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http://mylibrary.maeda1.jp/0484WorldRank2.pdf
(世界ランクシリーズその2)
3.過去5回の順位の推移
(表http://rank.maeda1.jp/2-T02.pdf参照)
(図http://rank.maeda1.jp/2-G01.pdf参照)
第15回(2015年)から第19回(2019年)までの競争力ランクの推移を見ると、スイスが2015年から2017年まで3年連続して世界1位であり、2018年、2019年は上述のとおりそれぞれ米国およびシンガポールがトップである。ちなみに世界最下位は2015年がギニア、2016,17年はイエメン、そして昨年、今年はチャドである。
国ごとに見ると米国は3位(15年)→3位(16年)→2位(17年)→1位(18年)→2位(19年)と常にベスト3以内に入っている。日本の場合は6位(15年)→8位(16年)→9位(17年)→5位(18年)→6位(19年)で5年間を通じてベストテンに入っている。ドイツも日本と同様4位(15年)→5位(16年)→5位(17年)→3位(18年)→7位(19年)と5年連続でベスト10位にとどまっている。
韓国は5年前の2015年には世界26位であったが、昨年(15位)、今年〈13位〉と急速にランクを上げている。中国は5年間を通じて27~28位であり順位が全く変わっていない。中国と並ぶアジアの大国インドの世界競争力の推移をみると55位(15年)→39位(16年)→40位(17年)→58位(18年)→68位(19年)と2016年以降世界ランクが下落し続け、今年は過去5年間で最も低いランクになっている。ロシアも2015年の45位から2017年には38位までランクアップしたが、その後は43位に下落している。
中東諸国の中で競争力があるとされるUAE、イスラエル及びサウジアラビア3カ国の場合、2015年の世界ランクはUAE17位、サウジアラビア25位、イスラエル27位の順序であったが、その後イスラエルが順位を上げる一方、産油国のUAE及びサウジアラビアは競争力が低下しており、2019年の世界ランクはイスラエル20位、UAE25位、サウジアラビア36位となっている。
またトルコは2015年の51位から今回は61位にとどまっており、イランも5年前は世界140カ国中の74位であったが、今年は141カ国中の99位であり、世界の中位国から下位グループに転落している。トルコはEUとの政治・経済関係が悪化しており、またイランは米国と鋭く対立していることが競争力低下の原因と見られる。これに対してエジプトは5年前は116位であり、トルコ或いはイランに比べ競争力がかなり劣っていたが、5年間連続してランクが上昇し、今回は93位でイランをしのいでいる。エジプトは2011年のアラブの春でイスラム政権に交代したが稚拙な経済政策により財政が悪化、それに伴い競争力も落ちた。その後、軍事強権政権により経済再建が進んだことが国際競争力のアップにつながったようである。
(続く)
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