石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

石油と中東のニュース(10月24日)

2023-10-24 | 今日のニュース

(石油関連ニュース)

原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil

・ガザ紛争の影響軽微で石油価格下落。Brent $91.49, WTI $87.03

・伊ENI、カタールとLNG購入契約締結。三井物産もLNG事業参画の意向

(中東関連ニュース)

・イスラエル空爆によるガザ地区の死者5千人以上

・ハマス、追加で女性人質2名釈放

・カイロ和平会議、アラブとイスラエル擁護の西欧の対立でコミュニケ出せず

・ガザ南部Rafah検問所から援助物資第3便搬入

・トルコ、スウェーデンのNATO加盟案件を議会に上程

・イランで南カフカス地方合同外相会議開催、ロシア/トルコ外相も出席

・韓国大統領、サウジ訪問。52件のMoU締結

・サウジPIFと韓国現代自動車が合弁事業、年産5万台、2026年生産開始

 

 

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イスラエルのアイアン・ドーム防空システムの裏をかくハマス(上)

2023-10-24 | 中東諸国の動向

現地紙記事翻訳:

原題:Analysis: Israel’s Iron Dome air defense system works well – here's how Hamas got around it

URL:https://english.ahram.org.eg/News/510181.aspx

掲載日時/掲載紙:2023/10/13 Ahram Online, Egypt (AP)

筆者:Iain Boyd, Director, Center for National Security Initiatives, and Professor of Aerospace Engineering Sciences, University of Colorado Boulder(航空宇宙エンジニア、コロラド大学教授)

 

 

イスラエルには、非常に効果的な最先端の防衛技術と能力を開発してきた長い歴史がある。その代表的な例は、ミサイルやロケット弾に対する世界最高の防御手段として広く喧伝されているアイアン・ドーム防空システムである。

 

しかし、2023年10月7日、イスラエルはガザに拠点を置くパレスチナ武装組織ハマスによる非常に大規模なミサイル攻撃に不意を突かれた。 ハマスはイスラエル全土の多数の目標に向けて数千発のミサイルを発射したと伝えられる。 詳細は不明だが相当数のミサイルがイスラエルの防空網を突破し、イスラエル側に甚大な損害と死傷者を出したことは明らかである。イスラエルの防衛戦略がハマスの攻撃に対して完全に効果的ではなかったのには単純な理由がある。 そのことを理解するには、まず防空システムの基本を理解する必要があろう。

1.防空システム: レーダーによる探知、対処方法の決定、敵ミサイルの迎撃

防空システムは 3 つの主要な要素で構成される。第一は飛来するミサイルを探知、識別、追跡するためのレーダーの性能である。メーカーの米レイセオン社によると、アイアン・ドームのレーダーは2.5~43.5マイル(4~70キロ)の距離で有効である。 物体がレーダーによって検出されたら、それが脅威であるかどうかを判断するために評価する必要があり、その決定には方向や速度などの情報が使用される。物体が脅威であると確認された場合、アイアン・ドームのオペレーターはレーダーで物体を追跡し続ける。 ミサイルの速度は大きく異なるが、1 秒あたり 3,280 フィート (1 km/s) と仮定すると、防衛システムが攻撃に応答するのにかかる時間は最大でも 1 分である。

 

防空システムの 2 つ目の要素は戦闘管制センターで、確認された脅威に対処する適切な方法が決定される。 間断なく更新されるレーダー情報を使用して、迎撃ミサイルをどこから発射するか、飛来するミサイルに対して何発発射するかについて最適な対応を決定する。

 

3つ目の要素は迎撃ミサイルそのものであり、熱探知センサーを備えた超音速ミサイルである。センサーは目標ミサイルの最新情報を迎撃ミサイルに提供し、脅威に向かって自動操縦される。迎撃ミサイルは、小型レーダーによって作動する近接信管(proximity fuse)を使用して、飛来するミサイルの近くで爆発するため、ミサイルを直接攻撃する必要はない。

 

(続く)

 

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