リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

タイヤを蹴ってみるのもいいけれど

2015年01月18日 | 日々の風の吹くまま
どこから見てもありきたりの普通の日曜日。ああ、いいなあと思うのは年を取ったせいかな。
昔は日曜日が待ち遠しかった。フルタイムで週5日仕事して日々の家事、土曜日は1日中
台風のごとく洗濯やら掃除やら何やらの「たまった家事」に追われて、日曜日にやっと少し
「週末」の気分。あの頃もずいぶん昔になった感じがするけど、家事には100%不参加だっ
たカレシ、ワタシがきりきり舞いしていた土曜日は何をしていたのかな。家にいたのに、家事
をするのに邪魔になった記憶がないけど。

今日はさぼっていた仕事。普通なら30分もかからない量だけど、入札で出すサンプルなの
で、受注できるか否かの重圧がワタシの肩にかかって来る。資料を見たら、わざと業界の
専門用語がてんこ盛りの部分を選んだ感じで、それを「一般人にわかるような表現に」と来
たもんだ。(初めからわかりやすく書けっつうの。)こういうときは大企業サマの「知的風土」
を想像してみたくなる。それでも、数年前の小学校教材プロジェクトのサンプル訳に比べた
ら楽なもの。あのときは「学年レベルの言葉で」という指示があって、日本語では大人の漢
字言葉でもふりがなをつければ子供でも読めるけど、英語はそうは行かないから苦労した。

今回は「一般の人」、つまり大人なので、脳みそを絞りに絞って、ごちゃごちゃと詰まってい
るものを総動員して、業界用語を「一般人語」に訳して、これならという「名訳」をものにした
けど、もしも首尾よく受注したらワタシにお鉢が回って来るんだろうな。忙しくなりたくないな。
まあ、ビジネス界ではサンプルの質と価格を勘案して発注先を決めるのが常套手段で、翻
訳業界でも大きなプロジェクトでは似たようなプロセスがあるし、フリーになったばかりの翻
訳者には翻訳会社の「トライアル」がある。いわば芸能界のオーディションのようなもので、
就活なら「面接」、婚活なら「お見合い」というところか。ビジネスも就活も婚活も基本的には
「適者生存」の世界と言えるかもしれない。

英語にkick the tires(タイヤを蹴る)という表現があって、これは昔は自動車のタイヤの質
が良くなかった頃に、車を買う前にタイヤを蹴ってみたという話から来ている。サンプルもト
ライアルもまさにそんな感じで、そんな世界を25年も走って来たワタシなんか、蹴られ続け
てタイヤがぼこぼこになっているかもしれないな。(脛に傷はないけど・・・。)