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映画をハシゴした。
この映画は、実在したタイの民俗楽器「ラナート」奏者の話である。
ラナート奏者の息子として育ったソーンが若き日、いろんな奏者と演奏技術を競い、歴史の変遷を乗り越えて現代に伝えていく物語。
「ラナート」というのは写真右にある、いわゆる木琴のような楽器である。単純な作りであるが、この音色はタイの風のようである。
タイの美しい映像とともにラナートの響きが素晴らしい。
そして、この若きソーンを演じた俳優は一昨年に亡くなった「レスリーチャン」そっくりなのである。
軍事政権メンバーは、西洋化を急ぐあまり、この民俗楽器を封印しようとした。それに対するソーン師のことばは「大きな木になるには、広く張った根の部分が大切なのだよ」だった。
心の中に爽やかな風が吹いた映画だった。