だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

1986年4月26日、プリピャチで

2012-12-22 21:50:02 | 映画
今年11月8日から14日まで、高円寺の座・高円寺2で上演された「石棺 ~チェルノブイリの黙示録」。作:ウラディミール・グバリェフ、訳・演出:青井陽治、劇団昴の公演でした。

この作品は、1986年4月26日ソビエト連邦(現ウクライナ)で起こったチェルノブイリ原子力発電所事故とその後を描いています。作者のウラディミール・グバリェフは、プラウダの記者でした。

事故のわずか2ヶ月後にこの作品を書き上げたそうです。舞台は放射能の研究所。1階は植物、2階は動物、3階は人間が研究対象。ある日、緊急事態が起こり、多くの患者が運び込まれます。

それぞれの立場の違う患者たちの状態から、事故の模様が暴かれていきます。途中、亡くなる患者も…。しかし、いったい何が起きたのか…知らずにひたすら患者に向かい、全力尽くすスタッフたち。

改めて原発事故の、放射能の怖さを痛感させられます。日本も他人事ではありません。1987年俳優座で初公演されたという本公演。2011年にも朗読劇として、上演されています。未見ですが…。

チェルノブイリの事故は、映画(ドキュメンタリー)でも描かれます。フランス、ウクライナ、ポーランド合作映画「故郷よ」(11)は、チェルノブイリ近郊の立入制限区域内で撮影された初のドラマです。

その日、チェルノブイリからわずか3キロの隣町プリピャチ。アーニャ(オルガ・キュリレンコ)と消防士のピョートル(ニキータ・エムシャノフ)の結婚式でした。しかし、途中森林火災の報を受けます。

そして真っ黒な雨が…。この頃、少年ヴァレリーは、リンゴの木が枯れてしまったことを父アレクセイ(アンジェイ・ヒラ)に告げますが、取り合ってくれません。そのアレクセイは、原子力発電所の技師。

言の重大さを悟るアレクセイは、真相を告げることもできないのです。そんな時、強制退去命令が発せられ、何も知らされないまま、退去する人々…。振り続ける黒い雨や枯れてしまうリンゴの木。

そして帰らぬ人々。監督・脚本は、イスラエル・ハイファ出身の女性監督ミハル・ボガニム。アントワーヌ・ラコンブレとアン・ウェイル共同脚本。見ておくべき?気になります。
コメント (1)
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