町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

新時代の低床車、都営バスのフルフラットバスを観察する

2019年07月24日 | 都営バス

東京都交通局では20181225日より、スウェーデンのScania製フルフラットノンステップバスを日本で初めて導入し運用を開始していますが、戦前以来と思われる海外製車両の導入に衝撃を覚えた方も多いと思います。初運用開始から半年と一カ月が経過して増備も進行し、見かける機会も増えて来ましたが、筆者は今年になってやっとマトモな写真が撮影出来ました。

51系統(駒込駅南口~秋葉原駅)で運用中の2DG-NB4X2BVJ(P-D907号車)。祝日の撮影の為に日章旗を掲げています。導入直後は都02系統(大塚駅~錦糸町駅)間の固定運用でしたが、増備が進み幅広い活躍を見せるようになりました。尚、先述の型式は日本に於けるもので、海外市場ではN280UB4x2EBを名乗ります。

後部から。車内をフルフラット化する為、リア部に走行用エンジンが集中配置されている関係で行先表示のみの設置になりました。シャーシはScaniaが製造していますが、車体はオーストラリアのVolgren製車体を架装しています。車体はアルミ製で、衝突事故などを考慮し強度を更に向上させています。

従来車両に近付けながらも、FRP成形品の座席や大型の窓など欧州車らしい雰囲気が漂う車内。床材は灰色仕上げですが、無地ではなくフローリング模様が入り、間接照明と相まって高級感を出しています。また、試験導入に留まっていたUSBポートが本格的に設置され、Wi-Fi設備と共にサービス向上が図られました。タイヤハウス上の座席が設置されているのもバスマニアには嬉しいポイントです。 

停留所名表示器は大型のものを最前部に設置していますが、燃料電池車に続き中扉付近の天井にも設置しました。多言語表示にも対応しているので、乗客向けの案内も大幅にグレードアップしました。

 

都民の期待を受けて走り出したフルフラットバスですが、フラット構造ではあるものの座席周辺が狭くなったり、フラット化されながらも中扉以降の通路の広さに余裕が無いなど使いにくいと感じる面もあり、改善すべき点も見受けられました。また、フルフラットバスは当面都営バスのみの導入ということで、現在は東京でしか見られない車両ですが他事業者にも波及するのか、今後が色々と気になる存在です。

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