主人公の男は、不快な男だった。
昨年は行けなかった帯広演研の公演。
これを観たガーデナーから、ぜひ観た方が良いと紹介された映画です。
志賀廣太郎さん
突然の訃報に驚きました。
色んなドラマの名脇役として活躍し、お茶の間にも知られた俳優さんでした。
平田オリザ率いる青年団の「S高原から」幕別公演を観たのは、2004年の事です。
すでにテレビなどで活躍していた志賀さんも、この舞台に出ていました。
S高原から。
青年団の中でも、特に好きな芝居でした。
サナトリウムを舞台に、療養している人や、そこにお見舞いに来る人、恋人との別れや、家族の励まし等、身近なところに「死」があって、生きる喜びや絶望感などを静かに感じさせる内容でした。
その公演を観た後、青年団との打ち上げに参加し、志賀さんともお話が出来たのでした。
物静かな佇まいですが、あの低音が素敵でした。
記念写真も撮って貰いました。小さく載せてみます。
昨年、脳梗塞で倒れたニュースを知り、心配していました。
決まっていたドラマも降りていました。
そして、このコロナに感染した志村けんさんや、岡江久美子さん等、多くの人が亡くなるニュースが溢れる中の悲報でした。
切ない。寂しい。本当に。
昨夜、「三匹のおっさん」が放送されました。
テレビの中で、ノリさんは存在感がありました。
コメディタッチの時代劇のようなドラマ、大好きでした。
コロナでこんな時、お別れの会等もできない状況ですよね。
美瑛の空から、ご冥福をお祈り致します。
たくさんの名ドラマは、いつまでも残っています。
ありがとうございました。
22日日曜日、突然映画を観たくなって、札幌に観に行きました。
全共闘世代とは一回りも下の世代だけれど、若い頃所属した劇団で学生運動をモチーフにした演劇に携わったり演じたりした経験があったので、とても興味がありました。
三島由紀夫の割腹自殺と言うセンセーショナルなニュースが流れてきたのは、小学生の頃。
この時代に刀で自決なんて、時代錯誤も甚だしい極右翼だと刷り込まれました。
左派と右派の討論会は東大駒場キャンパス。
東大生1000人が集まります。
最初、双方とも緊張感がある面持ちだったが、1000人の学生達が、三島の言葉を聞き逃すまいと静かに聞き入っています。
えっ!と思う。
ヤジや怒号が飛び、相手の言葉を消す様な荒れた討論会になると想像していた私。
三島は丁寧に、時にユーモアを持って論じます。
学生達の反論も、最後まで聞き、それに対して真摯に向き合って自分の意見を言います。
時に空間の話や、国籍の話に逸れていったり。
そして最後には全共闘との共通点も見出します。
思想的なことは抜きにして、三島由紀夫ってとても魅力的な人だと感じました。
人間同士、意見が合わない人と向き合って討論することって、今は無いよね。
ネットで、一方的に攻撃するよね。正義を振りかざし。
向き合って対等に議論する事って、相手を理解する上で必要な事だと思います。
全共闘は、世代が違い、その渦の中にいたわけでは無いので、本当の事は分かりませんが、
三島由紀夫と東大生の熱量に、圧倒された2時間でした。
ちなみに、この映画のナビゲーターを、東出昌大が務めました。
映画の記者会見後、彼は下衆な質問を浴び、ワイドショーの格好の餌食になった様です。
インタビュアーは誰1人、この映画に触れる事は無い……違和感というか、呆れると言うか……
映画を作った人に失礼と言うか……興味無いんだな。
コロナの影響で、席はガラガラだと思っていました。
隣の席は1つ空けてあったけれど、全体的には埋まるくらい入っていました。
思い立って札幌まで観に行って良かったです。
行きのJRはガラガラでした。
映画が終わってから、ガーデナーと一緒にスイーツを食べに行きました。
帯広演研vol78「ご臨終」を観てきました。
久しぶりに芝居を観て大号泣でした。
おばの危篤を知らされ、銀行を辞めて駆けつける男。
でも、おばはなかなか亡くならない。
仕掛けをしたり、毒を盛ったり?ブラックな事を試してみるものの失敗。
そして1年の時が流れようとしている。
或る日、外を見ていた男が、衝撃の事実を知る……
私は、前列の1番左側で舞台を観ていました。
おば役の野口の表情がよく見えます。
台詞無く、ずーっと聞き続ける役って、大変だろうって思ったけれど、野口の表情は素敵でした。
男が来てから、粉を叩き、口紅も塗って男に気持ち悪がれるけれど、コートを着て帽子を被り、お揃い色のバッグを持った時は、「腰は曲がっているけれど、このまま街に出掛けても良い感じのオシャレさん!」と思わず応援したくなりました。
現実では、高齢の親を持つ身。
物忘れや失敗、色んなことでヒヤヒヤしたり困ったりするけれど、愛しくて大切な存在なんだよね。
ブラックユーモア満載であり、(翻訳劇とということもあり)日本人の感性とはちょっと違う思考も感じられて、面白かったです。そして「死にゆく人」との対話なのに、重さや暗さが無い。
暗転が多く、BGMが流れ、ちょっとオシャレな雰囲気の舞台でした。
台詞が極端に少ない女、最初から最後まで喋り続ける男。
アンバランスなやり取りを成立させて、最後には驚きの展開が!
劇団員は同世代で、長く劇団を支えて来ました。
彼、彼女たちも高齢な両親と向き合い、悲しい思いや、大変な思いをしています。
演技しながら大切な人を思う事もあったでしょう。
コミカルで、ちょっと笑って泣きました。
素敵なお芝居をありがとう。
切なくて、愛しくて、心が温かくなる舞台でした。
6/29の夜公演を観て来ました。
この戯曲、私が演研に入ってすぐ位の20代に読みました。
アンデルセンの「マッチ売りの少女」の貧困で悲しい童話を知っていたので、この脚本を読んだ時はショックが大きかった思い出があります。
子供を亡くした老夫婦の元に突然現れた女。
街でマッチを売っている(ダジャレではありません)
この老父婦にマッチを売りに来たと思ったら、実は「貴方達の娘」だと言う。
やり取りの中で、本当の娘なのか、女の思い込みなのか、混沌として行く。
実はマッチが灯った時間だけスカートの中を見せる売春婦だった。
アンデルセンが描いた時代の貧困。
今の時代には想像出来ないけれど、戦後の日本にもそんな商売をしていた人が本当に居たと言う
(これは、お芝居とは別に知った事ですが)
バブルを超えて、今もまた貧困の、と言うか、貧富の差が激しい時代だと思う。
50年も前に書かれた戯曲だけれど、今の時代にも通ずる様な気がする。
初めてナレーションの入る舞台を観ました(演研の)。
目で入る情報と耳で聞こえる情報の違いに、ちょっと戸惑う事も…
そして、BGMのチェロの曲は素敵だったけれど、
実は違和感もありました。
ラフマニノフのヴォカリーズが流れたので、すごく寂しいロシアの風景が浮かび、火の用心カチカチで、ここは日本なんだ、と思った訳です。
ヴォカリーズは有名な曲で、いろんな楽器の練習曲にもなっていて、私もフルートで吹いた事があります。
知っている曲が流れると、意識がそちらに行ってしまって、違う感情が沸き上がり混乱しました。
それは私の勝手な思い込みでもありますが。
(日本の曲の方が良かったかな?)
☆
「売春婦」という過去の屈辱を持ち続け、貧困の中で天に召される女とその弟。
どこにも救いを見出せない、切ない最期でした。
久しぶりに劇的な別役実の世界を堪能しました。
清水邦夫の作品も、観てみたいです(楽屋は見てるけど、それ以外にもね)
勝手な願望ですが。
別役実の戯曲は、同じ台詞を繰り返したり、似た言葉があったり、否定したり肯定したり、前後が分からなくなると言います。
(私は「トイレはこちら」でトイレの場所を聞く人しか、別役作品には出ていないけれど)
役者さんは、台詞覚えが大変だったと思います。
久しぶりに、感情が揺さぶられました。
アンケートは記入したけれど、観た直後って上手く言葉にならないものです。
2日経ってジワーッと沁みる、良い作品でした。
いや、有るんだけど、自分のことでは無いので書けない(^^;;
プールの仕事にも大分慣れて、美瑛の冬に仕事ができる有り難さを噛み締めています。
でもね〜〜、毎年この時期作っているエプロンやリースなど、まるっきりできないです。
無理してやれば出来るんだけれど、そうなると忙し過ぎて身体が持たないから、しない…
昨夜、毎年開催している踊りと音楽の会の打ち合わせが、ビエールありました。
今年も3月に開催予定です。
で、帰り際、「こんな夜更けにバナナかよ」の映画の話になって、最後の方で出てくるペンションが、いつも一緒にこの会を主催している 「とぅもろう」さんと知って、びっくり!
映画観ながら、どこなのかなぁと思っていたけれど、まさかまさかこんなに近くの場所だったなんて…
映画のモデルになった鹿野さんが、実際に泊まられたんですって!
なので、どこからか紹介があった訳ではなくて、映画会社松竹から直接電話があったらしいです。
3月に、開催する「音楽と踊りの会」は、今回踊りは無くて音楽だけで開催予定。
原点に戻って、自分たちが楽しめる会にしよう、ということになりました。
場所はとぅもろうさん。
しっかり練習しようと思っています。
なかなか青空が出ない美瑛です。
実は原作を購入していました。
北海道新聞の広告欄に出ていたので、買って途中まで読んでいましたが、長くて挫折。
本棚に無いということは、多分ブックオフに行ったと思われます(^^;;
こんなに年数が経ってから映画になるとは思ってもみませんでした。
大泉洋、もうはまり役。
演技していると思えないくらい。
そして、高畑充希の演技力も素晴らしい。
なんか、身の回りにいる若い子みたいに、本当に自然体に見える。
三浦春馬も良いね。
イケメンなんだけど、苦悩する医大生を好演。
北海道を舞台に、北大構内や美瑛の景色もふんだんに取り入れてありました。
障がいを持っても自立する、強い意志を持ってボランティアに助けを借りる。
家族に負担を掛けないで生きるために、どうすれば良いか。
色々と難しい問題もあると思うけれど、自立した生き方を目指し前向きに障がいと向き合った青年とそのボランティアの物語。
良い映画でした。
主役は大泉洋しか考えられない、と思える映画でした。