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偶然 駐車場の車の中で彩加さんのあまりに重いことばを聴いていました。
いっしょにいた息子が ポツンと 強いなぁ おれは...おかあさんと一緒に死んじゃうだろうな....姉さんも....。おとうさんはなんとか逃げるだろうといいました。
それって ひとりで生きてゆく自信がないんじゃないの と返すと そうかもしれない とちょっと寂しそうに言いました。
家に入って娘に話すと わたしはおかあさんが死ぬまでそばにいる それから逃げる おとうさんはなんとか助けようとすると思う
と言います。
息子は おかあさんは 逃げなさい というだろう といいました。
わたしは はっとしました。.... わたしのなかには そんなにも息子が信じてくれているという喜びも正直ありました そうい言いたいとは思いますが 実際 その場にならないとわかりません。
行かないで というかもしれない。この子をひとりで生きてゆかせるより一緒に死のうと思うかもしれない。
ギリギリの空前絶後の選択。ともに死ぬか 自分だけでも生きるか。
関東大震災 ヒロシマ ナガサキ 東京大空襲 満州 沖縄 淡路の震災.....そのような心臓をえぐるような選択を迫られたひとたちが どれだけ いたことでしょう。
生き延びたひとたちは 一生 苦しみを背負って生きてゆくことになる。
(仮に あなたは逃げなさい と言われたにしても) 自分だけ生き残るとしたら それは負い目を一生 背負い続けることです。
彩加さんのしずかな顔の向こうに どれだけの悲嘆や後悔があったことでしょう。こうして 悲しみを乗り越え世界に向かって語りかけた彩加さんは 賛嘆も非難もすべてうけとめてこれからも強く生きてゆくでしょう。
その姿に あなたの選択はそれでいい なにがあっても笑顔でね と 祈りをこめて思います。
そして そのような惨い 選択を迫った原因が これまでこのブログで告発してきたように 関東大震災をのぞいて 人災であることに わたしはあらためて驚愕と恐怖を覚えます。
殺すより傷つけるより ひどい仕打ちがある それを平気でできるひとたちがいる ひとのイタミを感じない 想像しようとしない ひとの運命を恣にするひとたちがいるということに。