栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

y.uモバイルに変更予定が楽天モバイルになった理由

2022-01-23 17:45:16 | 視点

 昨年12月、今使っているIIJmioのSIMをy.uモバイルに変えようとしたが、なぜか楽天モバイルを契約してしまった。

その結果、電話番号が2つになり、スマホを2台持ち歩く羽目に。

2台持ちは不便なのに、なぜ、そうなったのか。

今後、SIMの変更をお考えの方の参考になるかどうかは不明だが、その間の顛末を以下に記してみたい。

IIJmioの速度が遅く、転出を考える

 私はスマートフォン(以下スマホ)を使いだしてから一度もドコモやauなどのキャリアと契約したことがない。

ずっとMVNO(格安SIM提供会社)のSIMフリーを使っている。

最初はフリーテルで、次にマイネオ、ソニー、BIC SIM、IIJmioと変えてきた。

 今使っているのはIIJmioで、IIJはインターネット業界では古くからよく知られた老舗企業。

信頼性がある上に、昨年10月の値下げで音声プランが2ギガで858円(税込み)、

4ギガでも1078円と通信量が最安クラスになっている。

 同社と同等クラスの料金設定はソニーグループのNUROモバイルとNTTグループのOCNモバイルONEぐらいか。

 今まで使った中で総合的に満足度が高かったのはマイネオ。

料金は少し高めで、回線速度も決して速くはないが、月385円でデータ使い放題の

「パケット放題Plus(2021年6月導入)」が便利だった。

それまでも同料金で「パケット放題」という名称のサービスがあったが速度は500kbps。

これでも十分使えたが「Plus」になり、速度が3倍の1.5Mbpsにアップし、料金は据え置き。

 この速度なら動画も十分見ることができるしデータ消費なしだから、データ量を気にせず使える。

 それなのになぜIIJmioに変更したのかと言えば、単純に料金。

マイネオは1ギガ1,298円、5ギガ1,518円。これに385円を加えると1ギガでも1,683円。5ギガなら1,903円と高くなる。

 ところがIIJmioは4ギガで1,078円。これだけ料金差があればやはり安い方を選ぶだろう。

 では、IIJmioで満足しているかといえば、いざ使い始めてみると問題点が浮かび上がってきた。

まず速度が遅すぎる。これで高速モードなのかというぐらいに遅い。

正直、今までのSIMフリーでここまでイライラさせられたことはない。

 次に高速・低速の切り替えモードはあるものの、低速が全く使い物にならない。

マイネオに戻したいと思ったが、昨年10月以降、NMVNO各社が料金を下げてきたし、

ヤマダ電機関連のy.uモバイルが残容量永久不滅な上に、5ギガ1,639円を昨年10月から1,070円に値下げ

さらに今年1月以降、10分かけ放題料金を858円から550円に値下げした。

 ここまで料金が下がると俄然y.uモバイルが検討対象に浮上してくる。

料金値下げでy.uモバイルを移転先に

 私の使い方でネックになるのは毎月の消費ギガ数の変動が激しいこと。

福岡にいる間は1ギガでも足りる程だが、岡山県北東部の実家滞在中は15ギガは消費する。

できるだけケチケチ生活で暇潰しのネット検索はしないし、

毎朝の日課になっているタブレットによる新聞閲覧もしない。

 新聞紙面をビューアーで閲覧すると想像以上にギガ数を消費する。

紙の新聞そのままに表示されるため広告ページなど必要ない箇所までダウンロードする。

そのため含まれる情報量(データ量)が肥大するのだ。

それを防ぐために紙面ビューアーではなくテキストファイルで読むようにしている。

 実家はインターネット回線契約を6、7年前に解約したため、PCはスマホのテザリングで接続して使っている。

スマホとPCでは画面に表示される情報量に格段の差があり、PCの方がデータ消費量が多いところにもってきて、

バックで勝手にソフトのアップデートが行われる。

そして予期せぬギガ数が必要以上に消費される。

 それを防ぐため極力自動アップデートをしない設定にしているが、

ソフトによっては見落としがあったり、Windowsのアップデートが突然行われたり、

セキュリティソフトのアップデートが突然始まったりし、残量1ギガ未満になり慌てたことも何度かある。

 もちろん通信料にこだわらない層にとっては、そんな小さな金額で悩むなんてと

笑われそうだが、貧乏人にとってはできるだけ余分な出費は抑えたい。

かといって速度があまりにも遅いのは精神的によくない。

 というわけで料金と速度の間で悩んできたが、昨年10月にy.uモバイルが値下げをし一筋の光が射した。

y.uモバイルのよさは余ったギガ数が永久不滅な点だが、5ギガが1,639円と高いのがネックだった。

それが一気に1,070円に値下げされたのだ。

 コースは5ギガと10ギガしかないが、余ったギガ数の翌月繰り越しではなく、

永久不滅なのは私の使い方向けだ。

 そこで昨年12月、IIJmioから転出しy.uモバイルに移行手続きを取ることにし、

取り敢えずIIJmioに連絡してMNP(電話番号ポータビリティー)の予約番号を発行してもらった。

後は転出先のy.uモバイルに予約番号を伝え、SIMを発行してもらいスマホに差して開通手続きをすればいい。

 ここで一つ問題がある。

ネットでSIMの転入申し込みをするとSIMが郵送されてくるが、

それは住民票の登録住所にであり、それ以外の場所では受け取れない仕組みになっている。

恐らくSIMの不正取得や不正利用を防ぐ目的からだろうと思うが、

私のように2拠点生活をしていると、住民票がある福岡でなければ受け取れないのだ。

 つまり岡山県に滞在中はMVNOのSIM移行ができないことになる。

ただし全く方法がないわけではない。

店頭受付・発行なら、その場でできるし、有人対応だから店頭販売員に

SIM開通の諸手続きまでしてもらうこともできる。

 実は過去にもそのような方法で2度SIMの移行をしたことがある。

一度はマイネオに、もう一度はBIC SIMに。

つまりMVNOのショップがあれば、基本即日SIMの発行、開通ができるわけで、

ショップのあるなしはネットで検索できる。

 マイネオは岡山市のパソコン工房内にショップがあり、

BIC SIMは文字通りビックカメラの自社ブランドSIMだからビックカメラがあれば

どこの店舗でも即日開通できる。

時間は大体30分強~1時間以内。待っている間に開通まで終わる。

ヤマダの店頭で開通できないy.uモバイル

 y.uモバイルを移行先に選んだ理由はヤマダ電機の店舗で開通できるからだ。

ヤマダ電機は実家から車で15分余りで行ける場所に店舗があるが、

さすがに田舎すぎてここはケータイを扱ってない。

 ネットで検索すると近くでは津山市のヤマダ電機でSIMの手渡し、開通ができる

とあったので取り敢えず電話で確認すると、SIMの在庫がないという。

ただ月末までには入荷する予定とのことなので入荷次第電話をしてもらうことにした。

 IIJmioに転出手続きをしており、その期限が12月30日。

それまでに移転しなければ、発行された予約番号は取り消され、使えなくなる。

といってもSIMが解約されるわけではなく、転出キャンセルになるだけで、そのまま使い続けることができる。

 とはいえSIMの移転手続きは月末近くに行うのが最適、ムダがないから、

岡山市内のヤマダ電機にSIMの在庫があるかどうかを電話で確認する。

ベスト電器岡山本店(ヤマダグループ)の方が可能性があると言われたが、ともに在庫なし。

 マイネオもBIC SIMもいきなり岡山市の店舗に行って移転開通できたから

y.uモバイルのサービスは明らかに劣っている。

y.uモバイルはヤマダ関連企業なのに在庫を置いてないというのはどういうことだ。

商売する気があるのか、と腹の中で毒づきながら、取り敢えず予約入荷待ちにした。

 

        (以下 略)

 

    全 文 は HP で

 

 


宮若市・犬鳴川河川公園に咲く彼岸花

2021-09-25 12:30:28 | 雑感

 筑豊の彼岸花観光名所と言えば宮若市役所前の犬鳴川河川敷だろう。

数年前に地域の人達が土手一面に彼岸花を植え、秋になると土手を真っ赤に染めて彼岸花が咲く。

距離約800mに渡って咲く彼岸花は満開の時期ともなると近隣から人々が訪れ、思い思いに赤い景色を堪能している。

今年の開花は例年に比べ1週間前後早く、彼岸の秋分の日には少し満開を過ぎ始めていたが、まだ十分楽しめる。

弁当持参で花を眺めながら食べると彼岸花鑑賞とピクニックの両方を味わえる。

彼岸花が咲いているのは片側の河川敷だけだが、市役所や宮若リコリスがある対岸の河川敷にも植えられると

九州一の彼岸花群生地になるのは間違いない。

あるいは対岸はコスモスにしてもいいと思うが、現在、対岸には何も植えられていないのがモッタイナイ。

 


あちこちで咲き始めた彼岸花

2021-09-16 18:45:58 | 視点

 彼岸花が一気に咲き始めている。

散歩に出かければ田の畦や川の土手沿いに赤い花をみることができる。

それもあちこちで。

彼岸花が咲くのは例年、9月下旬頃からだというのに、今年は少し早い気がする。

最近目立つのは白い彼岸花が増えたことだ。

勝手に増えているとは思えず、付近の住人たちが白い彼岸花を植えて行っているのだろう。

以前なら、地方では今でもそうだが、彼岸花を愛でたり、公園や道路脇に園芸品種のように

植えるなど考えられもしなかっただろう。

私が彼岸花の追っかけを始めてから15年は経つ。

群生地を探してあちこちに行くとともに「彼岸花が町おこしになる」

「これからは自然が人を呼べる」と訴えかけ続けてきた。

そのことに地域の人が気づき始め、毎年、土手や河川敷に彼岸花を植えている地域もある。

 

 福岡市城南区・樋井川沿いにも彼岸花が増えてきた。

一列に行儀よく並んで咲いているのと、ところどころに白い花が咲いているのを見れば

自然に生えたのではなく、付近の人たちが植えていったに違いない。

ヒマワリやコスモスの次は彼岸花がアツいようだ。

彼岸花の方は急に注目されだして戸惑っているかもしれないが。

 写真の場所は御子神社の側あたりから樋井川沿いを下り上長尾の信号辺りまでの区間。

 

 

 


格安SIMの比較~iijmioとmineo

2021-09-15 12:07:03 | 視点

格安SIMを選ぶ最大の理由は料金だろう。しかし、そこに落とし穴がある。

安さだけで選ぶと、使い始めて後悔することになる。こんなはずではなかった、と。

 いくら事前に料金を比べても、紹介記事を読んでも、多くはメリットしか書いてない。

特に最近はステルス広告か、それに近い類のものが多く、デメリットに対しては

ほとんど触れらていないのが実状。

 では何に注意して選べばいいのかといえば、私自身の経験からも言えることだが、

やはりデメリットをチェックして選ぶべきだと言える。

 デメリットと言っても人によって捉え方は色々違うだろうが、

これはチェックした方がいいという1つに低速時の速度がある。

 以下、iijmio(以下iij)とmineo(マイネオ)の低速時の速度を比較しながら

注意すべき点を見てみよう。

高速・低速の切り替えができるか

 まず最初にチェックしたいのが高速モード・低速モードの切り替えがあるかどうか。

 前号で見たように日本通信とY.UモバイルSIMには高速・低速の切り替えがなく高速モードのみ。

ほかにbiglobe、nuroモバイルも高速・低速の切り替えができない。

 なぜ高速・低速の切り替えを問題にするのかと言えば、料金に直結するからだ。

低速モード時はギガ数を消費しない(カウントしない)ようにしているのは各社ともほぼ共通している。

 つまり低速モードを上手に使用すれば契約ギガ数を減らすことなくネットを使えることになる。

ただ、低速にしたはいいが、ネットに接続しても画面表示にすごく時間がかかったり、

メールの読み込みすら待たされるほど遅いようでは困る。

 そこで問題になるのが低速時の速度。かつては低速といえば125kbpsという時代もあったが、

さすがに最近はそこまで遅いところは一部を除いてほぼない。

 最近は200kbpsというところが大半だが、300kbps(iijmio)や1Mbps(楽天モバイル)、

1.5Mbps(mineo)というところもある。

1Mbpsを超えると低速ではなく中速で、普通にネットを見る分にはほぼ問題ない。

 ところで200kbps、300kbpsといってもピンとこないかもしれないが、

200kbpsならメールぐらいなら普通に送受信できる。

さらに300kbpsになれば文字中心で画像が含まれないか、あっても1、2点程度の

ホームページ(HP)画面なら、ほぼ問題なく表示される。

 こうしたことを考えると、20GB以上の大容量ギガ数を契約するのもいいだろうが、

料金を抑えるなら3GBとか5GB契約で、実際の使用に際しては高速・低速モードを

上手に切り替えながら使うという使い方は十分検討に値するだろう。

3日間制限があるiijの低速

 低速モードでも125kbpsより200kbps、200kbpsより300kbpsの方が速度が速いから、

選ぶなら300kbpsの方がいいのは間違いない。

 現在、低速モードを300kbpsで提供しているMVNOはiijとiijから提供を受けている

Bic SIM(ビックカメラ)ぐらいしかないから、低速時でも速い速度300kbpsを

選ぼうとするとiijかBic SIMになる。

 ではiij(以下、断らない限りBic SIMも含む)を選ぶのがいいかというと、

必ずしもそうとは言い切れない。

 iijの低速モードはカウントフリーではなく3日間制限が設けられているのだ。

高速大容量プランで日数制限を設けているMVNOはあるが、低速に制限を設けているのは

恐らくiijだけだろう。

 3日間で使えるのはわずか366MB。1日当たりに直すとたったの122MBである。

これは実質、使えないと思った方がいい。

 そして3日間で366MBを超えるとどうなるか。それ以降は速度がさらに落ちる。

どの程度低速になるかは公表されていないので分からないが、

測定したところ1桁台までダウンしていた。

 1桁台の速度と言っても実感が湧かないかもしれないが、

メールが受信できないほどの低速と言えば少しは分かるだろうか。

早い話、iijの低速モードはまったく使い物にならないと言っていい。

他社の200kbpsの方がはるかに使える。

 こうしたことを考えると、iijは形式上、高速・低速の切り替えができるように

装っているが、実質は切り替えができないのと同じ。

iijの低速時速度300kbpsに釣られて契約するとバカを見ることになるから注意する必要がある。

 それにしてもなぜiijはこんなみみっちいことをしたのか。

それならいっそ他社並みに200kbpsのままの方がはるかにいい。

まるでサギみたいな商法というのは言い過ぎか。

iijの料金は最安値クラス

 とはいえiijは上記のデメリットを補って余りあるメリットがある。


まず、なんといっても料金(以下、料金はすべて音声プラン)が安い。

 平均的な使い方で4GB、1,078円。因みにbiglobeは3GBで1,480円。

mineoは5GB1,518円だ。

 5GBの料金をmineoと比べると、iijは4GB、1,078円に1GB追加料金220円を

プラスして1,298円になるから、mineoの5GBより220円安いことになる。

 10分かけ放題の料金は913円で、これまたmineoの935円より安い。

 iijは通常ギガ数料金、追加ギガ数料金、10分かけ放題料金ともに

業界最安値クラスと言っていいだろう。

 ただし回線速度は遅めだから、速度を求める人にはiijは向いていない。

料金か速度、どちらを優先するかでiijを選ぶかどうかが決まる。

料金優先ならiijはいい選択だが、それ以外ではお勧めできない。

     (以下 略)

                      2021年9月2日

    全 文 は HP で


恋する季節~ヤマトシジミ

2021-09-13 22:00:09 | 視点

 庭の草花の上を忙しく飛び舞っているヤマトシジミ蝶たち

ツガイ同士なのか、お見合いをしているのか、コンビを組むようにクルクル飛び回っている。

そしてパートナーが見つかれば他の蝶から邪魔されないように

羽と同系色の壁に張り付いたり、草陰に隠れて2羽だけの時間を過ごしている。


我が家の庭の小さな草花たち

2021-09-12 07:44:27 | 視点

ツユクサにアカバナユウゲショウ

 下は葉の裏側に小さなミカンのような実を成らせるコミカンソウ

 

 アカカタバミにトウバナと小さな草花が一杯咲いている。

 

 


陰りが見え始めた楽天経済圏

2021-08-28 18:48:53 | 視点

 楽天の成長に陰りが見え始めた。

楽天市場はアマゾンとの差が開く一方だし、楽天モバイルは設備整備、

加入者数とも目論見通りに進まず、当初の計画を大きく後退させているところにもってきて、

ソフトバンクからの転職者が同社の機密情報持ち出しで警察に逮捕されるなど踏んだり蹴ったりの状態。

一部では、このままいけば楽天モバイルの身売りもありうるのではと囁かれたりも

しているというから三木谷氏も心中穏やかではないだろう。

楽天経済圏への囲い込みが強み

 楽天の強みは、言うまでもないが「楽天経済圏」というグループ囲い込み戦略。

少々言葉は悪いが、一度「楽天」に捕まるとまるで底なし沼にハマったように、

次から次に絡み取られ、楽天経済圏のさらなる深みにハマっていく。

 一度絡み取られると抜け出すのはなかなか難しい。

いや、悪口を言っているのではない。それぐらい楽天経済圏のメリットを感じ、

以降、何かにつけ楽天を使うようになるということだ。

 楽天が差し出す「エサ」、いや楽天の武器はポイントで、これは楽天経済圏で

使える通貨である。しかも使えば使うほど通貨(ポイント)が貯まっていくし、

楽天の方もポイント倍増キャンペーンを頻繁に行ったりして、ユーザーの前に

「おいしい」エサを次々に提示してくるから、釣られてつい買ってしまう。

 何を隠そう私自身、楽天を利用するメリットに絡め取られた一人で、

気が付いたら楽天市場で買い物をし、楽天カードで決済し、楽天市場以外の

買い物でも楽天カードを使うようになっている。

これこそが楽天の術中で、見事にハマってしまっている。

 そう、楽天市場で買い物をする場合、支払いは楽天カードでした方がポイントが

余計に貯まるというメリットがあり、次は引き落とし口座を楽天銀行にしませんかと誘ってくる。

 まあ、これは楽天に限らずイオンも同じで、両者に共通しているのはいまや物販ではなく

金融部門がグループの稼ぎ頭になっているという点だ。

 ところが、このところ楽天に勢いが感じられなくなった。

楽天経済圏の先行きに陰りが見え始めたのだ。

1つは楽天市場で、もう1つは楽天モバイルで。

 深刻度は後者の方が大きいかもしれないが、前者はボディブローのように効いてくるので、

軽視すれば楽天経済圏にかなりのダメージになるかもしれない。

送料無料化で受けた傷は想定以上?

 まず楽天市場。最初の躓きは配送料の統一だった。

いまではアマゾンにすっかり差を開かれた感がある楽天市場だが、それを配送料の

分かりにくさにあると見た楽天はアマゾンに倣って配送料の統一(無料)化を打ち出した。

 ところが、これに一部加盟店が反対し、なかにはワークマンのように楽天市場から

撤退した企業もある。しかも、この件に対し、公正取引委員会により独占禁止法違反の疑い

(優越的地位の乱用)で調査を受け、一般紙などで報道されたこともあり、

楽天のブランドイメージが損傷したのは否めない。

 簡単に説明すると、楽天はアマゾンとの競争に差が付いているのは送料の問題が

あると見ている。たしかに消費者にとっては送料は大きな問題で、

どうかすると商品価格より送料の方が高いこともあるから、できるだけ送料が安い店、

同じ商品なら送料無料の店で買おうとする。

 ところが楽天市場の送料はショップによりまちまちだから分かりにくい。

それなら送料無料のアマゾンで買おうとなる。

アマゾンは送料無料と書いたが、正確には無料なのは2,000円以上の買い物か、

アマゾンプライム会員(年会費有料)の場合である。

 そこで楽天もアマゾン並みに送料を統一しようとしたわけだ。

といっても小規模ショップが多い楽天市場の構成を考え、アマゾンと同等の

2,000円ではなく3,980円からに設定しているから、楽天側にしてみれば

「優越的地位の乱用」と言われるのは不本意かもしれない。

 楽天にしてみれば、いきなり送料無料化を打ち出したわけではなく、

時間をかけて加盟店に説明してきたつもりだろうが、加盟店側にとっては

送料は自店舗負担になり経営に重くのしかかってくる死活問題となる。

特に売り上げが小さな店にとっては。

楽天市場とアマゾンの違い

 ここで疑問が湧いてくる読者もいるだろう。

なぜ楽天のみが公取から問題にされ、アマゾンは問題にされないのか、と。

 それにはいくつかの違いがあるが、1つは運営形態の違い。

誤解を恐れず分かりやすく例えれば、アマゾンはショッピングセンターであり、

楽天市場はショッピングモールといえる。

              (中 略)

楽天ゴールドカードを改悪

 こうした動きと関係あるのかどうか、楽天は4月1日から楽天ゴールドカードの

サービスを改定すると、この1月に発表した。

楽天ゴールドカードはポイント還元率が高いのが特徴で、それをウリに楽天経済圏への

顧客囲い込みをしていた重要なツールである。

              (中 略)

西友の買収はプラスに働くのか

 楽天はアマゾンを懸命に追いかけているように見えるが、追いかければ

追いかけるほど差が開いていく一方のように見える。

 社内公用語を英語にしたり、外国の電話会社を買収したり、

楽天市場や楽天モバイルの技術を海外で展開したいと発表したり

しているのをみると、世界で活動するグローバル企業を三木谷氏は

目指そうとしているのだろうなと思うが、それらはいまのところ

成功しているように見えない。

               (中 略)

ソフトバンクから訴えられる

                  (以下 略)

                                                                 

  全 文 は HP で

 


軒並みサービス改悪に走りだした流通小売業、外食産業

2021-08-24 00:30:00 | 視点

 コロナ禍で売り上げ減少が続いている流通小売業、外食産業が軒並みサービス改悪に走り出している。

筆頭は楽天グループだが、外にもすかいらーくのように株主優待サービスの改悪や取り止めをする企業が相次いでいる。

楽天は相次ぎポイント改悪

 楽天グループがかなりの苦境に陥っているのはほぼ間違いない。

それは相次ぐサービスの改悪に見て取れる。元凶は楽天モバイルの収益悪化だろう。

 当初、20GBが2980円という画期的なプラン「UN-LIMIT V」を300万名まで1年間無料と

大々的に宣伝して市場に投入したまではよかった。

 それまでドコモなどの3大キャリアの20GBプランが4980円だったのだから楽天モバイルの料金は格安。

申込者が殺到し、300万名という加入者数は短期で達成できると踏んでいたのだろうが、

自社回線エリアのカバー率の低さが嫌気され、想定以上に加入者が増えなかったのがまず第1の誤算。

 そうこうしている内に総務省とズブズブの関係を築いていたNTTが「ahamo」の2980円を

打ち出したものだから、追い詰められた楽天モバイルはさらなる値下げプランを発表せざるを

得なくなったのが第2の誤算。

 そこで起死回生策で、容量1GBまでは無料、1~3GBまでが980円、3GB~20GBまで1980円、

20GB以上は2980円という段階料金プラン「UN-LIMIT Ⅵ」を投入。

1GB未満は無料に引き付けられて加入者数が急増し、3月9日に300万人を達成。

 その時点で受付をやめるかと思ったが、4月7日まで延長とした。

300万人では足りず、もっと加入者数を増やしておく必要があると考えたのだろう。

 楽天モバイルがそう考えるのも無理はなく、1つは歩留まり数字が読めないからだ。

というのは、無料だから取り敢えず入っておこうと考えているユーザーがかなり多いと思われる上に、

「カネになる」大容量利用ユーザーほど主回線ではなくサブ回線で楽天モバイルを

持っている傾向があり、他社のように加入者数=利用者数とはならないからだ。

 同社にしてみればSIMを持っているだけでなく、使ってくれなければ、

それも1GB以上を使ってくれなければ売り上げは発生しないわけで、

1GB未満使用ユーザーが増えても、それは痛し痒しというところだろう。

 ただ楽天の考え方は楽天モバイルに加入したユーザーは楽天カードに加入し、

楽天市場で買い物をしてくれる率が高く、グループ全体でプラスになることを目論んでいる

と思われるが、果たして思惑通りに進むかどうか。

 いずれにしても現在、楽天モバイルが「カネ食い虫」状態なのはたしかで、いくらグループ

トータルでプラスに、と言っても、赤字部門の止血をし、出血を極力抑える必要があるだろう。

 そこで楽天が今年に入って相次いで打ち出したのがポイントサービスの改定。

まず、楽天市場のウリだったSPU(スーパーポイントアッププログラム)のダウンである。

 楽天カードは使えば使うほどポイントが貯まるというのがウリで、

特に楽天ゴールドカードを使って楽天市場で買い物をすればポイントが「+2倍」になっていた。

 しかし、2021年4月1日からこの特典を廃止すると発表したのだ。

その結果、年会費無料の楽天カードと同じポイント付与に変わるわけで、

年会費2,200円を払ってゴールドカードを持つメリットがほとんどなくなる。

 同社のポイント改定はそれだけにとどまらなかった。

2021年6月から、公共料金を楽天カードを利用して支払うと付与されていたポイントを

1/5に引き下げると発表したのだ。

 従来は電気、ガス、水道などの公共料金や国税、都府県税などの税金、国民年金保険料、

Yahoo!公金支払いを楽天カードを利用して支払えば、100円に付き1ポイント進呈されていたが、

6月以降は500円で1ポイントに引き下げられる。

 少しでも出費を抑えたいのだろう。それぐらい楽天グループは苦しんでいるというわけだ。

今回の新プランで楽天モバイルの赤字は少しでも縮小するかどうかだが、見通しは明るいとは言い難いだろう。

株主優待の取り止め、改悪が続出

 楽天モバイルの赤字は今回のコロナ禍とは関係ないところで生じているが、

コロナ禍の影響を直に受けたのが外食産業。

大半の企業が時短の影響で売り上げが軒並み前年比ダウンになり四苦八苦している。

 そこで採算悪化の店舗を閉鎖したり、テイクアウト・デリバリーを始めたり、

既存店をテイクアウト専門に業態転換したりして凌いでいるが、

ファーストフードが前年比アップの売り上げになっているのを除くと、

外食産業の売り上げは半減(対前年同月比)近い。

特に落ち込みが激しいのが居酒屋チェーンで90%超ものマイナス。

まさに存亡の瀬戸際に立たされている。

 そこで少しでもコストを削減したい上場企業の間で流行っている(?)のが株主優待制度の改悪。


 株主優待制度は顧客の囲い込み、ファン確保にイメージアップも図られると、

一時期導入に走る企業が相次いでいたが、今は逆の減少が起きている。

 価格の値上げなどと違い一般客に目立ちにくい上に結構なコスト削減になるとばかりに、

コロナ禍で売り上げが大幅ダウンしている企業が株主優待の改定を始めたのだ。

 因みに20年12月末段階で、株主優待を廃止・改悪した企業は89社と、前年を上回っている。

この内すべてが業績悪化が理由ではなく、株主優待を廃止した代わりに配当金を

増やした企業もあるが、少数派である。

 外食産業の中で株主優待の還元率が高くて人気なのが「すかいらーくホールディングス」だが、

このコロナ禍で売上高が昨年4月マイナス58.2%、5月マイナス47.8%(前年同月比)と

大きく落ち込み、今期赤字を計上ということもあり、9月に株主優待の減額を発表した。

 その結果、従来100株で同社グループで利用できる3000の円の優待カードを

年2回貰えていたのが、2000円×2回=4,000円に減額。

300株なら年20,000円が10,000円へと半減した。

それでも同グループの優待カードは使い勝手がいいので、

今でも株主優待人気の上位にランクしているようだが。

 他にも従来100株から貰えていた株主優待を500株からに引き上げた企業(日華化学ほか)や、

半年以上継続して保有していないと優待を貰えないように改定した企業(味の素ほか)は結構多い。

 このほかにも1年以上の保有に条件を改定した企業(ジュンテンドー、松屋フーズほか)や、

保有株数を100株から200株以上に変更した企業など、サービスの改悪が相次いでいる。

 サービスの改悪という意味ではミスターマックス(福岡市)は従来、第3日曜日は

同社カード利用で5%OFFというサービスを今春から取り止めた。

 それでも、これらの企業は告知するだけまだ良心的だが、なかには4月以降の

消費税込み価格表示の義務付けに便上してこっそり値上げした岡山県・湯郷温泉の

湯郷Gホテルのようなものもある。

これなどは従来価格と比較表示しているわけでも、どこにも値上げの案内を表示している

わけでもないので、コロナ禍で苦しい事情は分かるが、ほめられたやり方ではない。

 こうしたやり方は自社のみならず温泉地全体の評判低下にもなり、

ひいては地域の顧客離れを引き起こすことになると知るべきだろう。

 

 


何もこんな所で咲かなくても

2021-08-23 16:35:54 | 視点

 庭のテッポウユリが数日前から咲き出した。

1輪、2輪と日に日に開花しだし、今では8、9輪咲き、道行く人の目を楽しませている。

そんな中、皆と離れてポツンと玄関前の門柱際に咲いたユリの花。

よりによって舗装道路とコンクリートブロック塀の狭い隙間に根を下ろさなくても、

と思ったが、背が伸び蕾が出て来出すと、いつ開花するか楽しみなって来た。

まあ、皆が同じでなくてもなくてもいい。

ユリは庭に咲くものと決めらているわけではない。

どこで咲こうとユリの花はユリの花。

テッポウユリの花は香りが強くないのが特徴。

そっと控えめに咲いている。

でも、時々ぼくが水を遣っていたのを君は知っているのだろうか。

それにしても庭からは随分離れているのに、種子はどこからどう飛んできたのだろうか。

 


「コロナ」が変えた社会(4)~貧困層が増え、社会的格差がさらに拡大

2021-08-09 21:00:00 | 視点

 COVID-19は人類の生活をすっかり変えた--。と言っていいかもしれない程、我々の社会生活、日常生活を変えつつある。人と人の物理的距離(ソーシャルディスタンシング、フィジカルディスタンス)の取り方やマスク姿、リモート〇〇は、そのうち元に戻るかもしれないが、修復できないほど距離を広げたものがある。

エールは時にプレッシャーにも

 その1つに社会的格差がある。貧富の差と言ってもいいだろう。かつて日本は「1億総中流社会」と言われたように富の格差はそれ程大きくなかった。この頃が最も活力に溢れていた時であり、その後バブル経済期を迎え「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などと言われ、いい気になっていた頃もあった。
 だが、「驕る平家も久しからず」の例え通り「日出づる国」はバブル経済崩壊を経て「日没する国」になり、その頃から貧富の差が開き出し、格差拡大社会へと移行していった。

 現実と幻想、人々の意識の間には認識の時間的差がある。両者の差が埋まってきたのが平成の終わり頃で、その頃になるとほとんどの人が格差の存在を認めるようになったのと同時に、一度付けられた格差は変えることができず固定化されていくと身をもって知りだす。階層から階級への変化であり、格差の固定化である。

 この現実を実感して初めて人々は格差社会の存在を認識するも、この国の人々の中にはまだ「努力すれば変われる」「変われないのは自分の努力が足りないからだ」という、親の代から擦り込まれた「希望という名の幻想」が残っており、それが「自己責任」という名に変えられ、個人の責任に帰せられ、権力批判に向かわないのが、この国の特徴だ。
 かといって、鬱々たる不満を抱えたままでは自らが病んでいく。どこかに「ガス抜き」をする必要がある。向かう先は異分子、権力を持たない弱者。彼らは総じて集団に従わない、集団の「総意」と異なる意見を持っている。それを皆で叩こうとする。形を変えたイジメ、リンチである。

 こうした現象は逆の形で表れることもある。例えば今回の医療従事者への讃辞。感染リスクに曝されながらCOVID-19患者を受け入れ、治療に当たっている医師や看護師など医療従事者に感謝を贈ろうと始まった、決まった時間に一斉に拍手する行為。
 動機が善意だけに批判もなく各地で広がって行ったが、元はアメリカで始まったもの。モノマネでも二番煎じでも、善意を広げることはいいことだ。しかし、行政が率先してやることに腑に落ちないものを感じる。
 福岡市でも市長をはじめ職員が一斉に窓際に立ち拍手するらしいが、そこに善意の強制と医療従事者へのプレッシャーを感じてしまうのはなぜか。

 まず行政が行わなければならないのは実質的な支援だろう。医療現場が欲しいのは医療用具であったり、人的・金銭的支援のはず。それを「拍手」だけで済ませようというところにセコさ、パフォーマンスを感じてしまう。「同情するならカネをくれ!」という言葉はこういう時にこそ相応しい。
 雨合羽の寄付も緊急時に何もないよりはあった方がいいだろうが、本当に欲しいのは医療用防護服で、行政や企業はその手配こそ全力ですべきだ。
 後方部隊の役割は精神力に訴えることではなく、現場に不足物資を届けることである。輜重の補給があってこそ前線部隊は闘えるのだから。

 後者の問題はギリギリのところで頑張っている医療従事者に、もっと頑張ってくれというプレッシャーを与えることになる。感謝の一斉拍手は最初はうれしいだろうが、決まった日時に定期的に行われ出すと、それはエールを通り越して「もっと頑張れ」というプレッシャーに感じてくるだろう。
 感染リスクと背中合わせで、心身ともに疲れ切っているのに、まだ頑張れと言うのか。私達が欲しいのは休める時間と、勤務に見合った報酬だ、という気になってもなんら不思議ではない。立場が逆なら、多くの人がそう考えるに違いない。

62人が36億人分の資産を所有

 話を元に戻そう。
 かつての階層分化は固定化され階級に変じているにも拘わらず、それを未だ「階層」だと信じているお人好しにされてしまった国民。本来、権力に向かうべき刃は「刀狩り」以降すっかり牙を抜かれて従順な飼い犬に成り下がり、せいぜいネットで「リア充」を発信する程度である。
 ネットという仮想世界で現実生活を「リアルは充実」と発信すること自体が奇妙だが、ネットは「幻想社会(バーチャル)」と彼女達は知っているからだろう。束の間の夢の世界であり、現実とは違う仮想社会(バーチャル)だからこそ演じられる世界であり、そこで現実(リアル)に感じている様々な不都合、不平等、不誠実、差別等をなかったことにしている。
 「夢見るシンデレラ」は悪いことではない。ただ、それが権力者によってうまく利用されていることも知っておく必要があるだろう。

 アメリカでは人口の1%の富裕層が富を独占し、経済も政治も動かしているばかりか、「世界のトップ62人の大富豪が全人類の下位半分、すなわち36億人と同額の資産を持っている」(国際貧困支援NGO「オックスファム」による報告、2016年)という現実を見れば、かつての封建時代より貧富の格差ははるかに大きくなっていることに気付くだろう。

 問題は格差があることではなく、格差が拡大し、なおかつ固定化(階級化)していることである。貧しい者は一層貧しくなり、人口の1%程度を占める富める者はますます富み、富だけでなく権力も掌中にしていく構造が出来上がっているにも拘らず、その現実から目を逸らされている。
 富める者は富を1代で築こうが、親から譲り受けたものであろうが、その富で幼稚園・小学校から有名校に入学でき、有名中高一貫校に進むか、有名進学校に入学し、家庭教師を付けたり有名塾に通って一流大学に入学し、官僚になるか政治家、あるいは一流企業に就職する。
 早い話が日本の政治、経済をリードする地位に彼らが着いているわけだ。このことは取りも直さず、親の財産の過多で子の将来は決まっているということであり、日本も階級社会になってきたことを意味している。

 一方、貧しい者は高校時代から学費稼ぎのためにアルバイトをし、大学に入学しても学費と生活費のためにアルバイト生活を余儀なくされる。言い換えれば、勉強したくても勉強に割く時間がない。学費と生活費を稼ぐためにアルバイトをしなければ生きることさえままならないのだ。
 彼・彼女達の何パーセントかは生きるために学業を諦めざるを得ない者も出て来る。なんとか卒業できたとしても、そんな環境で優秀な成績を残せる人間は極めて稀だろう。
 一見、「よーいドン」で走り出しているように装われているが、実はスタート時点から差を付けられている。これは競争でも何でもない。勝つ者は最初から分かっている。それが今の格差社会の現実である。

格差は拡大するのか縮小するのか

           (略)

低所得層は今後増えていく

           (略)

「リモート」が格差を広げる

           (略)

 

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