町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

26年振りに登場した新形式、上毛電気鉄道800形(元・東京メトロ03系)

2024年06月09日 | 関東地方の中小私鉄

群馬県の前橋市から桐生市を結ぶ上毛電気鉄道では、1998年より京王井の頭線の元3000系を譲受した700型を導入し運用されて来ましたが、車齢が最も古い編成で50年以上が経過した2018年度に同型式の代替として新造車の導入が発表され、2019年・2021年に各1編成を導入する計画が発表されました。しかし、物価高騰によるコスト面から中古車の導入に計画が変更され、東京メトロ日比谷線で運用されていた03系を800形として譲受することになりました。2両編成3本の導入が計画されており、1本目の編成は2024年2月29日より営業運転を開始しています。

26年振りの新形式となった800形。種車は35編成の03-135+03-835で、135を制御電動車化、835は付随制御車のまま補助電源装置・空気圧縮機・蓄電池を新設する改造を受け車両番号はデハ811+クハ821に改められました。上毛電気鉄道向け改造が済んだ後の2023年11月27日には、古巣の日比谷線で性能確認の試運転を実施したことが特筆されます。この編成の導入でパステルブルー塗装の700型716編成が定期運用を離脱しています。

大胡駅で在来の700型と並ぶシーン。今後2編成が追加で2027年までに導入される計画で、代替で廃車となる700型の部品を確保して他5編成の延命を図るとされています。正面の帯色は引退した編成と同じ色であることから、800形も編成毎に違うカラーになるもと思われます。

車内は2両固定編成化の為、妻面貫通扉は撤去されワンマン運転用の運賃表示器・料金機と整理券発行機、またバリアフリー対策に車椅子スペースと冬季に備えて半自動ドアボタンが新設されています。車内の改造は最小限にされ、注意喚起のステッカーも東京メトロ時代のものをそのままの状態にしていることから、日比谷線で運用されていた頃の雰囲気を残しています。

次駅を表示する運賃表示器が設置されましたが、ドア上のLEDによる車内案内表示もチャイムと共に稼働しており行先・次停車駅・開く扉を表示しています。在来車に比べて大幅な進歩ですね。

残る2編成4両の導入でサービス改善と当面の700型5編成の維持が可能になりますが、既に同型は経年が60年に届こうとしている為近い将来の置き換えは避けられず、その際は計画にあった新造車になるのか、また新たな中古車になるのか今後に注目です。


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