雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

チャレンジ! キャッツアイ星雲 (ASI533MC導入検証)

2023年05月30日 | 機材
前回ブログ記事が12日深夜から早朝にかけて撮ったりゅう座の銀河トリオでしたので
撮影順で行けばその後16日、17日に2夜連続で徹夜撮影した対象の掲載となるのですが、
実は訳あって2夜のほとんどを撮影済みの対象の追加露光に充ててしまいました。
( その訳とは ?  編集後記を参照願います )
おまけに16日・17日両日とも、月明りも厚い雲もなかったものの 星像が肥大化する透明度には恵まれない空で、
せっかくの追加露光もその一部しか使えませんでした。


そんな中で18日深夜から早朝にかけて撮ったのがNGC No.もごろがいい りゅう座のキャッツアイ星雲でした。
これはかなりの難物で、今後の追加露光を前提にしたチャレンジ撮影でした。

  NGC6543 キャッツアイ星雲(りゅう座) 
( 元画像の 50%に縮小 ほぼノートリミング )
(  上が北になっています )
撮影DATA : 2023/ 5/ 18am 01:18’~(5/12)03:25’ Vixen VC200L (fl=1,800㎜)
露出 300秒 × 14枚  Gain300 ASI533MC Pro(冷却-10°) タカハシ EM-200 Temma2M  
ステラショット2(導入・撮影・オートガイド) ステライメージ9(画像処理)
*ダーク処理、フラット処理はまじめにやっています

どこが難物かというと・・ 星雲中心部はHST(ハッブル宇宙望遠鏡)画像でおなじみですが
とても見かけが小さく、おまけに明るいので撮影ではすぐに飽和して星と区別がつかなくなります。
とてもアマチュアの機材で撮影するのは困難なのですが、周辺に広がった淡く青い星雲の存在を知ってから
わたしも過去に挑戦したことがあります。
今回の画像はその周辺の星雲部分をなんとか出そうと中心部が飽和するのは承知の上で
ASI533MCのGain300で5分露光で撮影し、
更に星雲中心部はGain204で100秒露光で別に撮影したものを貼り付けてあります。
星雲中心部の画像を選定するための判定用画像です ( 右が北の方向 ) ↓
18枚の撮影画像の中から良好と思われる8枚を処理した画像を貼り付けています。 ↓
淡く広がった星雲の周辺部は今後の追加露光で改善が期待できますが、
星雲中心部はもっと露光時間を短縮して、大気の揺れが少ない夜に出会うことを期待しましょう

過去に撮影した画像を探してみたら8年前の2015年5月に撮影していました。 ↓
なんと、VC200Lに 更に2倍のエクステンダーでチャレンジしていました
撮影DATA及び関連ブログ記事は → リング星雲とキャッツアイ(f3,600mm目盛り環導入)

当ブログ恒例の「只今撮影中」ショットです ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える小さなが今回の撮影範囲です )
2023年 5月18日01時42分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8) 30秒×8枚 ISO1600 
ソフトフィルター KissDX(SEO-SP2) 三脚固定撮影


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記事の冒頭に書いた 二夜連続で追加露光に費やした理由です。

3月末に10年来 お世話になってきた星のふるさと館
HOSOYAさん(今はOB)からメールをいただきました。
ふるさと館の ”天体写真に挑戦” のメンバーを中心にした
上越天体写真友の会』を立ち上げたので参加しませんか? というお誘い。
6月には展示会も開催するとのことで、
さっそくお仲間にいれてもらうことに。
そんな訳で、急遽 展示会用の作品づくりとなったわけです。
観覧 ”無料" ですので ご来場お待ちしています


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クローズアップ! りゅう座の銀河トリオ (ASI533MC導入検証)

2023年05月26日 | 機材
11日夜(といっても翌日の深夜から早朝)の3タイトル目に選んだのはりゅう座の銀河トリオです。
ここまで4月に購入したカラーCMOSカメラ ASI533MC の導入検証用に撮っていたのは
見栄えのする明るくて見かけの大きいものばかり。
本来はセンザーサイズが小さくて写野の狭いASI533MCで狙うべきは
まさに見かけの小さな系外銀河がうってつけなのですが、
導入検証用の撮影とは言え いきなり難物で ”がっくり” したくなかった というのが本音。

 りゅう座の銀河トリオ左から NGC5985・5982・5981) 
( 元画像の 50%に縮小 ほぼノートリミング )
(  上が北になっています )
撮影DATA : 2023/ 5/ 12 01:20’~(5/12)03:20’ Vixen VC200L (fl=1,800㎜)
露出 300秒 × 24枚  Gain300 ASI533MC Pro(冷却-10°) タカハシ EM-200 Temma2M  
ステラショット2(導入・撮影・オートガイド) ステライメージ9(画像処理)
*ダーク処理、フラット処理はまじめにやっています
総露光時間2時間ではまだ画像が荒いようですが、追加露光はたぶん来年になるでしょう?

ほぼノートリミングでもフレームいっぱいに広がる系外銀河のトリオは迫力ありますね。
銀河単体では小さすぎて見栄えがしなくても、コンビやトリオの銀河は以前から撮影してきました。
今回の銀河トリオも2021年にフルサイズのEOS6Dで撮影しています。
( 四角の枠は今回のASI533MCの写野 )
同じVC200L鏡筒での撮影になるのですが、さすがにフルサイズカメラでは写野が広すぎて 寂しすぎます。
上の画像の撮影DATAは → 悩んだ末に、りゅう座銀河トリオ を参照願います

当ブログ恒例の「只今撮影中」ショットです ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える小さなが今回の撮影範囲です )
2023年 5月12日02時22分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8) 30秒×6枚 ISO1600 
ソフトフィルター KissDX(SEO-SP2) 三脚固定撮影


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我が家の『かたてま野菜』は順調にそだっています。
最初の収穫となるのは きゅーり か ズッキーニか?
家の裏庭の芍薬(しゃくやく)はわたしの担当。
ほんとは真っ白が好きなんですが、ここ数年きれいにひらいてくれません。


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回転花火銀河M101 追加露光は毒にも薬にも (ASI533MC 導入検証)

2023年05月23日 | 機材
今回は11日夜に撮影した2番目のタイトル おおぐま座の回転花火銀河とも呼ばれるM101になります。

4月に購入したばかりの冷却カラーCMOSカメラ ASI533MC Pro の検証のために
ピックアップした明るくて見かけも大きい系外銀河です。

 回転花火銀河 M101(NGC5457) (おおぐま座)
( 元画像の 64%に縮小 ほぼノートリミング )
(  上が北になっています )
撮影DATA : 2023/ 5/ 11 23:26’~(5/12)01:12’ Vixen VC200L (fl=1,800㎜)
露出 300秒 × 18枚  Gain300 ASI533MC Pro(冷却-10°) タカハシ EM-200 Temma2M  
ステラショット2(導入・撮影・オートガイド) ステライメージ9(画像処理)
*ダーク処理、フラット処理はまじめにやっています
明るいわりにのっぺりとした印象の銀河だったのですが、思いのほかダイナミックに写ってくれました。

この銀河は今年3月にフルサイズの EOS6Dでも撮影しています。 ↓
タテ構図で撮影しており、北の方角は右側になります  (枠内が今回の533MCの撮影範囲)
掲載画像は2020年、2021年の撮影画像も加えて総露光時間約9時間の画像です。
この画像の撮影DATAはこちらのブログ記事で → おおぐま座 回転花火銀河M101(これで貯光9時間)
 
最初の533MCで撮影した画像の総露光時間は2時間にも満たないものでした。
そこで6日後の17日夜に追加露光を試みましたが、透明度なのか 大気のゆらぎが大きかったのか 星像が肥大。

11日の画像に、なんとか使えそうな画像を加えて再処理した画像です。 ↓
撮影DATA(追加露光分) : 2023/ 5/ 17 23:04’~(5/18)01:03’ Vixen VC200L (fl=1,800㎜)
露出 300秒 × 15枚  他のDATAは11日と同じ
強めのマルチバンドシャープ処理をかけたため画像が荒れてしまいました。
淡い部分が少し出たように見えますが、解像度も向上したかというと ・・

当然の事ですが、追加露光する画像の質によっては単にソフトフイルターをかけただけという結果もあり得ます。


当ブログ恒例の「只今撮影中」ショットですが、2夜のうち11日夜のものです ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える小さなが今回の撮影範囲です )
2023年 5月12日00時50分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8) 30秒×5枚 ISO1600 
ソフトフィルター KissDX(SEO-SP2) 三脚固定撮影


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16日と17日の二夜連続の徹夜撮影は雲は出なかったものの
透明度が悪かったのか 星像がさえません。
そのほとんどが追加露光用だっただけに がっくりです。

我が家のアヤメ族の先陣をきって咲きだしました、このあとは花菖蒲が続きます


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”針”銀河 NGC4565 早くも追加露光(ASI533MC 導入検証中)

2023年05月19日 | 天体写真(系外銀河)
前回記事の編集後記で11日の夜も晴れてくれたと書いたのですが、
なんと更に16日、17日も晴れてくれて体力温存のため昼間寝て夜に備えるなんてことも。
先月ASI533MC Proを導入して現時点で5月は4夜も徹夜撮影できたのですが、
後半の2夜はリベンジというより撮影済みのタイトルの追加露光に振り向けました。

早く画像処理をと気がせくのですが
今回から11日夜の撮影タイトルの順にブログ掲載します。

11日夜の最初のタイトルは当初の予定を変更して かみのけ座の”針”(ニードル)銀河NGC4565
当初はM63ひまわり銀河だったのですが、南中時刻の早い方に変更。

 ”針”銀河 NGC4565 (かみのけ座)
( 元画像の 64%に縮小 ほぼノートリミング )
(  上が北になっています )
撮影DATA : 2023/ 5/ 11 20:58’~23:09’ Vixen VC200L (fl=1,800㎜)
露出 300秒 × 14枚  Gain300 ASI533MC Pro(冷却-10°) タカハシ EM-200 Temma2M  
ステラショット2(導入・撮影・オートガイド) ステライメージ9(画像処理)
*ダーク処理、フラット処理はまじめにやっています

撮影画像は26枚もあるのですが、短時間のガイドエラーが目立つ画像12枚を除いて
加算平均(σクリッピング)しています。

その後に晴れた17日には、リベンジというより追加露光がねらいで
より厳しいガイドエラーチェックで2夜分の画像を合わせた画像処理を行っています。
より厳しくチェックしなおした11日夜の星像判定 ↓
>
緑の枠内が再チェックで使用 ”” となったもの
撮影画像26枚の内、使用 ”” となったのは、更に減ってわずか9枚になりました

*今回の533MCの購入元アストロアーツ作成の「冷却CMOSカメラデビュー・・・・ かんたんマニュアル」には、
長焦点の鏡筒ではガイドの制約から露光時間1分を推奨としていました
(1分では撮影枚数が5倍に増えるので、多少歩留まりが下がっても・・)

ちなみに追加露光した17日の撮影枚数24枚のうち使用 ”” としたのは18枚でした。
( 17日の夜は透明度が悪く、星像が肥大化したのでガイドエラーが目立たなかった? )

2夜分の画像を合わせて処理した画像です。 ↓
( 5/19 17h 強めの処理画像に差し替え )
撮影DATA(追加露光分) : 2023/ 5/ 17 20:52’~22:52’ Vixen VC200L (fl=1,800㎜)
露出 300秒 × 18枚  他のDATAは11日と同じ

2夜分合わせても総露光時間はまだ2時間余、来年は透明度が良くて、もっと空の暗い時間帯での追加露光をしてみたいです。

今年2月に空の暗い時間帯にE0S6Dで撮った同銀河です。 ↓
( ピンクの枠線は上の画像の撮影範囲です )
2020年に撮った画像も加えて処理しています
この画像の撮影DATAはこちらのブログ記事で → 月がしずんで、ニードル銀河 NGC4565


当ブログ恒例の「只今撮影中」ショットですが、2夜のうち11日夜のものです ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える小さなが今回の撮影範囲です )
2023年 5月11日22時02分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8) 30秒×6枚 ISO1600 
ソフトフィルター KissDX(SEO-SP2) 三脚固定撮影


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今日は久しぶりの雨で「かたてま野菜」の水やりはお休み。
みんな元気に育っているのですが、小玉スイカがちょっと心配。

お気に入りの写真集の表紙に少し近づけたでしょうか?


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新月期を待たずに実戦撮影その3 北天の大花火M13(ASI533MC導入検証)

2023年05月16日 | 機材
ASI533MC Proを購入してから やっと晴れてくれた9日夜の3タイトル目になります。

この夜のメインタイトルだった前回記事掲載の子持ち銀河M51の撮影を終えたのが1時25分。
この朝の薄明が始まるのは3時3分で、残された時間は約1時間半。
それよりも下弦前の明るい月が南中するのが 3時38分ということで
3タイトル目には北天の大花火 球状星団M13を選びました

 球状星団 M13 (ヘルクレス座)
( 元画像の 64%に縮小 ほぼノートリミング )
(  上が北になっています )
撮影DATA : 2023/ 5/ 10 01:44’~03:27’ Vixen VC200L (fl=1,800㎜)
露出 300秒 × 18枚  Gain300 ASI533MC Pro(冷却-10°) タカハシ EM-200 Temma2M  
ステラショット2(導入・撮影・オートガイド) ステライメージ9(画像処理)
*ダーク処理、フラット処理はまじめにやっています

M13が画像中心から外れてしまいましたが、今回はステラショット2導入補正がエラーで機能せず。
( エラーの原因は 補正用試写画像がほとんど球状星団の星でうめつくされていたため? )

2年前にフルサイズの EOS 6Dで撮影した画像です。 ↓
ピンクの四角枠が今回の533MCでの撮影範囲です

画像の比較で注目すべき点は、6D画像では星団中心部が白くつぶれないよう3段階の露光時間の画像を重ね合わせているのですが、
今回の533MCでの撮影では5分露光のみで 中心部もつぶれずに 外縁部の暗い星まで写っています。

6Dで撮影した上の画像の中心部 ↓
( 533MCと同じ範囲を等倍トリミングした画像 )

撮影が終了するころに あわてて撮った「只今撮影中」ショットです ↓
( 鏡筒の向いた方角に見える小さなが今回の撮影範囲です )
2023年 5月10日 3時18分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8) 30秒×6枚 ISO1600 
ソフトフィルター KissDX(SEO-SP2) 三脚固定撮影
この時間での月の高度は24度、月明りの影響はあったはずですが 球状星団なら大丈夫。


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9日夜の撮影画像はこれで終わりですが、
幸いなことに1日おいた11日の夜も撮れましたので
次回から順次ブログ掲載します。

今年も庭のシャクナゲがきれいに咲いてくれました (5/6撮影)


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