町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

箱根観光の新たな主役・箱根登山鉄道3000(3100)形

2019年07月16日 | 小田急グループの鉄道・路線バス

日本の国際的観光地として名高い箱根の象徴といえば、箱根登山鉄道ですが、箱根と並ぶ著名な観光地の江ノ島・鎌倉を結ぶ江ノ電が2006年に新型車両を導入したのとは対象的に、箱根登山鉄道では1997年の2000形以来新型車導入が途絶えていました。しかし2012年5月に、箱根登山鉄道・箱根ロープウェイ・箱根観光船・箱根施設開発の4社が大型投資計画を発表し、新型車両の導入が盛り込まれました。 

こうして2013年にはデザインが決定し、3000形として登場、営業運転開始直前の2014年8月には姉妹提携を結ぶスイス・レーティッシュ鉄道に因み、スイス連邦で使用されている第4の言語・ロマンシュ語で挨拶を意味する「アレグラ(Allegra)」とすることが決定し同年11月1日に営業運転を開始しました。登山線では約25年ぶりの新型車両で、且つ初めてのVVVFインバーター制御車でもあります。 しかしアレグラという名前は、日本では花粉症の季節にお馴染みのアレルギー治療薬が真っ先に浮かんでしまいますね(笑)当初の2両(3001・3002)は両運転台車で、2000形サン・モリッツ号と連結しての運用でしたが2017年には片運転台・2両編成の3100形(写真手前の2両)も加わり、アレグラ号のみの3両編成で組成される列車も登場しています。

非常に珍しく両運転台の3001+3002同士の2両編成を組み運用中の姿。他形式の検査や代走など、何らかの事情で2両編成の運用が生じるとこのような組成が見られますが、両運転台車は2000形・3100形と連結して3両編成を組む運用が基本なので珍しい場面です。

アレグラが並び交換を行う場面も日常的に見られるようになりました。在来車と比較すると車高の高さと、「バーミリオンはこね」と称する深みのある赤色が印象的です。

景色を楽しむ車両である為、窓を大型化しボックス席にはドリンクホルダーのあるテーブルを設置しました。3000形は小田急ロマンスカーのVSE・MSE・GSEのデザインを手掛けた岡部憲明氏が担当しているため、大窓や高い天井に、それらとの共通性が感じられます。

2020年には更に2両編成1本の増備が計画されており、今後は長年主力として活躍して来たモハ1・2に変わる21世紀の箱根観光の象徴としての活躍が期待されます。

 

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