☆★今日のショット★☆

綺麗なお花や美味しいたべものなどあれこれあれこれ載せて行きたいと思います。

飛龍伝みたび夢

2007-04-23 20:34:42 | 演劇

いつも通り出勤する。昨日までの事が何も無かったかのように見慣れた風景が過ぎてゆく。
あれは夢だったのか?少しずつ蘇る舞台。
久しぶりに若い汗が飛び散る舞台だった。
1985年この劇団に入団した。最初の公演がまさに「飛龍伝」だった。
今回で三度目の「飛龍伝」。二回目までは2001年に亡くなったS間さんが、機動隊員「山崎」を演じた。
彼の山崎が私の心の中に染み付いている。見る前は「きっと、昔のことを思い出すに違いない」そう信じて疑わなかった。ところが、若いK山がスポットライトに浮かび上がったとき、K山の「山崎」に引き込まれていったのだった。

劇団を離れ札幌に来て15年の年月が経った。
わたしはどうしてこんなにも足しげく帯広に通っているのだろう。
札幌から帯広まで約200km。片道3時間半の長旅である。
なぜここまで途切れることなく通えるのだろう。

そして気づいた。
わたしはこの劇団の最大のファンなのだ。
今まで劇団を通しての友人と思っていた人達。
じつは私があなたたちの一番のファンなのだと実感した。
札幌からたどり着いたときいつもと変わらず迎え入れてくれる暖かさ。
そして暗幕が張られ劇場になった大通茶館に一歩踏み入れると本番前の緊張感と期待感とが交じり合った独特な空気に触れることが出来る。
この空気、空間がやっぱり好きなのである。

今回、この舞台を見て、若いK山、kねちゃんのファンになった。
さらにこの舞台の3回とも「熊田留吉」を演じたベテラン(と呼んでもいいよね)は、たくさんの引き出しを持っていて、いろんなものを投げかけてくれ、ますますファンになった。

そんなことを思いながら運転していると、知らぬうちに涙がこぼれてくる。
山崎の放った直球ボールを、熊田が放った変化球を受け止めたミットは身体で支えきれず、そのままバックネットまで体ごと飛ばされたようだ。
静かにじわじわと効いてくる痛み。
その痛みを感じながら再び日常の中に戻っていくのである。

コメント
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