だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

グレースのその後…

2006-03-05 17:21:28 | 映画
1995年デンマークで始まった映画運動“ドグマ95”。映画「キングダム」(94)「奇跡の海」(96)「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(00)「ドッグヴィル」(03)などのラース・フォン・トリアー監督たちが、創設者です。“ドグマ95”って何?という方は、こちらを参考にしてくださいね。

デンマークで映画作りをして来たトリアー監督が、アメリカ資本で撮ったのが「ダンサー・イン・ザ・ダーク」で、カンヌ映画祭でグランプリ初め、いろいろな賞を受賞しました。そして3年後、「ドッグヴィル」を発表。これが一大センセーションを巻き起こしました。見ました?

ロケはもちろん、セットの中にあるのは、道路や家や部屋を仕切る“白線”のみ。最小限の小道具が置かれ、スタジオ内のため、空もなし。壁に書かれた風景や雲、太陽、月。本当に衝撃的な試みでした。見る側は、演劇の体験があれば納得できるかもしれませんが、やはり「これでやるの?」と、びっくりさせられたものです。

その衝撃は演じる側には、もっと強烈だったようで、撮影中のストレスは私たちの想像以上。スタジオに作られた『告白室』で語られる、出演者の戸惑い、不安、怒りの数々。それをドキュメンタリー映画にしたのが、「ドッグヴィル~告白~」です。もし、未見の方は一見の価値あり。

なんと、その「ドッグヴィル」の続編ができました。「マンダレイ」です。トリアー監督は“アメリカ3部作”と銘打っています。ということは、もう1本作るんですね。うむ。さて、映画は「ドッグヴィル」のラストで町から逃れたグレースが、次の居住地を求め、南部の大農園“マンダレイ”に辿り着く所から始まります。

70年も前に廃止された奴隷制度が、厳然と継続されているマンダレイ。そこは、女主人(ローレン・バコール)の“ママの法律”によって、支配されていました。理想主義に燃え、奴隷たちに自由を与えようとするグレース(ブライス・ダラス・ハワード)に、マンダレイの秘密が徐々に牙を向いて来るのです!

今回も“白線”を引いた舞台のような空間。出演者は、イザック・ド・バンコレ、ダニー・グローヴァー、ウィレム・デフォー、ジェレミー・デイヴィス、クロエ・セヴィニー、ジャン=マルク・バール、そしてトリアー映画でおなじみの、ウド・キア。

「ドッグヴィル」のグレースは、ニコール・キッドマンでした。ブライス・ダラス・ハワードは、ロン・ハワード監督の娘で、「ヴィレッジ」に主演。どんなグレースを見せてくれるのか、映画と共に、期待です。
コメント (2)
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