【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

かそけき秋の宴

2013-10-10 19:05:05 | 四季のスケッチ





【一日だけの “今” ~ 「藜(あかざ)」 の葉っぱ】




「凄く、いい匂いのする晩 じゃない?」
デイヴィーは嬉しそうに鼻をくんくんさせながら、
汚れた手でくわを振り回した。
今まで働いていたのである。    
                    【「アンの青春」 第24章】







【午前6時の空】

 
【午後5時の空】




   毎日、刻々と変わる空から目が離せません。 
  気温は、いつまで経っても夏のままですが、
  空はすっかり秋の様相。今日も季節外れの真夏日になりました。

   ただ、今日の 『アンの世界』 同様、
  真夏の暑さですが、「いい匂いのする晩」 になっています。
  そう、言わずと知れた金木犀の香り。

   例年ですと、10月もそろそろ半ばになろうとするこの時期は、
  夕方ともなりますと冷え込みもあって窓を閉めます。

   今年ばかりは夕方になっても開け放っているものですから、
  夜になっても、そのいい匂いを堪能(たんのう)出来るという訳です。












   なかなか本格的な秋とは
  なりませんが、それでも
  庭の藜の木の葉(このは)が、
  こんなかそけき色になりました。

   秋と言えば、紅葉(もみじ)や
  ドウダン、ニシキギ等の
  紅い葉っぱが注目されますね。

   勿論、その美しさと迫力は、
  秋の宴の NO1 でしょう。

   一方、緑の葉っぱからス~ッと
  色が抜けて生まれる黄葉にも
  切なさと言いますか・・
  しみじみと心に迫るものが。

   同じ紅でも
  何と控え目なのでしょう。

   優しい・・仄かな紅。
  はにかみながら、頬紅を引いたような。

   それにしても、
  この藜の葉っぱ、大活躍です。

   夏の間は青々と繁り、日射しを遮(さえぎ)ってくれ、
  季節が巡ると、こんな風にひっそり、かそけき色に。
  冬には跡形もなく姿を消してしまうのです。何と潔い木。

   そんな 「一日だけの “今”」 を身近に感じたくて
  庭から摘んで来ました。土物の器に。

   明日には枯れてしまうであろう葉っぱ。
  でも、今日だけはあなたが主役です。