「憲法9条を世界遺産に」が記憶に残っていたのがテレビを見ていたからか、「富士山を世界遺産に」に重なる単なる語呂的に認識したのか、よくわからないのですが、本屋さんでこの本を見つけた時、即購入しました。 お笑い芸人・爆笑問題の太田光さんがテレビ番組で言い出したこのフレーズに、中沢新一さんが反応し「日本人が直面している深刻な問題を取り上げて、それにラジカルな論評をを加えている姿」に「援軍を決意した」結果がこの本です。 日本国憲法を、アメリカに押しつけたれたとする憲法観に対して、この憲法はアメリカと日本の共同で作り上げられたもので、突然変異、世界の珍品、世界の奇蹟としかいいようのないとして、世界遺産の背景を太田光さんが語ります。 この太田光さんの発題に、中沢新一さんが学術的・歴史的・政治的意味としての「1万年規模の歴史性をを持った環太平洋の平和思想」として、つまり、アメリカの先住民の平和と戦争思想の継承としてアジア・日本での9条の発生を語ります。 オーム真理教、ホリエモン=村上ファンドなど様々な諸事件をどう受け止めるべきかと、太田・芸人ー中沢・学者対談の形で単純な正義と悪と言う二元論的昨今の世論状況を、タブーなき言説で鋭く切っていきます。刺激があって面白いです。 因みに、本の構成を紹介します。第1章 宮澤賢治と日本国憲法、第2章ー奇蹟の日本国憲法、第3章ー戦争を発動させない為の文化、第4章ー憲法9条を世界遺産に。是非、読んで見てください。