雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

M16『創造の柱』 南中前撮影に挑戦! [ステラショット3 再始動その4]

2024年05月15日 | 天体写真(星雲・星団)
今回はゴールデンウィークさなかの5月2日夜(正確には3日早朝)に撮った最後の4タイトル目になります。
前回掲載の球状星団M5の撮影を終えたのが2時少し前で、この夜の薄明が始まるのが3時12分。
ずいぶん夜が短くなってきて、残りの時間で何を撮るか悩んだ末に
我が家の「庭撮り」ではほとんど試したことのない、南中前の南天の夏の星雲に挑戦してみました。
狙うは、M16わしイーグル星雲内にある
HST(ハッブル宇宙望遠鏡)の画像で有名になった『創造の柱』です。

記事後半に掲載した恒例の「只今撮影中」ショットを見てもらうとわかるのですが、
我が家の裏口付近の設置場所から南方向には、敷地内に桜の木と電柱が立っており
撮影の重大な妨げとなっております。
M16が家の壁から姿を現し、電柱を通過して薄明が始まるまでに撮影できた総露光時間1時間30分の画像です。

今回も『創造の柱』の等倍切り出し画像から掲載します。 ↓
 『創造の柱』 M16(NGC6611)(へび座) 
この夜はシィーングに恵まれたのか これまででで一番の画像となりました

トリミングなしの全体画像と撮影DATAはこちらになります。
( 元画像の50%縮小でトリミングなし )
( 上 が 北 になっています )
撮影DATA : 2024/ 5/ 3 02:05’~ Vixen VC200L(レデユーサーHD) (合成fl=1386㎜)
露出 6分 ×15枚 (総露光時間90分)Gain150  Offset 8 ホワイトバランス(R50%・B50%) LPS-D1フィルター ASI533MC Pro(冷却-10℃)
 タカハシ EM-200 Temma2M  ステラショット3(導入・オートガイド・撮影) ステライメージ9(画像処理)
ダーク・フラット処理は新しく作成し直したものを使っています

昨年6月に同じCMOSカメラで撮影した『創造の柱』の画像があります。
( 元画像の50%縮小でトリミングなし )
こちらもVC200L鏡筒での撮影ですが、レデューサーなしの長焦点で撮影しています
こちらの画像のブログ記事および撮影DATAは ⇒ 鼻息荒く『創造の柱』に挑んだものの ・・
昨年の記事を読むと、より長焦点にもかかわらず今年の画像に劣るのは 薄雲が最大の原因だったようです。


撮影時の空の状態の他「庭撮り」の環境もわかる恒例の「只今撮影中ショット」になります。 ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える小さなが今回の撮影範囲です )
2024年 5月 3日 02時52分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8)30秒×6枚 ISO1600 
ソフトフィルター使用 kiss DX(SEO-SP2) 三脚固定撮影

これまでは、南天の対象を撮るには南中を過ぎて電柱通過後から撮影を行っていました。
ただ今回は夏の星雲が南中する頃には薄明が始まってしまうため、
思い切って南中前からの撮影に挑戦してみました。


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我が家の「かたてま野菜」今年はぐっとこらえてまだ植え付けていません。
一雨あったので昨日マルチングだけ済ませました。
そんな折に 「星のふるさと館」スタッフでもあられる
AKIYAMAさんが 種から育てた野菜苗を持ってきていただきました。
その中に「宇宙キューリ」なる代物が。
話によると、日本初の女性宇宙飛行士 向井千秋さんが 宇宙で実験に使ったキューリの子孫で
いただいた経過は聞いてないものの、AKIYAMAさんが毎年種を育てて26代目になるそうな
接ぎ苗のキューリしか経験の無い雲上(くもがみ)、プレッシャーがかかります。


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球状星団M5(へび座) [ステラショット3 再始動その3]

2024年05月12日 | 天体写真(星雲・星団)
今回はステラショット3アップデータ3.0fインストール後の最初の夜に撮った3タイトル目になります。

この時期(5月)は春の系外銀河が目白押しなのですが、日が替わるころの時間帯になると
りょうけん座からおとめ座にかけての系外銀河は南中を過ぎて西に傾いて行きます。
春から夏の撮影対象に変わってゆくこの時間帯に撮ったのはへび座の球状星団M5です。
明るさではヘルクレス座の球状星団M13にも勝るといわれています。

今回は星数10万個と言われているこの球状星団の等倍切り出し画像から掲載します。 ↓
 球状星団 M5(NGC5904)(へび座) 
今回はシィーングにも恵まれたのか ガイドも安定し、星が良く分離しています

トリミングなしの全体画像と撮影DATAはこちらになります。
( 元画像の50%縮小でトリミングなし )
( 上 が 北 になっています )
撮影DATA : 2024/ 5/ 3 00:25’~ Vixen VC200L(レデユーサーHD) (合成fl=1386㎜)
露出 6分 ×14枚 (総露光時間84分)Gain150  Offset 8 ホワイトバランス(R50%・B50%) LPS-D1フィルター ASI533MC Pro(冷却-10℃)
 タカハシ EM-200 Temma2M  ステラショット3(導入・オートガイド・撮影) ステライメージ9(画像処理)
ダーク・フラット処理は新しく作成し直したものを使っています

3年前にフルサイズデジ一眼EOS6Dで撮影したM5の画像です。
(縮小なしで最初の画像と同じ範囲を切り出しています)
6Dのピクセルサイズが大きいため、VC200L鏡筒でレデューサーなしの長焦点で撮影しています
更に星の色を残すため、10分・3分・1分の3段階露光で撮影しています
こちらの画像のブログ記事および撮影DATAは ⇒ M5リベンジ撮影で、北天の大花火三発打ち上げ完了。
( M3M13との比較も行っています )
 

撮影時の空の状態もわかる恒例の「只今撮影中ショット」になります。 ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える小さなが今回の撮影範囲です )
2024年 5月 3日 00時44分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8)30秒×7枚 ISO1600 
ソフトフィルター使用 kiss DX(SEO-SP2) 三脚固定撮影


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雲上(くもがみ)が担当の、我が家の「かたてま野菜」。
今年はまだ苗の植え付けを行っていません。
夏野菜専門で、毎年早々に収穫を終えてしまうので、
今年はまだ野菜苗を買うのをぐっとこらえております。
次に一雨来たらマルチングして植え付けする予定です。
5月に3夜ほど徹夜撮影したりで、庭の勝手連の花たちを見てやれませんでした、今年もきれいにシャクナゲ。


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かに星雲リベンジ撮影と11年間の膨張

2024年02月28日 | 天体写真(星雲・星団)
今年に入ってようやく初撮りができたのは2月12日夜だったのですが、
なんと翌13日の夜も夜半前までは雲が無いという予報。
13日夜は 細い三日月とは言え 月が沈むのが21時過ぎなのでせいぜい1タイトル撮るのが精いっぱい
と考えて選んだのが、
前日VC200LのレデユーサーとR200SSのコレクターを取り違えた騒動で
撮り逃がした かに星雲 をリベンジ撮影することにしました。

結局6分露光で25枚撮影中ガイド不良の6枚を除いて処理した画像です。

 M1 かに星雲 NGC 1952 (おうし座) 
( 元画像の 50%に縮小 ほぼノートリミング )
(  上 が 北 になっています )
撮影DATA : 2024/ 2/13 20:59’~ Vixen VC200L(レデユーサーHD) (合成fl=1386㎜)
露出 6分 × 19枚 (Gain150  Offset1) LPS-D1フィルター ASI533MC Pro(冷却-10℃)
 タカハシ EM-200 Temma2M  ステラショット3(導入・撮影・オートガイド) ステライメージ9(画像処理)
ダーク・フラット処理はまじめに行っています

思いのほかガイドグラフが小刻みに揺れたため、星像が肥大化してしまいました。

以前撮ったかに星雲の画像と比較してみようとして探してみたところ、
2021年11月末に撮った画像と、2013年 1月末に撮った画像とを
GIFアニメ化して約9年間の星雲の膨張が見れるか挑戦 というものを見つけました。
そのときのブログ記事は ⇒ こちら
鏡筒とレデューサーは前回と同一ですが、前回カメラはAPS-Cサイズのデジ一眼Coolrd60D
今回はよりピクセルサイズの小さいCMOSカメラで、
更に2年が経過して11年間の膨張が見れるということで再挑戦してみました。
完成したGIFアニメです。 ↓

かに星雲 11年間の膨張
右上の矢印の先にある恒星(約10等級)は目立って大きな固有運動を持っており、移動の理由はわかりませんがごく近くにある星と思われます

wikipedia によると、かに星雲誕生の原因である超新星爆発は今から970年前の西暦1054年。
爆発で膨張するガスは毎秒1100kmの速さとはいうものの、970年かかっても見かけはまだこんな。
たった11年間で膨張がわかるのがむしろ不思議に思えます。

11年前のかに星雲として使ったのは前回と同じ画像 ↓
残念ながら残っていたのはこのJPEG縮小画像のみ。
撮影画像DATAがあれば処理しなおして星雲の画調をそろえることができたのですが、今回はオートストレッチで色調のみ合わせて使いました。


撮影時の空の状態もわかる恒例の「只今撮影中ショット」になります。 ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える小さなが今回の撮影範囲です )
2024年 2月13日 21時17分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8)30秒×6枚 ISO1600 
ソフトフィルター使用 kiss DX(SEO-SP2) 三脚固定撮影

夜半過ぎても雲はまだなかったのですが、良い空というわけでもなく 前夜の疲れもありかに星雲だけ撮って撤収しました。


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先日のブログ記事で、「ひとまずけりを付けた」はずのオフセット設定。
2月の月例会で勉強会の当番(?)が回ってきたので
ブログの記事を使ってそのあらましを話したところ、
オフセット設定値を決めるためのヒストグラムは
”対数スケール”で見ることが重要 とのアドバイスが。
”対数スケール”で見直してみたところヒストグラムが様変わり。
これで一念発起して、ダーク・フラット画像も作り直そうとした矢先に、
”ステラショット3のオフセット設定はバグがあるかも?”、との話に発展して・・
(機会があればブログで紹介しようかな?)
3月の新月期はどうしたらいいのでしょう?

この間までの春の陽気に誘われて芽を出した庭のフキノトウ、戻った寒さに震えあがっています。わたしも。


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『謹賀新年』 多段階露光&モザイク撮影でオリオン大星雲

2024年01月01日 | 天体写真(星雲・星団)
明けましておめでとうございます。

いつもの年なら元旦のブログには、年賀状イメージで新年のご挨拶というのが定番でしたが、
今年は2023年の撮り納めの夜となった12月8日夜(他にもう一夜)
多段階露光及びモザイク撮影で撮った華やかなオリオン大星雲の画像で
2024年のブログをスタートします。

 M42 オリオン大星雲 (オリオン座)
北部・南部を別々に撮影 多段階露光の画像処理後にモザイク結合
( ほぼノートリミング 元画像の35%サイズで表示
(  上が北になっています )
撮影DATA : 2023/12/ 8 23:09’~ (ほかもう一夜) Vixen R200SS(コレクターPH) (合成fl=760㎜)
露出 (北部・南部とも)それぞれ360秒 × 15枚+90秒×20枚+30秒×20枚  Gain150 ASI533MC Pro(冷却-10℃)
タカハシ EM-200 Temma2M ステラショット2(導入・撮影・オートガイド) ステライメージ9(画像処理)マイクロソフト ICE(モザイク結合)
*ダーク処理、フラット処理はまじめにやっています

星雲南部の90秒と30秒の短時間露光のみ12月 4日夜に撮影したのですが、
空の状態が違っていたようで、南・北の画調を合わせるのに苦労しました。
CMOSカメラASI 533MCでこの華やかな星雲を撮ったのは初めてですが、
私がこれまで撮った中では一番美しいオリオン大星雲になりました。
反省点としては短時間露光が長すぎ、今回の1/2か1/3の露光時間でよかった

2024年も恒例の「只今撮影中ショット」は継続していくつもりです。 ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える小さなが今回の撮影範囲です )
2023年12月9日 0時33分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8)30秒×6枚 ISO1600 
ソフトフィルター使用 kiss DX(SEO-SP2) 三脚固定撮影

定番のブログ年賀状も作ってありましたので・・
本年も当ブログへの訪問をお待ちしてます。(それとコメントもありましたら)

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撮った順番で掲載すれば、昨年末最後のブログ掲載となる
オリオン大星雲でしたが、
このあとに撮ったX’masツリー星団を年頭にするのは
ちょっと抵抗があって、順番を入れ替えた次第です。


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写真展4日前に リベンジした X’masツリー星団

2023年12月30日 | 天体写真(星雲・星団)
前回記事のさんかく座M33銀河の追加露光を終えたのが8日の22時40分過ぎ。
続いて撮ったのがこの夜のメインタイトルで 4時間近い露光時間をかけているのですが、
訳あって今回はお見せしません。
今回お見せするのはその次に撮った いっかくじゅう座X’masツリー星団になります。

この星団は先月22日早朝にも撮影しているのですが、途中で全天 雲に覆われて不満足な結果に。
今回は朝まで雲無し、撮影を開始した3時前には月も出たものの下弦を過ぎた細い月。
そんな好条件の夜に狙うは 前回の追加露光では無く、リベンジ撮影でした。
前回撮影時のブログ記事は ⇒ こちら

(注)記事タイトルにある”写真展”とは、13日から開催された「上越天体写真友の会(J-APA)」主催の
第2回天体写真展 のことで、今回リベンジ撮影のX’masツリー星団も急いで処理をして展示しています。


 リベンジ X’masツリー星団  (いっかくじゅう座) 
( 元画像の 60%に縮小 ノートリミング )
(  上 が 北 になっています )
撮影DATA : 2023/ 12/09 02:58’~ Vixen R200SS(コレクターPH) (合成fl=760㎜)
露出 360秒 × 20枚 (Gain150) LPS-D1フィルター ASI533MC Pro(冷却-10℃) タカハシ EM-200 Temma2M  
ステラショット2(導入・撮影・オートガイド) ステライメージ9(画像処理)
ダーク・フラット処理はまじめに行っています

前回より撮影枚数が2枚少ないだけで、撮影機材はまったく同じ。
果たしてリベンジなったのか前回画像と比較してみます。

狐の毛皮星雲 付近  ↓

コーン(円錐)星雲 付近 ↓

前回の方が星像が小さく鋭いように見えますが、これは薄雲越しで星が暗く写ったせいで、
狐の毛皮星雲付近 の写りを見れば その差は明らかです。

ところで、どう見たら『狐の毛皮』に見えるのでしょう?
私が思うに毛皮の頭の部分はここじゃないかと・・ ↓
ちょっと目の位置がちがいますが、向きはこんなでは

この夜の「只今撮影中ショット」になります。 ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える小さなが今回の撮影範囲です )
2023年12月9日 3時02分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8)30秒×7枚 ISO1600 
ソフトフィルター使用 kiss DX(SEO-SP2) 三脚固定撮影


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2023年も明日で終わりですが、皆様には1年間ブログ訪問
していただき大変ありがとうございました。
今年は6月に「上越天体写真友の会(J-APA)」がスタート。
来年も仲間と一緒に、無理せず天体写真とつきあってまいります。

それでは皆様、良いお年をお迎えください。


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