栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

開店しないまま閉店した店ーー「商いに角地はダメ」はいまでも通じるか

2006-10-17 17:49:01 | 視点
 タウンウォッチングをしていると時々おやっと思ったり、やっぱりと思う店に出会うことがある。
写真の店もそんな一つだった。

 派手な看板と「5月○○日頃オープン」という開店予告が張り出されたのが春先だった。
 内容はいま流行りのリサイクル。
商品の買い取り店である。
「福岡本店」と看板に大きく謳ってあるところを見ると、ここが本店で、うまくいけば他所にも店舗を出すことを狙ったものと思われる。

 ところが看板は上がったものの、その後人が出入りするのを見たことがないのだ。
それどころかシャッターが開いたのさえ見たことがなかった。
そのうち予告の5月下旬になったが、やはりシャッターは閉まったままで、開く気配さえなかった。

 このまま閉鎖かと思っていると、予告張り紙が「6月下旬オープン」と書き換えられた。
それでも一応開店するつもりはあるようだなと思っていると、とうとう今月になって「テナント募集」の張り紙が出された。

 一度もオープンすることもなく閉店である。
恐らく敷金と数カ月の家賃代しか資金がなかったに違いない。
計画のずさんさが目に見えるようだが、こうした起業家が多いのも事実だ。

 昔、ビジネスの世界に入った時、当時の社長からいやというほど色んなことを叩き込まれたが、その一つに「商いに角地はダメ」と教わった。
角地は三方から目につくからいい場所のように思えるが、実は人が入りにくいと言われていた。
その既成概念を唯一覆したのがマクドナルドの出店だった。
マクドナルドは人が出店せず死角になっていた角地を狙い、安く借りて出店し成功した。
 しかし、凡人が真似ると失敗する。
凡人は昔からの定石を守るべきだ。
そしてなにより大切なのは出店に当たって最低限のマーケティング(とまでいわなくても人の流れや周辺事情を調べること)ぐらいはすべきだろう。
 実は交差点を挟んでこの店の斜め前と横の店、つまり交差点の角3店は全部空き屋になっている。

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