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http://mylibrary.maeda1.jp/0589JewishMuslimPopulation.pdf
3.世界のムスリム人口(表1-I-2-T03参照)
全世界のムスリム人口は18億8千万人とされる。全人口は80億人強であるためムスリムの比率は23%、およそ地球上の人間の4人に一人はムスリムと言うことになる。
国別で見るとムスリムが最も多いのはインドネシアの2億2,900万人であり、これに次ぐのがパキスタン(2億人)、インド(1億9,500万人)、バングラデシュ(1億5,400万人)で、これら4か国が1億人を超えており、全世界の4割強を占めている。
各国の総人口に占める割合は、インドネシア、パキスタン及びバングラデシュ3か国は80%強であるが、これに対して総人口14億3千万人のインドのムスリム比率は14%にとどまる。同国はヒンズー教徒が圧倒的多いためである。
4カ国に続くムスリム人口世界5位はナイジェリアの9,900万人である。6位から8位には中東の大国エジプト、イラン、トルコが8千万人前後で並んでいる。イラン、トルコのムスリム比率は90%を超えている。
因みに非イスラム国の中国及びロシアにはそれぞれ2,800万人及び2千万人のムスリムが居住しており、少数民族問題として国内治安に微妙な影を投げかけている。また欧米諸国のムスリムの数はフランス572万人、ドイツ475万人、英国413万人、米国345万人であり、全人口に占める割合は0.3%未満にすぎないが、ムスリム移民の増加、或いは過激なテロ活動に神経を尖らせている。
4.イスラエルのユダヤとムスリム人口とその比率(表1-I-2-T10参照)
イスラエルの総人口は917万人であり、内訳はユダヤ人634万人、ムスリム152万人、その他131万人で、全人口に占める比率はユダヤ人69%、ムスリム17%、その他14%である。7割のユダヤ人が2割のムスリムを支配する構図である。
しかし上記数値にはガザとヨルダン川西岸のパレスチナ自治区が含まれていないことに注意が必要である。因みに自治区の人口は537万人であり、ムスリムが430万人、ユダヤ人はその10分の1の43万人とムスリムが圧倒的に多い。
イスラエル政府はイスラエルとパレスチナの2国家共存を認めておらず、ヨルダン川西岸地区及びガザ地区もイスラエルと一体化した国家と見なしている。この論理に従うとすれば、イスラエルの人口は1,454万人であり、ユダヤ人は677万人、ムスリムは582万人となる。両者の比率は47%、ムスリム40%となり、ユダヤ人は人口の過半数を割り、ムスリムとの比率も極めて接近することになる。
イスラエル政府がムスリム過激派のハマスを壊滅させたとしても40%のムスリムは国内に残り続けることになる。今回のガザ騒動でガザ地区のムスリム百万人すべてを国境の南のエジプトに追いやる案がリークされている。さすがに実現は難しいであろうが、イスラエルが今後取りうる政策は、国内のムスリムを徹底的に弾圧するアパルトヘイト(人種隔離)政策しか残されていないように思われる。
以上
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