ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

「安倍政権よ、ふざけるな!」現場の自衛隊員の声

2015年02月18日 | 日本とわたし
安倍首相、米軍先制攻撃の事態でも武力行使否定せず
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2422647.html

自衛隊の活動範囲をどこまで広げるのか、これが今の国会での最大の焦点の1つです。
安倍総理は17日、アメリカ軍などが先制攻撃を行ったことがきっかけとなって生じた事態でも、
日本が集団的自衛権を発動して武力を行使する可能性があるのかと質問されたのに対し、否定しませんでした。

先制攻撃は国際法違反の侵略行為です。
米国が違法な先制攻撃を行った場合でも、『新3要件』を満たしていると判断すれば、集団的自衛権を発動するというのですか。
そうであるならば、集団的自衛でなく、集団的侵略そのものではありませんか」(共産党・志位和夫委員長)

いかなる場合に『新3要件』を満たすことになるかは、個別具体的な状況に照らして総合的、客観的に判断されることとなります。
政府としては、閣議決定で示された基本方針のもと、切れ目のない安全保障法制の整備を進める」(安倍首相)


安倍総理の答弁は、集団的自衛権を発動するかどうかは、去年閣議決定した武力行使の新3要件を満たすかどうかで判断する、という原則論を述べたものですが、
野党側からは批判が起きそうです。

政府・与党が進める安全保障法制の整備について、共産党の志位委員長は、
「アメリカ軍と自衛隊が肩を並べて戦争をするための法整備ではないか」と追及しましたが、
安倍総理は、
「全く根拠のないものだ」と否定しました。(TBSニュース・17日17:51)



この男の口からは、どうにでもとれる、あるいは意味不明な言葉がポンポン飛び出してくる。
それも、原稿にフリガナ付きで書かれたものを読んでいるだけの、最初っから用意された文章なのです。
個別具体的な状況ってなに?
総合的、客観的に判断されるってどういうこと?
そんな答を聞いて、ああそうですかと引き下がる国会って、いったいなに?
会議ではないの?
ただの質問ゴッコなんですか?


今朝、こんな記事の写真を見つけました。
日刊ゲンダイからのものだと思います。


自衛隊機関紙が、安保法制について、安倍首相に反論している、という内容のものです。
やる気マンマンは本人だけと、パレードで胸を張って立っている安倍氏の写真の下に書かれています。

内容を書き起こしします。

今国会で大きな焦点となっている安全保障法制をめぐる審議。
安倍首相は昨日(17日)の参院本会議の代表質問で、
「法制度の不備により、邦人の命を守れないことはあってはならない」と強調し、
邦人救出や多国籍軍の後方支援などに、自衛隊を派遣する恒久法の制定に、強い意欲を示した。
安倍本人は、『戦争する国』づくりに向けた法整備に、どんどん前のめりになっているが、
そんな安倍政権に対し、“身内”が批判の声を上げた。

1952年に、警察予備隊(現在の自衛隊)の機関紙として創刊され、自衛隊手帳や自衛隊装備年鑑なども出版している、安保・防衛問題の専門誌『朝雲新聞社』(東京)である。


「国民に誤解与える」

同紙は、12日付のコラムで、
米軍が昨年、イスラム国に拘束されたジャーナリストを救出するために、特殊部隊を送り込んだものの失敗したーーと指摘した上で、
今の国会審議について、
<陸上自衛隊の能力を強化し、現行法を改正すれば、人質救出作戦は可能であるかのような内容だ。
国民に誤解を与える>

と、苦言を呈したのだ。

さらに、安倍が法整備を目指す「自衛隊による在外邦人の救出」に対しても、
<これまで国会で審議してきた『邦人救出』は、海外で発生した災害や紛争の際に、現地政府の合意を得たうえで、
在外邦人を自衛隊が駆けつけて避難させる、という内容だ。
今回のような人質事件での救出とは、全く異なる>

と、バッサリ斬り捨てている。


『人質救出に現実味なし』

自衛隊関係の購読者が多く、安倍の『応援団』と思われていた軍事専門誌が、政府の安保・防衛姿勢に〝ダメ出し〟した意味は大きい。
軍事ジャーナリストの神浦元彰氏もこう言う。
『朝雲』は、現場の自衛隊員の声を代弁しているのです。
安倍政権よ、ふざけるなと。
例えば、安倍首相は、邦人救出を声高に叫んでいますが、
自衛隊員は、テロ組織が支配している場所での救出訓練など行っていないし、そんな武器も与えられていない。
自衛隊員はあくまで、他国の侵略から日本を守るために存在するのであり、在外邦人の救出活動は、行動概念にありません。
しかも、米軍特殊部隊が失敗する場所で、自衛隊が救出活動できるのか
あっという間に、イスラム国に捕まりますよ」

小泉政権下の04年、イラク復興支援に派遣された陸自部隊が、不測の事態に備えて独自の行動マニュアルを作っていたことを、
昨日(17日)の朝日新聞が報じていた。
政権側の都合で、「自衛隊の活動は非戦闘地域」とされたため、現場がやむを得ず『私文書』として手引書を作っていたのだが、
復興支援でさえこの状況だ。
テロ地域での邦人救出なんて事態になれば、現場に派遣された自衛隊が大混乱するのは避けられない

イラク派遣から帰国した自衛隊員の中には、帰国後、戦場ストレスで自殺した人もいる
仮に、対イスラム国となれば、そのストレスは相当でしょう。
安倍首相は、そういう事実を理解した上で、自衛隊派遣の恒久法制定などと言っているのでしょうか。
軍事を全く理解していません
よ」(神浦元彰氏)

防衛省・自衛隊の現場が、安倍政権に怒りの声を上げるのは、時間の問題だ。


コメント (14)
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米国『オレオレ詐欺』事情

2015年02月18日 | 米国○○事情


いろんなものが雪に埋もれている。
ハドソン河も凍っている。
今日の気温はマイナス4℃。
ここまで上がると、なんだか暖かだな…などと思えてしまう。



そんな、ごっつう寒い日が続いている今朝、次男くんに突如、税務局の職員だという女性から電話がかかってきた。
寝起きで、歯医者からか?などと寝ぼけて電話を受けた彼は、最初意味がわからず、ただただ向こうの言うことを聞いていると、
いきなりその女性が、『Miranda Rights』(よく容疑者を逮捕する時に、警官が言うアレ)を言い出した。

”You have the right to remain silent. Anything you say or do can and will be used against you in a court of law. You have the right to an attorney. If you cannot afford an attorney, one will be appointed to you. Do you understand these rights as they have been read to you?
「あなたには黙秘権がある。そして弁護士も雇える。雇う金がなければ国選弁護士がつく。説明されたこの権利の意味がわかってるか?」

いやいや、そりゃもう驚くだろう。

そして十分に脅した後、
・この電話は警察と税務局にモニターされ、レポートされています。
・あなたは税金申告の際に不正をしました。
・そのことで警告の手紙を送りましたが、あなたはそれを無視しました。
・よって、あと45分で警察が来て、あなたは逮捕されます。
・罪名は『税金申告の不正』です。
・もしそれがいやなら、今から銀行に行き、ガバメントヴァウチャーという特殊な支払い方法を取得し、4690ドル払い込んでください。

大混乱に陥りながらも、電話の会話を続けながらグーグルで検索をすると、かかってきた電話番号はスカム(嘘)のものだとわかり、それを言うと、
ああだこうだと誤魔化し、さらにいろいろと怖がらせるようなことを言い続ける女性。
「では、その作業を警察でやる」と次男くんが言うと、いきなり今度は、税務局の弁護士だと名乗る男性が電話に出てきた。
その男性の英語は訛りがひどく聞きづらい上に、どれもこれも訳がわからないことばかりで、ついに次男くんが、
「では、裁判所に行って自分で説明します」と言うと、
「そんなことをしなくても、45分以内に支払えば、犯罪歴に残らない」と言ったのだそうだ、弁護士が…。

その間1時間、もう遠の昔に45分が過ぎてしまっているではないか。
夫は、延々と話し続ける次男くんに、『それは詐欺だ』『クレジットカードの情報を与えてはならない』などと紙に書いてみせたり、ネットで検索した、同じ手口で騙された人たちの証言を見せたりしたが、
どういうわけか次男くんは、その電話を切ろうとしない。
万が一ほんとだったら…そういう恐怖がまとわりついていたのだろう。

思い余って、夫は次男くんから電話をふんだくり、その女性に向かってはっきりと言った。
「あんた、詐欺でしょ?」


次男くんは、相手から、このことは誰にも言わずにやらなければならない。電話を切ってはならない。
銀行に行く間も、行ってからも、電話を切ってはならないと言われ、いよいよ怪しいと思ってはいたのに、それでも切ることができなかった。
騙される時というのはそういうものだ。
一旦夫が切ったのに、またかかってきた。
一階では、夫とわたしから、散々「スカムだ詐欺だ」と警告され、それを向こうも受話器の向こうで聞いているだろうに、完全無視、平気なのである。


そしてそのまままた、次男くんは3階に上がり、会話を続けていた。
このまま騙されるのか?
今朝はたまたま夫が家に居て、しかもよくこういう事が起こった時に、失敗から学べば良いと本人に任せてしまうことが多いのに、今回は中に割り入ってくれた。
だから未然に防げると思ったのに…と、モヤモヤしながら3階の様子を見に行くと、

「警察から電話がかかってきた。今、3者会話してる。911の表示が出たから本物や!」

埒があかない会話にしびれを切らしたのか、今から警察に報告すると言って、その後ガタンと机などが動いた音がして、パトカーのサイレンが聞こえ、
その後、次男くんの携帯に、本当なら有り得ないのだが、911の番号から電話がかかってきた。
その地元の警察官を名乗る男は、「たった今税務局から連絡を受けました。今から捕まえに行きます」と言ったと言う。
「ではこれ以上電話で話していても意味がないので電話を切る」と次男くんが言うと、そこでまた、「ラストチャンスをあげる」と言い出したそうだ。

いやはや、もうこれはギャグとしか言いようがないではないか。
どこの警察が、税務局からのレポートで、いきなり一般の人間を逮捕しに来るというのか。
しかも、911の番号で…。
夫もわたしも呆れ果て、焦りまくっている次男くんを無理やり、地元の警察に連れて行くことにした。


警察署では、次男くんはいろいろと説教されたらしい。
あなたで多分100件目ぐらいだ。
同じような被害報告が、毎日10~15件届いている。
手口はほぼ同じで、金額や逮捕までの猶予時間は、人によって少し異なる。
騙しに関わっている人間たちの英語は、ほぼ100%インド人訛りで、多分国内ではなく、どこか違う場所から詐欺を働いている。
だから、なかなか摘発できないでいる。


電話を使ってのオレオレ詐欺。
話には聞いていたが、それを目の当たりにして、本当に驚いている。
次男くんは、猛烈に働く有能サラリーマンだったが、2週間ほど前に働いている会社が閉鎖され、失業した。
閉鎖の報告はたったの2週間前。
だから今は、就職活動の真っ最中なのである。
そんな時に、税金申告の不正(もちろん会社勤めだった彼には不可能なことだったが)をしたので逮捕する、などと言われたら、
就活の妨げになると大いにビビるのは当然で、まあ、就活中でなくても、逮捕するなんて言われたら誰でもビビる。

彼が失業中で、けれども銀行の口座にはある程度まとまった金が入っているということを、向こうはちゃんと承知の上なんだろう。
彼は超バイリンガルで、けっこう慎重に物事をやったり考えたりするタチで、だから大丈夫だろうと思っていたけれど、
その彼が、彼自身もすごく怪しみながら、それでもズルズルと蟻地獄の穴の中に引きずり込まれていく様を目の当たりにして、
人が騙されていくというのはこういうことなのだと、今さらながらに唖然とした。

次男くんは警察から戻ってからずっと自室にこもり、同じような被害に遭った人たちの証言を、ユーチューブで聞いている。
彼が家に戻って来た時、
「どうしてあんたは、わたしたちの警告をちゃんと聞こうとしなかったの?」と、強い口調で責めてしまった。
すぐに、台所にいる夫から呼び止められて、
「そんな、傷口に塩を塗りつけるようなことを言う必要などない」と注意された。

いろんな学びがあった朝だった。

あ、でも、このケースの場合、インド人訛りの英語が使われているという事実は事実としてあるけれども、
だからといって、インド人の人たちは詐欺を働くことが多いなどと言っているのではないし、地元の警察だって思ってないので、誤解しないでくださいね。


雪の下では、いろんな命が春を待っている。




なんだか夏?みたいなふうに見えたりもして。


あの足跡は誰のんだろう?などと思っていたら、


屋根にもあった!
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