雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

R200SS鏡筒をアルミホイルで包んでみました。

2019年11月25日 | 機材
前回記事の編集後記でR200SSのアルミホイル包みの画像を載せました。
もう新月期なのに星空は望み薄なので そのネタでしのぎます。

なんのためにこんな事をしたのかというと・・
きっかけは先月末に R200SS鏡筒の主鏡がひどい結露に見舞われた事。
なのですが・・
これは別に珍しい事では無く 既にR200SS鏡筒底部には
乾燥空気を吹き込むチューブを 対策として取り付けてあります。
( 鏡筒内の対流が起きるのではと まだ使ったことはありませんが )
今回思い切って、R200SSHST(ハッブル宇宙望遠鏡)みたいにした理由は
Lambdaさんのブログ 
「エコノミー天文機材で行く、ゆるーい天文趣味」での記事でした。
● 夜露対策「一ノ段:冷却防止」
● 衝撃!筒内気流除去の術

このブログ記事を見なかったならこんな事は思いもつきませんでした。
そもそも金属ほど冷えやすいと思いこんでいた人間にとって、
放射冷却で冷えやすいのはプラスチックで、金属表面の放射率はぐっと低い
というのは、まったく想定外のことでした。
鏡筒は金属ですが その表面は樹脂塗装のため放射率が高く冷えやすいので、
アルミシートなどで包みこめば
放射冷却で鏡筒が冷えるのを防げるという理屈
鏡筒とカメラに霜が貼り付いたR200SS鏡筒(昨年1月)

材料費も200円程度で済むので試してみることに。
Lambdaさんの記事では 鏡筒が外気になじんだらアルミシートで覆う とありましたが、
その都度というのは大変で、また反復使用が可能なアイデアも浮かばなかったため
はじめから鏡筒にアルミホイルを貼り付けることにしました

普通の台所用アルミホイルを両面テープで鏡筒に貼り付けていきます

貼り付けは終わったのですが、超薄のアルミホイルだけではすぐにボロボロになりそう

そこで 鏡筒バンドが当たる部分などを手持ちのアルミテープで補強しました

ついでにフードにもアルミを貼り付けました

これでR200SS鏡筒の搭載・撤収時にはアルミがやぶれないよう
腫れ物に触るような気配りが必要になります。

もう一本の反射鏡筒VC200Lについては今回は保留としました。
このアルミホイル包みは筒内気流の安定化にも効果あり
とのことですが、一度貼ると元に戻すのが大変なので
R200SS でまず検証してみてからという事に。

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30年以上も空き地のままになっていた
道路を隔てた隣地でついに工事が始まりました。
どんな家が建つのでしょうか? 平屋なんて期待するのは無理か
これでもう南に低い対象の撮影は無理になるかも。
邪魔だった柿の木はリホームの際に切ったのですが・・ (2年前の南西側の視界)

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電柱すれすれ、オリオン大星雲 5段階露光

2019年11月22日 | 天体写真(星雲・星団)
自宅庭撮りのゴールデンタイムは、深夜1時過ぎから薄明が始まるまでの時間帯。
家々の灯火が消え 空が最も暗くなります。(残念ながら防犯灯は消えてくれませんが )

日が替わった今月1日のゴールデンタイムに選んだラストタイトルは
冬空の一番人気、オリオン大星雲 でした。
この星雲は明るくカラフルで四季を通じても写真写りは文句なしの一番だと思います。
惜しいのは南天低めで 敷地内の電柱や電線が邪魔になること。

なんとか電柱の上を通過してくれてセーフ
去年 魔女の横顔星雲 を撮った時は電線の碍子(ガイシ)が写りこみ無残な結果となりました。

5段階露光の画像をすべて使って処理した画像ですが・・
オリオン大星雲 (オリオン座) 
( 画像クリックで元画像の25%表示 )
( 上方向が北 になります )
撮影DATA : 2019/11/ 1am 02:53’~  Vixen R200SS+コレクターPH(合成f=760mm)
露出 分 ・分 ・分 ・分 ・秒 × 枚 ISO 3200 LPS-D1 EOS 6D (HKIR改造)
タカハシ EM-200 Temma2M マイクロガイドスコープ 60 ToupCam ステラショット ステライメージ7
もっとも空の暗い時間帯に、5段階露光でこれまで以上に撮影枚数も多めに
したにもかかわらず、明るい星が大きく滲むがっかりな結果に。

星雲中心部のトリミング画像です。

悔しいので、各露光時間ごとの画像を個別に処理してみました。
( いずれも上の画像と同じ範囲をトリミング )
撮影の順番は南中10分後から薄明開始20分後まで 4秒、1分、6分、4分、2分の順になります
この星雲を光らせているトラペジウムは1分露光で もう星雲に埋もれています。
( 多段階露光の露光時間は再考が必要かも )

撤収時に確認したところ、主鏡の結露は目立たなかったことから
星のにじみは薄雲によるものと思われます。

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2夜連続の撮影だったのですが、一夜目はひどい結露で
主鏡面に露が流れるほどでした。
これからの季節はまず晴れないか、晴れても結露か霜柱か。
結露対策に効果があるかもと、R200SSをこんなにしてみました。
まるで R200SS が HST(ハッブル宇宙望遠鏡)みたいに
この新月期に効果を検証できるといいのですが、日本海側はもう・・

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IC1848胎児星雲、赤子の手をひねるようには・・

2019年11月18日 | 天体写真(星雲・星団)
先月31日夜の3タイトル目になります。
すでに日が替わって空が暗くなってきたので
見かけは大きいけれど たぶんやっかいだろうと思われる星雲に挑戦。
カシオペア座の胎児星雲です。

IC1848 胎児星雲 (カシオペア座) 
( 画像クリックで元画像の25%表示 )
( 上方向が北 になります )
撮影DATA : 2019/11/ 1am 00:43’~  Vixen R200SS+コレクターPH(合成f=760mm)
露出 分 × 枚 + 分 × 枚 ISO 3200 LPS-D1 EOS 6D (HKIR改造)
タカハシ EM-200 Temma2M マイクロガイドスコープ 60 ToupCam ステラショット ステライメージ7

この星雲の隣にある これも大きな赤い星雲 IC1805ハート星雲
毎年のように撮っているのですが
なぜかこちらは単独で撮った記憶が・・

昨年9月に撮った ハート星雲と合わせてステラナビゲータ
画像マッピングしてみました。 ↓
ハート星雲 はわざと傾けて撮影しています ステラナビゲータの赤道座標で表示しています)
2つの星雲を一緒に納めるにはフルサイズカメラで
R200SSの2モザイク撮影でも無理な事がわかります。
( 上図の外枠はf400mmレンズの写野 )

明るさ大きさではハート星雲に引けを取らないのに
これまで撮ってこなかった理由は 星雲にメリハリがないこと。
そこでステライメージマルチバンドシャープを少し変えてみました。

■ トーンカーブ調整まで終わった画像です ↓
これでも かなり無理なカーブでメリハリをつけているのですが・・

■ マルチバンドシャープを「RGB」全体にかける ↓
「RGB」全体にかけるのはいつものやり方ですが、星マスクを使っても星の肥大化(色とび)が気になります

そこで ほとんど赤一色の星雲であることから・・
■ マルチバンドシャープを「R」チャンネルだけにかけてみました ↓
星雲のシャープ化の効果は変わらずに星の肥大化が抑えられています
赤い星雲には効果的かも?

恒例の撮影中の星空です。
( 画像クリックで星座名を表示します )
6分露光を開始した1時頃の様子です ( 固定撮影30秒 6枚コンポジット )

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いよいよ深夜を過ぎると冬の星座が高く上るようになりました。
この夜1時過ぎの南の空にはオリオンが
次回はこの夜のメインテーマだったオリオン大星雲です。
気になる電柱は果たして大丈夫だったでしょうか?

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パックマン星雲、フルサイズで撮る意味はあるか?

2019年11月15日 | 天体写真(星雲・星団)
先月31日夜の2タイトル目はカシオペア座の通称パックマン星雲でした。
撮影開始は南中30分後の22時半ごろでした。
団地内につき まだこの時間帯では空が明るいのは仕方ありません。

22時50分ごろの撮影中の空 ( 画像クリックで星座名を表示 )

NGC 281 パックマン星雲 (カシオペア座) 
( 画像クリックで元画像の25%表示 )
( 上方向が北 になります )
撮影DATA : 2019/10/31 22:37’~  Vixen R200SS+コレクターPH(合成f=760mm)
露出 分 × 18枚 + 分 × 枚 ISO 3200 LPS-D1 EOS 6D (HKIR改造)
タカハシ EM-200 Temma2M マイクロガイドスコープ 60 ToupCam ステラショット ステライメージ7

比較的明るくて見かけの大きな星雲なのですが、
フルサイズカメラで撮るとちょっと迫力不足なのでトリミングしてみました。
これでAPS-Cカメラで撮った写野とほぼ同じになります。
3年前の9月に深夜の時間帯に撮った画像です。↓

フルサイズカメラの利点である写野の広さを活かせる対象は
庭撮りの明るい空では案外少ないことがわかってきました。

次回は初めて単独で撮った難物 胎児星雲(ソウル星雲)の予定です。

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爆弾低気圧で北海道で大雪が心配されていますが、
こちら今朝はすっきりと青空でした。
玄関前から火打山2462mを望遠レンズ(f400mm相当)で撮影
日本海側が鉛色の雲で覆われる冬はすぐそこまで。

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ケフェウス座IC1396 まだ灯火で明るい頃に

2019年11月11日 | 天体写真(星雲・星団)
先月30日夜は久しぶりの星空だったのですが
日が替わった頃から雲の包囲網が狭まって撮影が度々中断し、
結局 薄明を待たずに撤収しました。
幸い翌日は20時過ぎから雲が切れて朝まで撮影することができました。。

予報通り晴れる想定で昼間の内に撮影プランを検討し、
20時過ぎには ケフェウス座 IC1396の撮影を開始。

IC 1396 (ケフェウス座) 
( 画像クリックで元画像の25%表示 )
( 上方向が北 になります )
撮影DATA : 2019/10/31 20:21’~  Vixen R200SS+コレクターPH(合成f=760mm)
露出 分 × 24枚 + 分 × 枚 ISO 3200 LPS-D1 EOS 6D (HKIR改造)
タカハシ EM-200 Temma2M マイクロガイドスコープ 60 ToupCam ステラショット ステライメージ7
撮影枚数を大幅に増やしたのですが、灯火で明るい空ではコントラスト不足でした

この星雲は昨年同じ鏡筒・カメラで北側を横構図で撮影していました。↓
今回は南側を撮ってモザイク結合しようかとも思ったのですが、
昨年は7月に空の暗い深夜2時過ぎの撮影だった事を考えてやめました。

まだ灯火で明るい撮影中の空です。 ↓
( 画像クリックで星座名を表示します )
これでも6枚コンポジットしています


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この夜 隣家の玄関灯は消し忘れたようで一晩中ついていました。
玄関灯は消えても 団地内の防犯灯は一晩中ついたまま。
この夜の21時頃の北側の灯火の様子(対策で2枚の灯火遮蔽パネルを設置)

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