石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

ニュースピックアップ:世界のメディアから(7月5日)

2012-07-05 | 今日のニュース

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BPエネルギー統計レポート2012年版解説シリーズ:石油篇7 生産量(3)

2012-07-05 | その他

(いくらでも生産が増やせるサウジアラビア、伸張著しいブラジル!)

(4)主要産油国の生産量の推移(1990年~2011年)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/1-2-G03.pdf 参照)
 産油国の中には長期的に見て生産量が増加している国がある一方、年々減少している国もある。ここではサウジアラビア、ロシア、米国、イラン、中国、UAE、イラク、ベネズエラ及びブラジルの9カ国について生産量の推移を見てみる。

 サウジアラビアの生産量は1990年の711万B/Dが2000年には944万B/Dに増加、2011年は1,116万B/Dに達している。これは1990年比1.6倍という顕著な増加である。ロシアの石油生産は1990年に1千万B/Dを超えていたが、ソ連崩壊の影響で90年代は急減、2000年の生産量は647万B/Dに落ち込んだ。しかし同国はその後再び生産能力を回復し2011年は革命前の水準に戻り1,028万B/Dを記録している。

現在世界第3位の産油国である米国は1980年代半ばまで1千万B/Dの生産量を維持していたが、その後は年を追う毎に減り1990年には891万B/Dに減少、2008年にはついに800万B/Dを割り773万B/Dまで落ち込んだ。しかし同年以降、米国の石油生産は上向きに転じ2011年には784万B/Dに回復している。

 イラン、中国及びUAE各国の1990年、2000年、2011年の生産量を比べると3カ国とも同じような増産傾向を示している。即ちイランの場合は327万B/D(1990年)→385万B/D(2000年)→432万B/D(2011年)で、中国は278万B/D→326万B/D→409万B/D、UAEは228万B/D→262万B/D→332万B/Dとなっている。

 イラクは1979年には350万B/Dの生産量を誇っていたが、1980年代はイラン・イラク戦争のため生産が漸減、1990年の生産量は215万B/Dに落ち込んだ。更に1991年の生産量は湾岸戦争のため134万B/Dになり、その後は経済制裁の影響で100万B/D以下に激減した年もあった。2000年には261万B/Dまで回復したものの、2003年のイラク戦争後も長く低迷した。近年漸く生産は上向き2011年の生産量は280万B/Dとなっている。

 ベネズエラは1990年の224万B/Dから2000年には1.4倍の324万B/Dに増加した後、2011年には逆に272万B/Dに落ち込んでいる。これと対照的に1990年以降の20年間で生産量を急激に伸ばしたのがブラジルである。同国の1990年の生産量は65万B/Dでベネズエラの30%程度に過ぎなかったが、2000年には1990年の2倍の127万B/D、さらに2011年には220万B/Dに急増、その生産量はノルウェーをしのぎイラク、ベネズエラに肉迫している。

(石油篇生産量完)

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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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