4. 経済・金融連携
(中国の独断専行の気配!)
4-4. AIIB(アジアインフラ投資銀行)
アジアインフラ投資銀行(Asian Infrastructure Investment Bank, AIIB)は、国際開発金融機関の一つである。中国の提唱で57カ国が創設メンバーとなり2014年に設立された。現在の会員数は92カ国に達し、中国の北京が本部である。資本金は1千億ドルで中国が約30%を拠出し重要案件の拒否権を有する。
MENA諸国ではサウジアラビア、イスラエル、トルコ、イラン、UAE、エジプト、リビア、アルジェリアなど幅広い国が参加している。なおG7の中では米国と日本だけが参加を見送っている。
中国が提唱している一帯一路構想(One Belt One Road, OBOR)実現のため必要とされる電力、港湾、道路、鉄道などのインフラ事業の資金の担い手となることが期待されている。
中国が主導しているため融資案件の裁定等で同国の独断専行が懸念され、また開発途上国への過剰な融資が将来返済不能となるいわゆる「債務のわな」問題も指摘されている。今年6月AIIBのカナダ人幹部社員が運営の不透明性を理由に辞任、カナダ政府が取引を停止すると発表しており、成り行きが注目される。
(続く)
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