リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

言葉は音楽なりと思うとき

2015年01月16日 | 日々の風の吹くまま
長くなりそうだけど書いちゃおう。「言語は音楽である」、と。文字のない言語はあっても、声
を出さない言語は世界のどこを探してもない。人類以外の動物や鳥類だって言葉は持って
いなくても声はある。人間が民族ごとに独特の言語と音楽を持っているように、動物も種ご
とに独特の音や旋律を持っている。つまり、人間も動物も同じような方法で「同類」を見分け
て、情報の交換と伝達をしているわけで、「同類」以外との意思の疎通が難しいのは人間も
動物も同じだろうと思う。(通訳が売春と並ぶ世界最古の商売と言われる所以だし、翻訳も
文字の発明と同じくらい古い商売だと思う。)

最近しきりにカレシが「英語の発音の問題」を持ち出すので、付き合いながら寝酒をやって
いるうちに、ワタシの勝手な説もあんがい大外れじゃないかもという気がして来た。(逆に
「音楽は言語である」と言えるのかどうか・・・。)多民族都市バンクーバーは必然的に多言
語都市だから、いろんな言語が耳に入る。ヨーロッパ系言語なら多少は知っている単語を
聞き取れるけど、普通はチンプンカンプン。そんなときに何となく「メロディ」を聞き、リズムを
取っているのは、ワタシの脳が音楽を聞いていると思い込んでいるかららしい。

事の始まりはカレシの生徒のチオンさんが発音を聞いてくれと送って来た音声ファイル。カ
レシが「何を言っているのかわからない。ちょっと聞いてみてくれ」と言うので聞いてみたら、
ワタシにもさっぱりわからない。「スカイプでは普通に話せるのになあ」とカレシ。チオンさん
は四川省出身で、香港大学の大学院で環境工学の博士論文を執筆中の(超カワイイ)お嬢
さん。将来の夢は環境エンジニアとして海外に出ることで、英語でのプレゼンが増えたので
発音を改善したいということだけど、うはぁ、これ、しっかりと中国のメロディだ。標準中国語
特有の抑揚で話すから英語らしく聞こえない。単語の発音は悪くないのに・・・。

言うなれば英語の歌を中国音楽特有の節回しで歌っているようなもので、マーク・トウェイン
が彼の悪態をまねてみせた奥さんに「言葉はわかってても節回しがダメじゃん」と言ったと
いう話があるけど、まさにそれだと思う。単語の発音の良し悪しよりも、英語とまったく違う
抑揚(メロディ)やリズムが聞き手の脳に「知らない外国語だよ」という信号を送ってしまうの
が問題なんじゃないのかな。じゃあ、どうやって英語の節回しを教えたらいいのかと聞かれ
ても困っちゃうんだけど。音楽の先生に聞いてみる?