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雲の上には宇宙(そら)
雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!
『中秋の名月』 撮れたのは孫娘のおかげ?
2023年09月30日
|
天体写真(月・惑星・彗星)
月食以外は普段はやっかいものの満月ですが、
毎年一度の『
中秋の名月
』だけは なぜか気になります。
南中する0時ころまで晴れていてくれれば いつもの裏口付近で撮れるのですが ・・
昨夜(29日)の雲予報では月が上る頃は薄雲で、21時を過ぎると雲が厚くなるというもの。
2階のふにゃふにゃベランダまで50㎏近い機材を運び上げるのは大変なので・・
”
やはり今年もダメだったかぁ
” で済ませるつもりでした。
その気持ちが変わったのが昼頃届いた孫娘のママからのLINE。
なんと孫娘が友達に誘われて「
上越清里 星のふるさと館
」の
☆中秋の名月観望会
に行くので 予報はどうか聞いてきたもの。
いつもは午後9時前には寝る小1の孫娘が夜遅くまで、頑張って遠い山の上まで月を見にいく・・
じぃじは心を改めて、ダメ元でベランダに機材を設置しました。
結局は雲予報どおりだったのですが、
早い時間に夕食も食べずに1カット32枚4モザイク(計128枚)の撮影ができました。
中秋の名月 2023
( モザイク結合した画像の37%に縮小 )
撮影DATA : 2023/ 9/ 29 19:25’~35’ Vixen VC200L(fl=1800㎜)
露出0.01秒(1/100秒相当) × 32枚 × 4モザイク
Gain
102
ASI533MC Pro
(冷却-5℃) タカハシ EM-200 Temma2M
ステラショット2
(導入・撮影)
ステライメージ9
(画像処理)
RegiStax6
(コンポジット)
Image Conposite Editor
(モザイク結合)
モザイク結合に使った4カット
(各32枚づつコンポジット)
の画像です。
( こちらは 元画像の62%に縮小 )
北東 部
南東 部
北西 部
南西 部
今回の撮影はカラーCMOSカメラ
ASI533MC Pro
の検証のために撮ったものではないのですが、
CMOSカメラの特性を意識して撮影・画像処理を行っています。
たとえば
掲載した画像は「
レベル調整
」を済ませた段階の画像で、
これまでは「
レベル調整
」=レベル表示幅 を狭めることによって表示される階調を強調していたのですが、
その結果、明るい部分の白とびや暗い部分の黒つぶれが発生していました。
今回は表示レンジを狭めることはせず、16ビット階調の最大値65536にしています。
そうした理由は
〇 暗い星雲や銀河と異なり、月は明るく一般の撮影と同じようなもの
〇 下手な強調処理をせずに適正な露光時間に努めればそれなりの画像が得られるはず
〇
Gain
設定も 受光の結果得られた輝度データがx1倍となるゲイン値
(ユニティゲイン)
の 102(ASI533MCの場合)に設定しています
*とはいうものの
レベル表示幅
は狭めていないのですが、
レベル最小値
を故意に0から高めに変更しています。
海の部分が暗めになることによりコントラストが得られるのですが、
人の目で見た満月の印象とはずいぶん変わっています。
もともとのレベル最小値0だと ↓
インパクトはないのですが、人の目で見た印象に近くなります。
見栄え
との折り合いの問題はずっと残きそうです。
22時ころには 一面熱い雲に覆われたので撤収しました
孫娘のおかげで、今年は『中秋の名月』が撮れてよかった。
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孫娘たちの方もきれいな月が見れたようです。
とどいた観望会のスナップ ↓
孫娘は帰りの車はぐっすりで、そのままベッドに直行だったそうです
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十夜目の実戦検証 ASI533MC(その1)上弦過ぎの月
2023年09月27日
|
機材
前回記事「
九夜撮ってわかった事 わからない事 [ASI533 MC]
」に書いたように
533MC Pro
でこれまでに撮った画像の検証を始めたのですが、
ほとんどが同じ光学系(鏡筒)および同じ
Gain
で撮っており
検証用画像の不足を感じていました。
そんな24日の夜、上弦過ぎた月が真夜中まで沈まず、
おまけに予報では日がかわった2時ころには西から雲が押し寄せるという悪条件でしたが、
検証用の画像なら なにかしら撮れるだろうと7週間ぶりに自宅裏口に機材を設営しました。
幸いなことに 雲がやってきたのは予報より遅い3時過ぎ
おかげで貴重な検証用画像を撮ることができました。
今回は早い時間帯に撮った
「
上弦過ぎの月
」
の検証画像を使って
Gain
設定
が 明るい月の撮影に どんな影響を与えるのかを検証してみます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
月
は手持ちカメラでも撮影できるきわめて明るい天体ですが、
天体写真として見栄え良く見せるのは大変難しいと感じています。
その理由は 月自体が色味に乏しい事(
ほぼ
グレー)のほかに、
ごく微細なクレータの影や 欠け際を除けば 輝度が高い方に偏っており
画像処理で輝度の差を拡大すると明るい光条などが白くつぶれてしまったり、
逆に欠け際の部分が黒くつぶれたりします。
そこで 、白つぶれ 黒つぶれが発生しないように処理すると
こんどはメリハリのない眠たい画像になってしまいます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回は検証用ということで
Gain
0
~Gain
450
まで
50
きざみで10段階。
各8枚づつ撮影してRegiStax6でスタックを行った画像です。
( 画像クリックで縮小なし画像で見れます )
Gain102
は何かとお勧めされる
ユニティーゲイン
ですが、その意味をまだよく理解できていません
( ユニティゲイン値はCMOSカメラの機種により異なり
ASI533MC
では102となっています )
同じような明るさの撮影画像が得られるよう露光時間を変えているのですが、
Gain0はGain450の300倍近い露光時間となりました
撮影にあたって留意したのは
露光オーバーで
飽和する部分が多くならない露光時間
で撮影する事
かつ
極端な露光不足も避ける
事 ということで
画像内の
明るい部分の飽和(輝度最大)が始まる露光時間
で撮影しました。
(かなりファジーですが・・)
デジ一眼の
ISO
感度設定と違って
CMOSカメラ
の
Gain
はやっかいですが、
導入時 室内で実施した「
Gain
と画像の
輝度
」の検証結果が約に立ちました。
過去記事
「ASI 533MC Pro 導入検証(その3) Gainってなに? 露光時間は?」
2023_4_18 より
(注)Gain設定がきれいな50刻みになっていないのは、
ステラショット2
のゲイン設定方法が原因です。
得られる画像に大きな差はでないと思うが、ストレスがちょっとたまるので 直接キィー入力でも設定できるよう改善してほしい
以上をふまえて処理したこの夜の 月齢9.4の月です。
( スタックした画像に少しだけシャープ処理をかけただけの画像 )
撮影DATA : 2023/ 9/ 24 20:35’ Vixen R200SS(コレクターPH) (合成fl=760㎜)
露出0.007秒(1/143秒相当) × 16枚
Gain
102
ASI533MC Pro
(冷却なし) タカハシ EM-200 Temma2M
ステラショット2
(導入・撮影)
ステライメージ9
(画像読込・保存)
RegiStax6
(コンポジット)
*
いつもなら月の静止画撮影は長焦点の
VC200L
鏡筒にエクステンダーをつけて拡大・分割モザイク撮影するのですが、
今回はこの後の星雲・銀河の検証撮影も考えて短焦点の
R200SS
での撮影で、
これまでの約1/20の画素数での画像で 解像度の点ではものたらない月になっています。
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本来ならば検証画像の掲載にあわせて、検証結果のコメントも記載すべきですが、
この夜だけで4タイトルの検証撮影をおこなっており、
まずは得られた検証画像を先にお見せする事を優先しました。
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九夜撮ってわかった事 わからない事 [ASI 533MC]
2023年09月22日
|
機材
9月の新月期も雲まみれで一夜も撮れずに終わりました。
撮影画像が無いため、長らくブログ更新がされていません。
一昨日は
上越天体写真友の会
の第4回 月例会があって、
これまで3回続いた
CMOSカメラの
原理
から
撮影
まで
の勉強会が一区切り。
勉強会の進行役を務めていただいた当会員の KA さんは、
以前 某メーカーのカメラ素子の製造にかかわっておられたとの事で、
毎回時間が足らないくらい とっても深い話を聞くことができました。
一昨日の 月例会(CMOSに関する勉強会)の様子
わたしがカラーCMOSカメラ
ASI 533MC Pro
を購入したのは今年4月なのですが、
5月以外は天候に恵まれず 購入から5ヶ月たってもこれまで撮影できたのは 九夜だけ。
勉強会でわかった事もありますが、
いまだ これまでのデジ一眼と どうちがうのかわからない事も。
そこで現時点で
ASI533MC Pro
について
わかったこと
わからないこと
について整理してみることにしました。
*尚 以下の事項につきましては 以前の記事も参照願います
◆ なぜ
ASI 533MC Pro
を購入したのか
?
→
突然ですが、CMOSカメラ ポチりました。2023/04/12
◆
ステラショット2
でもCMOSカメラの
冷却制御
はできるのか
?
→
ASI533MC導入検証 (その1) 10年間で進化した冷却制御 2023/04/14
◆
CMOSカメラの
Gain
とは
?
露光時間
はどうなるのか
?
→
ASI 533MC Pro導入検証 (その3) Gainってなに? 露光時間は? 2023/04/18
*
この記事の中で疑問に思っていたことが、一昨日の勉強会で解決しました。
それは
カメラの仕様では
ADコンバーター
14
ビット
となっているのに
撮影画像の最大輝度が
16
ビット
になっているのは なぜ?
この疑問について 勉強会の進行役 KA さんによると・・
ADコンバーターが
14
ビットの仕様のCMOSカメラはADコンバーターの値に×4
倍
して
16
ビットに引きのばした輝度値が保存される。
( 同様にADコンバーターが
12
ビットの仕様のCMOSカメラは×16
倍
して16ビットに引きのばした輝度値を保存 )
それを確認するには、
ASI533MC
の撮影画像のヒストグラムを拡大してみると・・ ↓
ASI533MC
は ADコンバータの輝度値を4倍にするため、輝度レベル4の間隔が空いたグラフとなるはずだが
その狭間にもノイズなのか、棒グラフが発生している
533MC
の撮影画像
(FITS 16ビット モノクロ・ベイヤー配列)
のファイルサイズはすべて
18,100,800
バイトで、
533MC
の画素数(3008×3008 ピクセル)で割ると、1ピクセルあたり
2
バイト(16ビット)となる。
また撮影画像の飽和した星の輝度値(レベル)は16ビットの最大値
65,535
になっている。
*
CMOSカメラで輝度値をわざわざ16ビットに引き伸ばして保存している理由はなに?・・
(新たな疑問)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この先は 記事タイトルにそって、とりあえず 購入後 九夜で撮った画像を検証する中で、
CMOSカメラに適した
撮影から 画像処理まで
の方法を見出せればと考えています。
ただ 勉強会に参加した会員のみなさんは なんらかのCMOSカメラを持っておられ、
3回の勉強会で感じられた場の雰囲気として ・・
★
せっかくCMOSカメラを買ったのだから、その利点を最大限追い求めるべき
(そのためには、Gainを下げての長時間露光または多数枚撮影もいとわない)
または
★
推奨されている低いGainで撮ったら露光不足でほとんど写っていなかった
そうでなくても撮影機会の少ない雪国上越では撮影効率も考慮せざるを得ない
という 2つの考え方
それで 私はどちらかというと ・・
後者なのですが、
デジ一眼を持っているのにあえてCMOSカメラを買ったけど、
デジ一眼と同じような画像しか撮れないのなら無駄な出費となってしまう。
結局は前者の
533MC
の利点を生かしながら、後者の効率性も追及するしかない。
こう書くと なんか妥協するだけで、うやむやで終わりそう。
この先の記事が心配になりました。
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来月の月例会の進行を頼まれましたので、
その勉強会
(?)
の内容も意識して書き始めたのですが、
この先 尻切れトンボに終わる予感も ・・
晴れてさえくれれば、こんな先の見えない記事を書かなくて済むのに。
ぼやいても9月の新月期は終わり、また10月の新月期まで待つしかありません。
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<銀河系外 番外-10 ヘルクレス座銀河団>自宅で撮った『大宇宙SCALE』
2023年09月11日
|
自宅で撮った『大宇宙SCALE』
年間を通じて(特に冬季・夏季に)撮影できる夜が少ない日本海側の越後につき、
ブログ継続のための苦肉の策で 過去に撮った天体写真をもとに掲載してきた
シリーズ
自宅で撮った『大宇宙SCALE』
ですが、今回が最終回となります。
このシリーズのタイトル名を拝借した成文堂新光社の書籍『
大宇宙SCALE
』には
ピックアップされていないのですが、
シリーズ最後の対象として
ヘルクレス座銀河団
を
系外銀河
の最期を飾る”番外”として紹介します。
( 書籍『
大宇宙SCALE
』に未掲載の対象は 主にWikipediaなどに記載の距離を参考にしています )
Ⅲ 銀河系外
-----------------------------------------------------------------
番外-10
ヘルクレス座 銀河団
約
5億
光年
別名
Abell2151
:種別 銀河団 銀河の数 約300
下に見える明るい星は6.8等級 (注)縦(タテ)構図で撮影しており、右側が北の方向
上の画像を撮影した6年後の今年(2023年)、白枠内をCMOSカメラでクローズアップ撮影しています。 ↓
( 画像クリックでNGC・PGC No.の付いた画像を表示します )
(注)上が北の方向で掲載
撮影DATA
: 2023/ 6/ 17 21:27’~ Vixen
VC200L
(fl=1,800㎜)
露出 300秒 × 20枚 Gain300
ASI533MC Pro(冷却-10°)
タカハシ EM-200 Temma2M
ステラショット2
(導入・撮影・オートガイド)
ステライメージ9
(画像処理)
今年6月撮影時の「只今撮影中ショット」です。 ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える
□
が上の画像の撮影範囲です )
2023年 6月17日 22時49分~
Tamron Zoom(fl17mm F2.8) 30秒×7枚 ISO1600
ソフトフィルター KissDX(SEO-SP2) 三脚固定撮影
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月は下弦を過ぎて9月の新月期に入ったのですが、
猛暑から 今度は雨や雲まみれの予報が続きます。
6月以降の3カ月半に撮れたのは一夜だけ。
作成したCMOSカメラ用の秋物『導入用Map』の出番はいつになるのでしょうか?
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<銀河系外-22 コンパクト銀河群 ステファンの5つ子 >自宅で撮った『大宇宙SCALE』
2023年09月07日
|
自宅で撮った『大宇宙SCALE』
自宅で撮った『大宇宙SCALE』
シリーズ は次回で完了となります。
今回はペガスス座にある2億光年を越えた銀河の小さな群れ
ステファンの5つ子
になります。
群れと言ってもわずか3分角の範囲にちんまりと見えるもので、
北側にある距離
約
5千万光年の明るめの銀河と一緒に撮ることによってなんとか画になっています。
Ⅲ-22
ステファンの5つ子
2億7000万
光年
別名 HCG 92:種別 コンパクト銀河群 明るさ ー 見かけの大きさ 3.2分角 星座 ペガスス座
-----------------------------------------------------------------
(注)
距離
については成文堂新光社 発行『
大宇宙SCALE
』より
上の画像の
□
部分をクロースアップした画像です ↓
”
5つ子
” と呼ばれる銀河のNGC No.です(反転画像にしてモノクロ化)
もっとも大きく明るく写っているNGC7320は、実は他の銀河よりずっと手前の3900万光年にあり
偶然 同じ方向に見えているだけだそうです。
今回掲載した6年前の画像の「只今撮影中ショット」です。 ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える
□
が今回の撮影範囲です )
2017年 9月28日 23時48分~
Tamron Zoom(fl17mm F2.8) 30秒×5枚 ISO1600
ソフトフィルター KissDX(SEO-SP2) 三脚固定撮影
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ここにきて水不足から一転、雨模様の天気に変わりました。
一昨日は隣の糸魚川市で大雨警報が出され一部地域に避難指示が。
猛暑が収まるのはありがたいのですが、大雨も困ります。
雨でなければ早朝歩いているのですが、稲刈りがもう終わった田も。
今年入学した孫むすめが通う小学校の学校田の案山子くん、稲刈りまで頑張ってね
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