (いっかくじゅう座)
(  画像クリックで 元画像の25%まで拡大表示できます  )
( 上 が  の方角になります) 
撮影DATA : 2017/11/13am 03:47’~  Vixen R200SS+コレクターPH(合成f=760mm F3.8 )
露出 15分 ・分 × 各 ISO 1600 LPS-P2FIL Cooled 60D (冷却 オフ CCD温度 約7℃)  
タカハシ EM-200 Temma2Mマイクロガイドスコープ 60 ToupCam PHD2Guiding ステライメージ7

高く上った月と薄明のため 総露光時間は1時間余しかないのですが、
1枚15分露光としたのでコーン星雲がもう少しくっきり写ってくれるかと・・

雪国につき冬の対象は撮る機会が少ないのですが、
このエリアは過去にヨンニッパでも撮っていました。

約5年前 (2013年 2月)

2年前 (2015年12月)

撮影開始時のおりおんショットです。
( 画像クリックで星座名入りで表示します )
明るい星を結んでできる逆三角形は「冬の大三角形」と呼ばれています

この夜の空は透明度には恵まれていたのに、なぜか明るめでカブリが目立ちました。
月明かりのせいならいいのですが、
最近団地内の防犯灯のLED化が行われたのが原因となると問題です。

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今日は越後は雪の予報でしたが、
我が家の周りは雪では無く雨でした。
そんな中「星のふるさと館」スタッフのAKIYAMAさんから
早くも雪景色の写真が届きました。
昨年より一週間早く、16日昼間に8㎝の積雪とのこと。
当日は授業で中学生の入館があったそうですが、
来月には長い冬季休館に入ります。

雲上くもがみ
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