スーパーメジャーと呼ばれる五大国際石油企業(ExxonMobil、Shell、bp、TotalEnergies及びChevron)の7-9月期決算が相次いで発表された。ここでは売上高、利益、売上高利益率、設備投資、キャッシュフロー及び石油・天然ガス生産量について各社の業績を横並びで比較するとともに過去2年間の各社四半期決算の推移を検証する。
なお過去の四半期業績及び2010年から2022年までの通年の業績比較は下記レポートを参照されたい。
http://mylibrary.maeda1.jp/SuperMajors.html
I. 各社の業績概要
表1-D-4-22a「2023年7-9月期国際石油企業の業績(売上、損益)」参照。
表1-D-4-22b「2023年7-9月期国際石油企業の業績(キャッシュフロー、設備投資)」参照。
表1-D-4-22c「2023年7-9月期国際石油企業の業績(原油・天然ガス生産量)」参照。
(利益は前年同期比5割減の91億ドル、群を抜く生産量!)
- ExxonMobil
プレスリリース:
https://corporate.exxonmobil.com/news/news-releases/2023/1027_exxonmobil-announces-third-quarter-2023-results
(1)売上・利益・利益率
ExxonMobilの2023年7-9月期は売上高908億ドル、利益91億ドルで売上高利益率は10.0%であった。前期(2023年4-6月期)との比較では、売上高は9.5%増、利益は15.1%増であった。しかし前年同期(2022年7-9月期)比では売上は▲19.0%、利益は▲53.9%といずれも大幅に減少している。
売上高及び利益の前期比増加或いは前年同期比減少の主たる要因は石油価格の変動である。因みに今年7-9月のBrent 原油平均価格は1バレル87ドルであり、前期(4-6月)の78ドルから11%上昇しており、一方前年同期(101ドル)比では▲14%の下落であり、これはExxonMobilの売上、利益の増減幅と近似している。
(2)キャッシュフロー及び設備投資
今期の営業キャッシュフローは160億ドル、投資キャッシュフローは▲43億ドルであり、フリーキャッシュフローは117億ドルであった。また財務キャッシュフローは31億ドルであり、この結果、9月末のキャッシュフロー残高は330億ドルとなっている。
ExxonMobilの4-6月期設備投資は60億ドルであった。
(3)原油・天然ガス生産量
ExxonMobilの7-9月期原油・天然ガスの生産量は、日量平均で原油240万B/D、天然ガス77億立法フィート(cfd)であった。天然ガスを原油に換算した原油・天然ガス合計生産量は369万B/Dである。
(続く)
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