石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

BPエネルギー統計レポート2012年版解説シリーズ:石油篇10 消費量(3)

2012-07-10 | その他

(注)本シリーズは「マイ・ライブラリー (前田高行論稿集)」で一括ご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0231BpOil2012.pdf

 

(トップの米国を追い上げる中国、三位日本に肉迫するインド!)

(4) 四大石油消費国(米、中、日、印)の消費量の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/1-3-G03.pdf参照)
  2011年の四大石油消費国は米国、中国、日本及びインドである。これら4カ国の1965年以降の消費量の推移には先進国(米国・日本)と開発途上国(中国・インド)それぞれの特徴が如実に表われている。

 世界最大の石油消費国である米国は1980年まで石油の消費が大きく伸びた後、1980年代前半は需要がマイナスに落ち込んでいる。しかし1985年(1,573万B/D)以降再び消費量は着実に増加、2000年代前半には2千万B/Dを突破した。そして2005年に2,080万B/Dに達した後は急激に減少し、2011年に再び2千万台を割り1,884万B/Dに落ち込んだ。

 日本については1965年の消費量は171万B/Dで米国の7分の1に過ぎなかったが、それでもインド(25万B/D)、中国(22万B/D)を大きく引き離していた。その後日本の消費量は第一次オイルショックまでは急成長し、1975年には3倍近い479万B/Dに膨れ上がった。しかし第二次オイルショックを契機に石油消費の伸びは低下、毎年ほぼ500万B/Dの水準を上下していた。そして1995年の575万B/Dをピークとして以後毎年前年割れとなり、2011年の消費量は442万B/Dとなっている。

 これに対して中国及びインドは1965年以降一貫して増加している。特に中国の石油消費量は1990年の232万B/Dから2000年には倍増の477万B/Dとなり、2003年には日本を追い抜き米国に次ぐ世界第二の石油消費国となっている。その後も2005年694万B/Dと15年間で3倍に急増、2011年の消費量は1千万台目前の976万B/Dを記録している。これは1965年の44倍、2000年の2倍であり、日本の消費量(442万B/D)の2倍を超えている。

 インドの場合、1965年の消費量は25万B/Dで中国をわずかに上回っていたがすぐに中国に追い抜かれ1987年までは100万B/Dを下回る水準に留まっていた。それでも1988年に100万B/Dを超すとその後は10年毎に100万B/D単位で増加、2000年の消費量は226万B/D、2011年は347万B/Dを記録している。これは同じ年の日本の80%弱であり、この趨勢が続けば今後数年で日本を追い越し世界3位の石油消費国になる勢いである。日本が省エネ技術により石油消費を抑えたのに対し、中国及びインドはエネルギー多消費型の経済開発により高度成長を遂げつつあることが解る。

(続く)

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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp


 

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(7月10日)

2012-07-10 | 今日のニュース

・ノルウェーのストライキ決行の恐れで石油価格上昇。WTI$85.6, Brent$99.39.

 

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