町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

富士山の麓へ現れた忍者列車、富士急行6000系6702編成・NARUTO×BORUTO TRAIN

2025年01月05日 | 関東地方の中小私鉄

JR東日本から譲渡の205系を6000系として導入する富士急行では、JR在籍当時に山手線から八高線・川越線に先頭車化改造を施工して転用した前頭部形状が全く異なる3000番台車を6000系6700番台を2019年度増備分としました。この2編成はどちらも特別仕様とされ、6701編成は路線開通90周年記念として金色基調の富士山のラッピングとされ、6702編成は富士急ハイランドの新テーマパークである「NARUTO×BORUTO 富士 木ノ葉隠れの里」のがオープンすることにより、NARUTO×BORUTO TRAINとして運転されることになりました。営業運転開始はパークのオープン初日と同じく2019年7月26日のことで、世界的人気を誇る漫画作品のフルラッピング編成として注目も集めています。

外観はNARUTO・BORUTOの登場人物が車体に描かれ、富士山寄りのクモハ6702からピンク、ブルー、オレンジ、グリーン、パープル、レッドとカラーを変える非常に人目を引く仕様になっています。本編成が営業入りする直前の7月19日からは富士急シティバスに高速バスがラッピングされて登場しました。期間を定めない常設型テーマパークということもあってか、ラッピングの多い富士急行線の車両でも気合いの入った装いです。

大月寄り先頭車は赤い全面で、編成両側で大分印象が違います。最早説明不要だと思いますが、「NARUTO -ナルト-」は超常的能力を駆使して忍者同士が戦いを繰り広げるバトルアクション漫画で、「BORUTO -ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」は主人公・うずまきナルトの息子ボルトの活躍を描いた続編ですが、NARUTOは長らく平成中期の週刊少年ジャンプを代表する作品でコミックスの売り上げは全世界で2億5000万部(2019年時点)を突破し、Newsweekの2006年10月18日版では「世界が尊敬する日本人100」に唯一架空の人物として、うずまきナルトが選出されるなど海外人気・知名度が非常に高いことでも知られており、インバウンドの外国人観光客から特に好評のようです。

車内設備もしっかりNARUTO・BORUTO仕様で、広告は自社と木の葉隠れの里関連で統一され各ドア部にカラフルな登場人物のラッピングが施されている他、座席も緑系のオリジナルのモケットが用いられています。

車内案内表示装置はトーマスランド号、開通90周年記念編成と同じくLCD仕様になりました。今後予定されている増備車にもこのタイプが設置されると思われます。

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観光輸送向けに大変身を遂げた富士急行1000系・富士登山電車

2025年01月03日 | 関東地方の中小私鉄

昨年12月15日で定期運用を終了した元京王5000系の富士急行1000系ですが、2009年8日8日より富士登山電車として大規模な改造を受け観光用列車に変身した1201編成については定期運用こそないものの、団体列車やツアー列車などでの運用で残留することになりました。デザインはJR九州で実績のある水戸岡鋭治氏が手掛けており、路線開通時の車両であるモ1号車をイメージしたという錆び朱色塗装にレトロモダン調のデザインで、日本一豊かな登山電車をコンセプトに掲げています。定期運用から離脱していましたが、1001号編成引退時の特別ダイヤによる運転では連結して運用され注目を集めました。今年2025年1月1日には、事前応募制の迎春富士山号として、久しぶりに2両編成で運転されています。

元日の晴れた空の下を招待客を乗せて健在ぶりをアピールした1201編成。1号車モハ1205には「赤富士」、2号車モハ1305には「青富士」の愛称が付けられ、定期運用が設定されていた頃は1号車が指定席とされてきました。運転開始後はしばらくは普通列車として一般仕様の1000系に併結される形で運転されますが、2010年3月13日以降は2両ともに座席指定制の快速として用いられていました。

2020年3月14日には運転体系見直しで再び普通列車運用に戻りますが、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の影響もあり、同年4月25日で期限を定めない運休とされ以降は定期列車からは離脱している状態でした。1001編成引退に伴い併結可能な車両として復帰を果たし華を添えただけでなく、晩年期の最後の頑張りといった様子でした。

大改造で2ドアに改められ1号車「赤富士」車内。濃い茶色と赤い色調が中心で、大型4人掛けボックスの他に展望カウンターなども備え、ライブラリーコーナーと称して書棚が設けられているのも斬新なところです。

2号車「青富士」車内。展望ベンチの他に休止こそしていますがグッズや飲食物を販売するカウンターが車端部に設置されていました。1000系引退時のダイヤではどちらも特別料金一切無しで利用できていたので、乗り得列車でもありました。

他の1000系が引退する中で、唯一生き残れた1201編成ですが、老朽化などもあり既に部品確保も困難になっている中で果たしていつまで活躍する姿を見れるのやら、動向を見守りたいですね。

 

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富士急行1000系1001編成(元・京王5000系)引退へ

2024年12月15日 | 関東地方の中小私鉄

本日12月15日は富士急行(富士山麓電気鉄道)1000系が31年に渡る活躍に終止符を打ちました。本形式は1993年より、小田急電鉄から譲受した5700形と自社発注の3100形を置き換えるために京王帝都電鉄(当時)より初代5000系の譲渡を受け、2両ユニット化と営団3000系の廃車発生品の台車を組み合わせる改造を施し登場した形式で最盛期は2両編成9本の18両が在籍し、主力車両として運用され、老朽化と6000系導入により2011年から廃車が開始されていました。晩年期に入ると様々な塗装バリエーションが登場しカラフルな装いでファンを楽しませていましたが、最後に残ったのは京王時代のカラーに戻された1001編成でした。

種車となった初代京王5000系が2013年で登場50年を迎えることから、その記念企画で2012年10月28日より京王線在籍当時のカラーにされた1000系モハ1001+モハ1101。京王時代の番号であるデハ5113(モハ1001)とクハ5863(モハ1101)を原寸大の切り文字で車体に再現するなど近年のリバイバル塗装車にしては非常に凝った仕様でした。

車体カラーを5000系時代に戻してからは、他編成の廃車が進行しながらも生き残り京王線当時のヘッドマークを掲出しての運転や撮影会の実施など度々イベントに登用され注目の編成でしたが、元JR東日本の205系の6000系増備後は平日に不定期に運用されるのみになった他、全く運用に入らない日も多くなっていました。

2021年度の撮影会で「迎光」のマークを掲出した1001編成。定期運用最後の2日間と最終日の臨時列車では「高尾」「迎光」と、さよならヘッドマークが掲出され、幕引きに花を添えました。

車内は京王時代からのロングシート仕様ですが、譲渡時には室内更新も行われているため化粧板や床材仕上げ、座席モケットなどが新しくなった他、袖仕切りも新設されたためイメージが変化しました。なお、観光需要が高い路線ということもありロングシートを維持していた編成は少数派で、ドア間を固定クロス+転換クロスシートとし1200形として区別される編成が多数を占めていました。

京王時代は5113Fとして1966年に新製され、26年に渡り運用された後1992年の廃車後に富士急行に譲渡され京王時代より長い31年間も在籍し、その活躍は57年余りに及びました。老朽化も大分進んでいたと思いますが、ここまで長く運用され無事に勇退を迎えたことに先ずは敬意をを表したいですね。

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金色車体の富士急行6000系6701編成・開業90周年記念号

2024年12月11日 | 関東地方の中小私鉄

富士山へのアクセス路線として、馬車鉄道からスタートした現在の富士急行線は1929年6月29日、富士山麓電気鉄道により大月〜富士吉田(現在の富士山駅)間が開通し2019年で90周年を迎えました。それまでは富士電気軌道と称する軌道線であり更に遡ると1900年9月21日に開業し、下吉田〜籠坂峠を結ぶ都留馬車鉄道と1903年1月17日に開通し大月〜谷村本社前間が開通した富士馬車鉄道から始まり、両社は合併して軌道線による電車運転になるものの、併用軌道も存在する路面電車に近い形態であったたため急増する旅客の対応に難が出たことから新設の鉄道線への切り替えを行い、これが現在の富士急行線のうち大月線となりました。鉄道線に改められてからは所要時間が軌道線時代の2時間余から約1時間に短縮され、富士山麓が日帰り可能な観光地となっています。富士急行への社名変更は1960年5月30日、富士急行グループの分割に伴う新設の富士山麓電気鉄道への鉄道事業移管は2022年4月1日で、62年振りに開業時の社名に戻りますが旅客への案内は引き続き富士急行線の名称を使用しています。

2019年にも6000系が増備されますが、同年6月22日から運用入りした6701編成はJR東日本在籍時に先頭車化改造を受けた3000番台を種車とし開業90周年記念車両に指定、富士山の優美な姿を金で表現し市松柄と和モダンを強調した特別仕様になり、車内設備も木目と富士山柄を多様した本編成のみのオリジナル仕様とされています。また初めてキャリーケースを収納できる荷物棚も新設されました。

6701編成も何かしらのヘッドマークを掲出しての運転が多いですが、今年は11月16日で2004年の同日に開業した都留文科大学前駅が20周年を迎えたことから、記念ヘッドマークを掲出して運転しています。

オリジナル正面形状と田の字窓の6000番台との並び。6701編成は川越車両センター所属の3000番台をベースにしていますが、元は山手線に在籍していたトウ13編成のモハ205-37(→モハ205-3005→クモハ6701)+モハ204-307(モハ204-3004→モハ6801)+サハ205-29(クハ204-3005→クハ6751)で、両車は約14年振りに再会を果たしたことになります。

車内設備は引き続き木材を多様したオリジナル仕様で、ドアは黒系で塗装され化粧板も木目調になりカーテンや座席モケットは富士山の図柄をあしらった他編成にはないデザインです。車内案内表示装置はトーマスランド号に続いてLCD化されました。

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富士山へのアクセスを担う富士急行(富士山麓鉄道)6000系

2024年12月09日 | 関東地方の中小私鉄

富士急行線の普通列車は京王電鉄から初代5000系を譲り受け改造した1000系と自社発注車である5000系を運用していましたが、老朽化が進行していたため置き換えが検討されるようになり、JR東日本で運用していた205系を譲受し6000系として導入することになりました。会社規模の割に私鉄への通勤型電車の譲渡を行うことは比較的珍しく、民営化前の国鉄時代から秩父鉄道へ譲渡されていた101系に次いで2例目の移籍です。2012年より継続的に導入が続いていますが、複数の路線で使用されていた車両を少数ずつ導入しているため形態差があり、このうち6001・6002・6003編成は二段窓が特徴的な量産先行車であることが大きな特徴です。

2013年までに京葉車両センターから3本が導入された6000系6000番台。いずれも譲渡に際した3両化では余剰となるクハ205から切り出した前頭部を継ぐ形で先頭車化されています。写真の6002編成はケヨ26編成のうちモハ205-9(クモハ6002)+モハ204-9(モハ6102)+クハ204-3(クハ6052)が種車になっています。近年は何かしらでラッピングやヘッドマークを掲出していることが多く、ノーマルな姿を見ることは比較的難しくなりました。

河口湖駅で開催された1000系撮影会で並べられた6001編成。元ケヨ25編成のモハ205-6(クモハ6001)+モハ204-6(モハ6101)+クハ204-2(クハ6051)で、いずれも国鉄時代の1985年に山手線で初めて営業運転を開始した現存する205系列の車両の中で最古参のグループです(トップナンバーのクハ205-1はJR東日本が保管中)。

車内は富士山周辺への観光列車に相応しく大幅にリノベーションされ、デザインはJR九州の車両で実績のある水戸岡鋭治氏が手掛けました。床材や吊り手は木材を多様し、ドアは青色で塗装仕上げとするなどイメージは激変しました。寒冷地での運用になるため、暖房装置強化やドアの半自動機能追加も実施されています。

バリアフリー対策も兼ねてドア上にはLEDによる車内案内表示装置を千鳥配置として車内放送は自動化されています。JR東日本始め全国に普及し始めたお馴染みのドアチャイムが鳴動するようになりました。これらの改造のおかげで、約40年前の車両とは思えない程に印象を変えました。今後も6000系は1000系の完全置き換え用に更に追加での譲渡が予定されており、長く主力として活躍しそうです。

 

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