栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

大騒ぎする事件か、草なぎ飲酒・全裸

2009-04-25 11:32:25 | 視点
 本当にこの国は平和というか、この国のマスコミが報道するニュースはこんなものしかないのかと思ってしまう。
SMAPの草なぎ剛が逮捕された件の報道のことだ。
マスコミ各社は異例の速さで、しかも大々的に取り上げた。
TVはどの局も「草なぎ容疑者」だ。

 今回の「事件」に違和感を持った人は多かったと思う。
草なぎ君のイメージとのギャップのことを言っているのではない。
「事件」の内容と、警察、マスコミの対応にだ。

 そもそも「事件」は23日未明に公園で大声を出している人間がいることから始まった。
それも一人でうなり声のような声を、いつまでも発しているので、通報を受けた警察官が現場が行くと、そこに全裸で芝生の上に座っていた草なぎ君がいたということらしい。
 いわばそれだけのことだ。
本来なら諭して、服を着させ、帰宅させて終わりだ。
それを公然わいせつ罪で逮捕したばかりか、自宅の家宅捜索までした上、30数時間も拘留したのだから、これは明らかに異常。
公権力の横暴以外の何ものでもないだろう。

 考えられるのは薬物の使用を疑い、家宅捜索に踏み切ったということだろうが、尿検査でも薬物反応が出ていないのに、これまた異例の速さで家宅捜索をしている。
 仮に、以前から薬物常習を疑わせるような情報を警察が掴んでいたとしても、この捜査手法は問題ではないか。

 問題は他にもある。
マスコミの情報入手の異常な速さだ。
普通なら釈放後、「逮捕されていたとのこと」という報道程度だ。
それをまるで重要犯罪でも犯したような取り扱い方で「容疑者」を連発だ。
逮捕用件の公然わいせつ罪といっても人前で全裸になって見せびらかしたわけでもなく、深夜の公園で裸になった程度ではないか。

 大人のコメントだったのは石原東京都知事だ。
「彼もストレスが溜まっていたのではない」でおしまいだ。
大騒ぎするようなことか、ということだ。
 一方、バツの悪いコメントを出して、問題を大きく見せたのは鳩山総務大臣だ。
「最低の人間だ」とまで言ったが、さすがにそれほどの問題ではないと思い直したのだろう、翌日には上記の発言部分を取り消した。
間違いと気付けば訂正する態度は多少評価したい。

 このところの公権力の動きと、その尻馬に乗り一方的な情報しか流さないマスコミ、特にTVの報道姿勢に不気味なものを感じる。