




階段は半ば土に埋もれ、 薄荷 がその周囲に生い茂り、 縁を越してまでいた。 往来の人の足に頻繁に踏まれるために 惜しげなく油を出し、その 香気 は声のない、 目には見えない祝福のように 二人の周囲に立ち込めていた。 【「アンの娘リラ」 第16章】 |

ちょっぴり夏に戻った今日。澄んだ青空も戻っています。
その上、ニュースなどでは 「熱中症に注意」 とも。
それにしても、10月にしてこの気候。やっぱり変ですね。
尤も、さわさわと風が吹き、あの暑さとは違いますが。
さて、冒頭の写真。
いよいよ今年も街全体が、天然の芳香に染まる季節の到来です。
とは言っても、やっと蕾が開いたばかり。
まだまだ蕾の方が多いです。
それなのに待ち切れなくて、身近に香りを嗅ぎたくて。
庭に出て一枝、手折って来ました。
『アンの世界』 では一足早く薄荷ですが、
こちらの世界は金木犀! ~なんて。
折しも、ランタナの花に止まっていた蝶に遭遇。
“待っててね・・” と祈りながら、カメラを取りに戻った私。
期待はほとんどしていなかったのですが、
ちゃんと元の場所に留まっていてくれた事に感激。
心って、通じますね。

そして、つい先程。今度は、ちょっと小振りなアゲハ蝶も。
でも、こちらはすっかりお馴染みですね。何と 「藜(アカザ)」 に。
藜の葉っぱも、一葉、二葉と・・黄葉に変わりつつあります。
華やかな紅葉とは違う、色が透けて行くような黄葉の、
かそけき姿にも心、魅かれます。