雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

宇宙撮るのに、北も南もあるもんか?(その2)

2016年10月19日 | 天体写真よろず話
前回記事 「宇宙撮るのに、北も南もあるもんか?(その1)」 の続きになります。

前回は記事タイトルから受けるニュアンスに反して
最近撮影した天体写真の構図の南北方向がズレて困るという話をしました。

特にズレやすいと思われる R200SS反射鏡筒での撮影時の状態です。
カメラを取り付ける接眼筒が下になるように 鏡筒を回転させて取り付けています
カメラを下側に付ける事により、筒の向きが変ってもバランスの変動が少なく
さらに重心を下げる事によりバランスウェイトも軽くできます。
上の写真ではカメラの向きを鏡筒と平行に取り付ける事により、横構図での撮影になります。
問題のズレが発生するのは、この時カメラの向きが微妙に傾いて(回転して)しまうためです。

前回でもお見せした最後に撮ったスバルの画像です。
この横構図の画像もわずか時計方向に回転していました。
今回は明るい星に発生している十字の光条が傾いている事に着目しました。
(これまでも 光条の傾きが構図の傾きに関係していそうだと感づいてはいたのですが・・)
十字の光条は見事に赤経(東西)・赤緯(南北)の方向を示している事がわかりました。

光条を発生させているのは、斜鏡を支える支持金具による光の回析現象です。
(支持金具の向きに十字の光条が発生しています)
接眼筒を下(赤緯軸の向き)にするということは、
十字の支持金具の向きを赤経・赤緯に合わせると同じという事に気が付きました。
となれば、 話は簡単。

明るい星をライブビューで拡大して、
十字の光条が傾かないようカメラの向きを調整すればいいのです。

むろん、鏡筒バンドに取り付ける時に鏡筒が回転ズレを起しては問題外です。
夜中でも見やすいよう、鏡筒とバンドにマーキングしました。

同じ反射鏡筒のVC200Lでズレが発生しにくいのは
カメラの向きを直感で確認しやすいためと思われます。

反射じゃないから、十字の光条なんて出ないよぉ!
という方で、手間を惜しまい人には
昔やった万能で確実な方法があります。
明るい星を端に持ってゆき、赤経(横構図)または赤緯(縦構図)を動かして
星が平行に移動するようカメラの向きを調整するのです。
わたしがこの方法をやめたのは 調整・確認に手間がかかるためです。

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実はこの一週間、ブログでも書いていないと
心配でいても立ってもいられない状態でした。
千葉にいる長女が 待ち望んでいた初めての出産を迎えていたのですが、
予定日を迎えるころから心身共にきつい状態が続いていました。
いわゆる高齢出産なるがゆえの心配だったのですが
予定日を一週間ほど過ぎた昨日午後、無事生まれたとの連絡が家内からありました。
婿殿はずっと会社を休み 付き添っていましたが、
私の方は仏壇や近くの神社に何度もお参りするくらいしかできませんでした。
無事生まれてくれた二人目の孫は女の子でした。
(19日13時 追記) 娘は出産の精神的ダメージがまだ残っているとのこと
心配は続きます。

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宇宙撮るのに、北も南もあるもんか?(その1)

2016年10月17日 | 天体写真よろず話
この満月前後に2夜ほど晴れたようです。 ほんとに もったいない!
そんな訳で新しい撮影画像もありませんので、ここのところちょっと気になりだした問題を。

下の画像は9月に一日だけ晴れた3日夜に撮った
はくちょう座の北アメリカ星雲からペリカン星雲の3枚モザイク画像(ノートリミング)です。
掲載記事は ➡ こちら

ビクセンR200SSで 中間部・北アメリカ星雲・ペリカン星雲の順番に撮影しているのですが、
見事に段違いになってしまいました。
上が北の方角ですので、一見すると南北方向にズレているかのようですが・・

実際に撮影した画像の範囲を調べてみると
カメラをタテ構図で南北に合わせたつもりが 少し回転していました。

ここで今回の記事タイトルについてなのですが
宇宙の星雲や はるか彼方の銀河を写すとき、地球上の南北の方角を意識する必要があるのか?
遠い未来 宇宙空間に身を置いた時、
地球上から見た位置の赤緯(南北)や赤経(東西)は意味をなさないはず
ですが・・
わたしの場合
必要に迫られて北の方角を意識した構図で撮影してきました。
その理由は 星図をたよりに撮影対象を導入してきたため
導入用に作成した 『ガイド星図22時
赤道儀の目盛り環を使って導入してきたのですが、周囲の星との位置関係が手掛かりでした。

ところが去年 赤道儀を更改したことから 自動導入が可能になりました。
現在使用している 『導入用Map
ステラナビゲータ を使えばもう南北方向を意識しなくても
撮影対象を自動で導入することができます。

それでも、前例のモザイク撮影や過去に撮影した画像との重ね合わせ(コンポジット)を考えて
できるだけ北の方角を意識した構図にしてきました。
ところが、最近実際に撮った画像を見ると

( 各画像クリックで実際の撮影画像を表示 )
 下は去年撮った画像、上は今年8月末に撮った画像
↑ 同じ撮影機材を使えば2年越しのモザイク撮影も可能なのですが・・

↑ これはモザイク撮影ではないのですが、去年の画像と重ねてみたら
光学的に画像歪みがあるのか、部分的にわずかなズレが発生しました。
↑ 上の画像と同じ夜に撮影したもので、傾きも同じになっています。

このカメラの向きにズレが生じる現象はニュートン方式のR200SS反射鏡筒で起きやすいようです。
先日 画像処理をしている時にふと思いついたのですが、
明るい星に発生する十字の光条を使ってカメラの向きを合わせられるのでは?

その方法とは
長くなったので 次回(その2) につづきます。

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数日前、画像処理用のデスクトップPCが立ち上がらなくなりました。
3年前にも なんの予兆も無く突然同じメッセージが出てメーカー修理に出したところ、
ハードディスク交換で多くの画像データが失われました。
それ以降、ハードディスクの壊れるようなPCは信用できず
できるだけ外部のHDに保存するようにしてきたのですが、
また3年でこわれたようです。
もう国内産しか信用できないということで・・

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贅沢は言わないけど、雲の中の昴(すばる)

2016年10月14日 | 天体写真(星雲・星団)
約40日ぶりの撮影となった11日夜、さんかく座M33の次に予定していたのは
おなじみのおうし座のすばる)でした。

予定では薄明が始まる4時半過ぎまで、10分露光12枚撮るはずだったのですが、
M33の撮影を終える頃から薄もやがでてきました。
結局
うす雲の中頑張ったのですが8枚目の途中で断念しました。
これではメローペのまわりのハケではいたようなガスは無理と思ったのですが

M45 プレアデス星団(すばる)  (おうし座) 
( 画像クリックで元画像の30%で表示 )
(  が北の方角 ) 
撮影DATA: 2016/10/12am 2:55’~  Vixen R200SS(コマコレクターPH)(合成f=760mm F3.8 )
露出 10分×4枚 ISO 1600 LPS-P2FIL Cooled 60D (外気温12℃ 冷却 -6℃)  タカハシ EM-200 Temma2M
マイクロガイドスコープ 60 ToupCam PHD2Guiding ステライメージ7
7枚撮った中で 比較的ましな4枚を使って画像処理した結果、なんとか画になってくれました。

この星雲を撮るとなぜか最初に探してしまうものがあります。
等倍画像から切り出したもの
撮影画像の右端中段あたりにあるのですが、見つけることができますか?
大きさから推定して数億光年先の系外銀河と思われます。

・・・
 去年、今回よりましな空で撮ったすばるです。

雲に覆われる前の6枚目あたりで撮ったおりおんショットです。
ソフトフィルターを付け忘れたため、星座がわかりにくいです (画像クリックで星座線入りで表示)
やっぱり柿の木 切っちゃおうかなぁ

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これでまた画像ストックが品切れに。
星のふるさと館の文化祭用の画像の再処理など
やることはあるのですが、次に撮れるのは・・
下弦の月のころまでおあずけですか。

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贅沢は言いません。40日ぶりに撮ったさんかく座M33

2016年10月12日 | 天体写真(系外銀河)
昨夜は20時過ぎると雲が無くなるというGPV予報 でしたので、久しぶりに撮影機材を設営しました。
撮影どころか、機材を設営したのも40日ぶりになります。

時間つぶしで上弦を過ぎた明るい月を撮ろうとしたのですが、沈むまでうす雲が切れず。
なんとか撮影できる空になったのは、日が替わって月が沈んでからでした。

この夜 最初の撮影対象に選んだ さんかく座のM33 です。

M33 銀河  (さんかく座) 
( 画像クリックで元画像の30%で表示 )
(  が北の方角 ) 
撮影DATA: 2016/10/12am 0:35’~  Vixen R200SS(コマコレクターPH)(合成f=760mm F3.8 )
露出 10分×12枚 ISO 1600 LPS-P2FIL Cooled 60D (外気温12℃ 冷却 -6℃)  タカハシ EM-200 Temma2M
マイクロガイドスコープ 60 ToupCam PHD2Guiding ステライメージ7
銀河の部分のトリミグ拡大画像です。
薄い雲があったようで透明度は並以下だったのですが、
ひと月ぶりの撮影にしては幸い大きなトラブルはありませんでした。

↑ 撮影に使用した導入用Map
ミスというほどでは無いのですが、カメラの向きが反時計方向に回転していました。

一番 空の条件の良かった頃の撮影中の おりおんショット です
↓ ( 画像クリックで星座線入りで表示します )
ミスが無かったと言いましたが、ソフトフィルターを付け忘れたため 明るい星が目立たず星座がわかりにくいですね

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一月前に撮影したときは、蚊に悩まされたのに、
昨夜は防寒着を着込んでの撮影でした。
星がギラギラ輝いてでもいれば別ですが、
寒いのはいやですね。
(自宅撮影につきほとんどの時間はぬくぬくだけど)

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自宅撮影に暗雲が・・

2016年10月09日 | 天体写真よろず話
もう撮影計画を立てる気にもならない天気が40日も続いています。
毎年晴れる事の多い明日の「体育の日」も今年は例外になりそうです。

それよりも今後「天体写真」の趣味を続けていくうえで深刻な問題が。

草刈りの済んだ南側空き地
この団地に来てから早30年以上が経ったのですが、
ずっと空き地だった南側に家が建ちそうなのです。

退職が近づいたころ、団地内で防犯灯やご近所の灯火が明るい中で
30年ぶりに「天体写真」を再開しようとした理由の一つが南側が空き地だったこと。
おかげで南天の対象も撮る事ができました。
↑ 夏の南天の天の川 2015/ 7/21
↑ 冬のオリオン座 2016/ 2/11
この空き地に家が建ったらどうなるか?
灯火が増えるだけで済まない事は明らかです。

ステライメージ上でその影響を推定してみました。
↑ 推測で新しく建つ家を赤い点線で加えてみました
これまでは南の空の条件が良ければ赤緯-30度くらいの対象も撮れない事は無かったのですが、
今後は-20度前後が限界となりそうです。
(注) 自家屋で北極星が見えない事と市街地の光害で、南中前の対象は撮る事ができないのです

つまり以下の対象はもう撮れなくなるかもしれません。
↑ アンタレスとM4 (赤緯)-26度
↑ 三烈星雲 (赤緯)-23度
↑ 干潟星雲 (赤緯)-24度
↑ NGC253 (赤緯)-25度
↑ M83 (赤緯)-30度

家も30年以上が経過しているので思い切ってリホームして、
2階に観測所をなんて夢も見たこともあるのですが・・
雪国の絶望的な冬の天候と、秋ですらこの空模様ではとても元が取れそうにありません。
それに重い機材を設営できる体力と集中力も、あと4年で終わる60代までかと思うと・・

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今日は午前中「くびきの100kmマラソン」の交通整理でした。
団地内は60kmコースになっているのですが
雨の中 全国から大勢が参加していました。
 
右は交通整理でいただいた記念の帽子です

雲上くもがみ
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