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5. エネルギー連携
(湾岸戦争で機能喪失したOAPEC!)
5-3. OAPEC(アラブ石油輸出国機構)
アラブ石油輸出機構(Organization of Arab Petroleum Exporting Countries, OAPEC)はアラブ産油国の石油産業活動の協力を主要な目的として1968年、サウジアラビア、クウェイト、リビア3か国によって設立された。その後、アルジェリア、バハレーン、エジプト、イラク、カタール、シリア、UAE及びチュニジアが加盟、現在11カ国で構成されている。本部はクウェイト。
OAPECは加盟国で共通の経済基盤を築くことを目指し、バハレーンに25万トン級タンカー修理ドックを建設したほか、石油化学合弁事業を進めた。しかし1990年の湾岸戦争でイラクがクウェイトに侵攻するに及び、内部の亀裂が表面化しOAPECは弱体化していった。
加盟国の多くは国家財政に対する石油収入の依存度が高く、原油価格の変動に左右される。しかし産油量の決定権はOPECに委ねられ、また加盟国間の利害関係が錯綜し協力分野が減少、OAPECの出番が無くなってきた。昨今ではOAPECの存在感はほとんど失われていると言えよう。
(続く)
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