東武東上線から有楽町線への直通運転には、1987年以来チョッパ制御車の9000系と1994年からVVVFインバーター制御方式に設計変更した9050系が長らく用いられて来ましたが、東京メトロ副都心線小竹向原〜渋谷間の開通と東急東横線・みなとみらい線直通を控えて2007年6月18日より新たにATOによるワンマン運転とホームドアに対応した50070系が導入されました。2005年より東武では東上線地上専用車として50000系、半蔵門線・東急田園都市線直通運転用に車体幅を変更した50050系を増備していましたが、本系列はそれらの改良型で10両編成7本の70両が製造され、9000系と共通で副都心線・有楽町線直通と地下鉄が関連しない東上線池袋発着の運用まで幅広く使用されています。
東横線内を走行する51071F。50050系に準じた外観・車内を持ちますが主な違いは両側の先頭車に集中し、ホームドアに対応するため客室内のオフセット幅を250mmから120mmに縮小の上で全長を130mm延長、ATOと戸閉制御切替装置、更にクハ50070型にATO送受信装置を新設する比較的大きな変更を盛り込んでいます。乗務員室内には車上CCTVが新たに設置され、コンソール配置も全て一新しハンドル形状も変更になりました。
51071F〜51074Fは当初は固定式の一枚窓でしたが、51075Fでは開閉可能窓(トの字型に窓ガラス部を分割し、上段を下ろす形で開口)に改められ他編成も改造で開閉可能にされました。2011年度製造の51076・51077Fは通常の下降式窓で登場しています。ちなみに車体幅も異なり、51071〜51075Fは2800mmでしたが51076・51077Fは本線用50050系と同じ2770mmに改められています。
車内設備。50000系列では当初座席に薄いパープル系(TBマトリックスと呼称する藤色)でしたが、本系列からキュービックブルーと呼ばれる模様入りの青に変更し、他編成も2011年より交換が開始され10000系列のリニューアル車両にも用いられるようになりました。
車内案内表示装置は他編成同様にLEDスクロール表示式でしたが、やはり2011年度製造の2本では17インチ画面の1台配置に改められ数少ないLCD搭載車となっていましたが、他社と足並みを揃えるため初期の5編成も西武6000系でも採用された左右一体型液晶画面に交換されました。ドアチャイムに関してはそのままの状態です。
9000系置き換え用の副都心線・有楽町線に対応する新系列の開発が発表されましたが、変更点が非常に多い50070系列は今後もこのまま安定した活躍が見込まれそうです。
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