町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

Allegraの相棒、箱根登山鉄道2000形Saint-Moritz号

2019年07月20日 | 小田急グループの鉄道・路線バス

ここ数日、引退が近いモハ1形を追っ掛けていたため、しばらく箱根登山鉄道の記事が続きます。先日は登山電車の最新鋭車3000形アレグラを取り上げましたが、今日はその3000形の相棒を務めている2000形サン・モリッツ(Saint-Moritz)号です。

この2000形は箱根登山鉄道の起源である小田原馬車鉄道の設立が1888年であることから、丁度100年目に当たる1988年に計画が持ち上がり翌年の1989年に登場しました。意外なことに登山電車では記念すべき初めての冷房車です。箱根登山鉄道では1979年以来レーティッシュ鉄道と姉妹提携を結んでおり、提携から丁度10周年の節目に登場することから、スイス政府とサンモリッツ観光局の協力で命名されました。正面にも愛称のヘッドマークを掲げていますが、大変由緒正しい名称だったのですね。尚、サンモリッツはウィンタースポーツの中心地として有名ですが、ベルニナエクスプレスの発着地、またグレッシャー・エクスプレスの経由地でもあり世界的に著名なスイスの観光地です。 表記方法に関してはロマンシュ語ではSan Murezzanとなりますが、日本ではフランス語表記が定着している為、ヘッドマークの表記や文献などもそれに倣っています。

運用開始時は3両編成で登場し、小田急10000形HiSEベースの塗装でしたが登場から10年目の1999年にはレーティッシュ鉄道カラー(現在の小田急1000形登山線用編成が纏っているカラー)に変更、更に2004年には1000形ベルニナ号の冷房化に伴う電源装置確保の為に1・2編成が中間車を供出するなど、短期間の内に目立つ動きが見られます。3000形アレグラとの連結対応改造は2014年で、翌年3月にはイメージの統一を図るため車体の塗装をアレグラ準拠に改めました。ただし2018年には第1編成がHiSE塗装に戻され、現在は在籍する編成全てのカラーが異なっています。 

元々はボックスシート配置でしたが、2010年にロングシート化改造を受けた車内設備。第2編成は化粧板や座席モケットが更新され、外観のカラーリングのみならず車内も3編成で異なった配色・設備になりました。

後年設置された車内案内表示は現在主流のワイド液晶画面で、3000形並みにサービスレベルを引き上げました。今後は更に機器更新が予定されており3000形と手を組みながら長く活躍して行くんでしょうね。


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