まずは郷原信郎氏が書かれた記事です。
激しく同意しますので、ここに紹介させていただきます。
「防衛大臣の職責」を自覚しない稲田氏 即刻解任を
【BLOGOS】2017年7月7日
http://blogos.com/article/233229/
稲田朋美防衛大臣が、九州北部での記録的な豪雨で、自衛隊が災害対応に当たっていた7月6日、
昼の1時間余り防衛省を不在にして、民間人との防衛政策の勉強会に出席し、
その間、40分間は、副大臣、政務官の「政務三役」が不在であったことが、批判にさらされている。
石破元防衛大臣は、
防衛の仕事は、5分、10分の遅れが、思わぬ結果を引き起こすことがあり、近くにいたから問題ない、ということではない。
防衛省としてあるまじきことであり、原因を解明し、そういうことが二度とないようにすべきだ。
と述べたとのことだが、全くその通りだと思う。
防衛大臣は、他国の侵略的な行為への対応や防衛出動に関して、重要な職責を担うものだが、
ある意味では、それ以上に重要なのは、重大な災害で、国民の生命が危険にさらされているときに、
防衛省のトップとして、自衛隊組織の人的・物的資源を、どこにどのように配置するのかを、刻々と変化する状況の中で、適切に判断することであろう。
しかも、災害への対応は、防衛省だけで行うものではない。
全国の消防組織を統括する、総務省消防庁、被災地の自治体などとの連携、それらを統括する首相官邸と、
常時、緊密な連絡をとり、必要な調整を行うことが、防衛大臣に求められる、極めて重要な職務である。
稲田氏が、防衛省を不在にした昨日正午頃は、九州北部を襲った豪雨で、数十万人に避難指示が出て、
しかも、各地に孤立した地域があり、一刻も早い救助を待ち望んでいる人たちが大勢いた。
そのような状況で、民間人との「勉強会」に出席していたというのは、重大かつ深刻な豪雨災害の被災者や、その安否を気遣う家族の心情を思うと、絶対に許せないものである。
稲田氏が出席した「勉強会」というのも、支援者ら中心のイベントであろう。
被災者の救援より、そういう「勉強会」を優先する稲田氏の姿勢は、一般の国民より支援者・お友達との関係を優先する、森友学園・加計学園問題等での、安倍首相の姿勢と共通するものである。
都議選の応援演説で、
防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてお願いしたい。
などと、防衛大臣にあるまじき発言をし、直後に発言を撤回した際には、
緊張感を持って職務に臨む。
などと述べていたが、その言葉は一体何だったのか。
稲田氏は、
複数の政務三役が近くに所在し、速やかに戻ることができる態勢をとっており、対応に問題があったとは考えていない。
と述べているとのことであり、菅義偉官房長官も、会見で、
問題はないと思っている。
大臣も含めてすぐ近くに所在し、秘書官から随時連絡を受けて、速やかに省内に戻る態勢だった。
と述べたとのことだが、
平時において、「不測の事態」の発生に備えるというのとは全く異なり、既に重大な災害で、多くの人の命が危険にさらされているのである。
何かあったら連絡を受けて、防衛省に戻れば良いという話ではない。
国土の防衛のために配備されている、陸海空の自衛隊を、防衛面での影響を最小限にしつつ、最大限、効果的に、九州での豪雨災害の救援対応をするために、
防衛大臣として、他の機関との連携をとりつつ、全力で対応に当たらなければならないのは当然である。
「連絡を受けて防衛省に戻ればよい」などというのは、稲田氏も、菅氏も、今回の豪雨災害を、不当に軽視しているとしか思えない。
「国民の命を守る」という、防衛大臣の最大の職責を、全く自覚しているとは思えない稲田大臣は、即刻解任すべきである。
これ以上、このような人物を、防衛大臣の職にとどまらせることは、国民として到底納得できることではない。
******* ******* ******* *******
その稲田氏が、どんなにヘマをしようとも、まったくお構いなしを通しているのは、他の誰でもない安倍首相です。
同じ穴のムジナ、もしかしたらさらに程度の低い者だからこそ、何が問題なのかもわからないのでしょうか?
安倍首相が、「こんな人達=選挙妨害の左翼活動家」と攻撃するFBに、「いいね!」を押していた!
【LITERA】2017年7月6日
http://lite-ra.com/i/2017/07/post-3295-entry.html
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」──安倍首相が、都議選の応援演説で言い放った言葉が、いまなお波紋を広げている。
なにせ、一国の総理大臣が、国民に対して暴言を吐いたのだから、当然だろう。
だが、安倍首相には、謝罪する意思がないどころか、完全に「敵」だと考えているらしい。
というのも、反対の声をあげた国民を、「選挙妨害の左翼活動家」とバッシングするフェイスブック投稿に、またも「いいね!」と評価していたからだ。
安倍首相が「いいね!」したのは、自民党の永田壮一・千代田区議が、7月3日に、Facebookへ投稿した文章。
千代田区といえば、安倍首相が、件の演説を行った秋葉原を擁する選挙区で、永田区議も当日演説に駆けつけていたようだが、その永田区議の投稿では、こんなことが書かれている。
安倍総裁の「こんな人達に負ける訳にはいきません」という演説を受け、
報道では、
こんな人達=都民ファースト支持者
真実は、
こんな人達=選挙妨害の左翼活動家
都議選で、自民党が歴史的大敗したのは、さまざまな大臣たちの失言だけではなく、
森友・加計学園問題において、説明責任をまったく果たさない、人を食う安倍首相の傲慢さに、下された審判であることは間違いない。
いや、特定秘密保護法や安保法制、共謀罪など、安倍首相の独裁的で憲法を軽視する政治に対して、反対の声をあげてきた国民は数多い。
だが、安倍首相は、そうした“怒り”をもつ国民を、すべて〈選挙妨害の左翼活動家〉だと、決め付けにかかっているのだ。
安倍首相は今年5月にも、加計学園問題を追及する朝日新聞を「言論テロ」とする投稿に、「いいね!」していたことが問題になったばかり。
口には出せない鬱憤を「いいね!」で晴らすとは、まったく総理としての知性を疑わざるを得ないが、それは他の議員も同様。
事実、安倍首相を反対するコールを行った国民を、〈反社会的共謀組織〉〈政治テロリスト〉〈テロ等準備罪で逮捕すべし!〉と書かれた投稿に、
自民党の工藤彰三衆院議員が、「いいね!」を押していたことが問題となっている。
しかも、安倍首相の「こんな人たち」発言を、安倍首相同様、官邸も、反省するどころか、
〈左翼活動家〉〈政治テロリスト〉などと、同じようにイメージを植え付けることで、さらに“味方と敵”に分断しようと躍起になっている。
それを象徴するのが、菅義偉官房長官の発言だ。
記者会見で、菅官房長官は、「(発言は)まったく問題ない」「きわめて常識的な発言」と断言。
「なぜ問題ないのか」と、東京新聞の望月衣塑子記者が食い下がると、「問題ないから」と、いつものように国民を馬鹿にしたような回答しか返さなかった。
これは無論、安倍応援団たちも、同じ態度だ。
本日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)では、コメンテーターの高木美保が、安倍首相の「こんな人たち」発言を、
「民主主義や多様性を軽んじていたのでは。悲しいものを見てしまった」と批判。
すると、“官邸のスポークスマン”こと田崎史郎・時事通信社特別解説委員は、なんと、こうやって反論しはじめたのだ。
「そこで反対してた『安倍さん辞めろ』と言っていた人たちには、多様性があったんですか?」
「多様性は、安倍総理ももたなきゃいけない。
でも、批判する側も、安倍さんの意見もある程度受け入れる、発信を認めるかたちにしていかないと、民主主義は成り立たない」
田崎の弁は、最高権力者たる安倍首相と、一般国民の圧倒的な力の差を、まったく無視したうえ、あきらかに、反対者は組織に動員された者たちと言わんばかりだが、
7月4日放送の『バイキング』(フジテレビ)では、前横浜市長の中田宏も、「これねえ、ちょっとプロ的解説するとねえ」と、もったいぶった後、こう述べた。
「見る人が見るとわかるんだよね。
小籔さんはわかってたけど、あのヤジってる反対派っていうのは、組織的活動家なんですよ。
安倍さんたちはわかってるわけ。
あそこから見て。
『あー、来てる来てる。反対陣営の組織が来てる』って」
中田といえば、加計学園が運営する岡山理科大学や、倉敷芸術科学大学、千葉科学大学で客員教授を務めるという、
まさに安倍首相と同じく、加計学園とズブズブの関係にあるわけだが、一体、どうして、「組織的活動家」などと言い切れるのだろう。
さすがに、このような中田の発言には、MCの坂上忍も、
「我々一般人の発言の自由があるとする。
こっち(安倍首相は)国の最高権力者ですよ?
これ同じなんですかって、俺はお聞きしたいわ!
だって重みが全然違うし、圧力が全然違いますよ!」と、声を荒げて反発したほどだった。
また、同日7月4日に、日本外国特派員協会で記者会見を開いた百田尚樹は、圧力団体「放送法遵守を求める視聴者の会」の新代表らしく、“メディアの偏向報道だ!”と、お得意の陰謀論を開陳した。
「これを報道した日本のテレビ局は、画像の切り取りをやりました。
実際の映像を見ると、反対派が陣取っているのは、ほんの一角だけでした。
ところが、日本のテレビ局は、その一角だけをクローズアップして放送しました。
これは、非常に汚い報道のやり方です」
しかし、この百田の発言に、フリージャーナリストの田中龍作氏が、「私は現場にいた」と前置きし、
「全方位から安倍さんへの批判は飛んでいた。百田さんは現場に行かれたんでしょうか?」と質問すると、
百田は、「行っていません」と返答。
田中氏が、「百田さんこそ、フェイクニュースじゃないですか」と反論したのだった。
だが、こうした「画像の切り取り」と同様に、報道の仕方を問題にする声は、ほかにもあがっている。
お笑いコンビ・ロザンの宇治原史規は、4日放送の『ちちんぷいぷい』(毎日放送)で、こう語った。
「安倍さんの、『こんな人たちに負けるわけにいかない』というところを切り取って、自分を非難する人たちを『こんな人たち』と呼んでいる、という報道がよくなされているんですけど」
「(安倍首相は)演説を聞かずに妨害をするという人たちには、『負けるわけにはいかない』という文脈だったと思うんですね」
そして、宇治原は、このような報道のされ方を、「フェアじゃないなと思う」と主張したのだ。
安倍首相が、〈選挙妨害の左翼活動家〉だとする意見に、「いいね!」していたことがわかった今となっては、宇治原の見立ては虚しいばかりである。
第一、宇治原の指摘は、重要な前提が省かれている。
演説カーに乗ってマイクを握り、大音量で言いたいことを言える総理大臣に対し、国民は、自らの意思を示す方法が限られている。
そうしたなかで、反対する意思を表した人びとに対して、「こんな人たち」と言い捨てたことが問題なのだ。
同時に、その根本には、「自分に反対する者は国民ではない」という、危険極まりない捉え方があることを、指摘しなくては意味がない。
さらに、ここまで挙げてきたように、安倍首相をはじめ、官邸や安倍応援団たちは、「組織的活動家の犯行」と決め付けにかかっている。
これは、沖縄の基地反対運動における、「反対しているのは一般市民じゃない」という、ネトウヨたちが流しているデマや主張とまったく同じものだ。
こうやって、権力にとって都合のいい国民を「一般市民」、反対する国民を「一般的じゃない市民」に分けることで、「弾圧してもいい人びと」という印象付けを、図ろうとしているのはわかりきっている。
安倍政権に批判的なメディアは、「言論テロ」とし、憲法に保障された正当な権利を行使し、政権に反対の意志表示を行う国民を「左翼活動家」と非難する──。
安倍首相が、「いいね!」ボタンで宣言する危険な本質には、それこそもっと、批判がくわえられるべきだろう。
(編集部)
******* ******* ******* *******
おまけ
同じく安倍首相ヨイショ組の片山さんが書いた、『プロの活動家による妨害』説に、いいね!を押している懲りない総理私人の昭恵さん。
激しく同意しますので、ここに紹介させていただきます。
「防衛大臣の職責」を自覚しない稲田氏 即刻解任を
【BLOGOS】2017年7月7日
http://blogos.com/article/233229/
稲田朋美防衛大臣が、九州北部での記録的な豪雨で、自衛隊が災害対応に当たっていた7月6日、
昼の1時間余り防衛省を不在にして、民間人との防衛政策の勉強会に出席し、
その間、40分間は、副大臣、政務官の「政務三役」が不在であったことが、批判にさらされている。
石破元防衛大臣は、
防衛の仕事は、5分、10分の遅れが、思わぬ結果を引き起こすことがあり、近くにいたから問題ない、ということではない。
防衛省としてあるまじきことであり、原因を解明し、そういうことが二度とないようにすべきだ。
と述べたとのことだが、全くその通りだと思う。
防衛大臣は、他国の侵略的な行為への対応や防衛出動に関して、重要な職責を担うものだが、
ある意味では、それ以上に重要なのは、重大な災害で、国民の生命が危険にさらされているときに、
防衛省のトップとして、自衛隊組織の人的・物的資源を、どこにどのように配置するのかを、刻々と変化する状況の中で、適切に判断することであろう。
しかも、災害への対応は、防衛省だけで行うものではない。
全国の消防組織を統括する、総務省消防庁、被災地の自治体などとの連携、それらを統括する首相官邸と、
常時、緊密な連絡をとり、必要な調整を行うことが、防衛大臣に求められる、極めて重要な職務である。
稲田氏が、防衛省を不在にした昨日正午頃は、九州北部を襲った豪雨で、数十万人に避難指示が出て、
しかも、各地に孤立した地域があり、一刻も早い救助を待ち望んでいる人たちが大勢いた。
そのような状況で、民間人との「勉強会」に出席していたというのは、重大かつ深刻な豪雨災害の被災者や、その安否を気遣う家族の心情を思うと、絶対に許せないものである。
稲田氏が出席した「勉強会」というのも、支援者ら中心のイベントであろう。
被災者の救援より、そういう「勉強会」を優先する稲田氏の姿勢は、一般の国民より支援者・お友達との関係を優先する、森友学園・加計学園問題等での、安倍首相の姿勢と共通するものである。
都議選の応援演説で、
防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてお願いしたい。
などと、防衛大臣にあるまじき発言をし、直後に発言を撤回した際には、
緊張感を持って職務に臨む。
などと述べていたが、その言葉は一体何だったのか。
稲田氏は、
複数の政務三役が近くに所在し、速やかに戻ることができる態勢をとっており、対応に問題があったとは考えていない。
と述べているとのことであり、菅義偉官房長官も、会見で、
問題はないと思っている。
大臣も含めてすぐ近くに所在し、秘書官から随時連絡を受けて、速やかに省内に戻る態勢だった。
と述べたとのことだが、
平時において、「不測の事態」の発生に備えるというのとは全く異なり、既に重大な災害で、多くの人の命が危険にさらされているのである。
何かあったら連絡を受けて、防衛省に戻れば良いという話ではない。
国土の防衛のために配備されている、陸海空の自衛隊を、防衛面での影響を最小限にしつつ、最大限、効果的に、九州での豪雨災害の救援対応をするために、
防衛大臣として、他の機関との連携をとりつつ、全力で対応に当たらなければならないのは当然である。
「連絡を受けて防衛省に戻ればよい」などというのは、稲田氏も、菅氏も、今回の豪雨災害を、不当に軽視しているとしか思えない。
「国民の命を守る」という、防衛大臣の最大の職責を、全く自覚しているとは思えない稲田大臣は、即刻解任すべきである。
これ以上、このような人物を、防衛大臣の職にとどまらせることは、国民として到底納得できることではない。
******* ******* ******* *******
その稲田氏が、どんなにヘマをしようとも、まったくお構いなしを通しているのは、他の誰でもない安倍首相です。
同じ穴のムジナ、もしかしたらさらに程度の低い者だからこそ、何が問題なのかもわからないのでしょうか?
安倍首相が、「こんな人達=選挙妨害の左翼活動家」と攻撃するFBに、「いいね!」を押していた!
【LITERA】2017年7月6日
http://lite-ra.com/i/2017/07/post-3295-entry.html
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」──安倍首相が、都議選の応援演説で言い放った言葉が、いまなお波紋を広げている。
なにせ、一国の総理大臣が、国民に対して暴言を吐いたのだから、当然だろう。
だが、安倍首相には、謝罪する意思がないどころか、完全に「敵」だと考えているらしい。
というのも、反対の声をあげた国民を、「選挙妨害の左翼活動家」とバッシングするフェイスブック投稿に、またも「いいね!」と評価していたからだ。
安倍首相が「いいね!」したのは、自民党の永田壮一・千代田区議が、7月3日に、Facebookへ投稿した文章。
千代田区といえば、安倍首相が、件の演説を行った秋葉原を擁する選挙区で、永田区議も当日演説に駆けつけていたようだが、その永田区議の投稿では、こんなことが書かれている。
安倍総裁の「こんな人達に負ける訳にはいきません」という演説を受け、
報道では、
こんな人達=都民ファースト支持者
真実は、
こんな人達=選挙妨害の左翼活動家
都議選で、自民党が歴史的大敗したのは、さまざまな大臣たちの失言だけではなく、
森友・加計学園問題において、説明責任をまったく果たさない、人を食う安倍首相の傲慢さに、下された審判であることは間違いない。
いや、特定秘密保護法や安保法制、共謀罪など、安倍首相の独裁的で憲法を軽視する政治に対して、反対の声をあげてきた国民は数多い。
だが、安倍首相は、そうした“怒り”をもつ国民を、すべて〈選挙妨害の左翼活動家〉だと、決め付けにかかっているのだ。
安倍首相は今年5月にも、加計学園問題を追及する朝日新聞を「言論テロ」とする投稿に、「いいね!」していたことが問題になったばかり。
口には出せない鬱憤を「いいね!」で晴らすとは、まったく総理としての知性を疑わざるを得ないが、それは他の議員も同様。
事実、安倍首相を反対するコールを行った国民を、〈反社会的共謀組織〉〈政治テロリスト〉〈テロ等準備罪で逮捕すべし!〉と書かれた投稿に、
自民党の工藤彰三衆院議員が、「いいね!」を押していたことが問題となっている。
しかも、安倍首相の「こんな人たち」発言を、安倍首相同様、官邸も、反省するどころか、
〈左翼活動家〉〈政治テロリスト〉などと、同じようにイメージを植え付けることで、さらに“味方と敵”に分断しようと躍起になっている。
それを象徴するのが、菅義偉官房長官の発言だ。
記者会見で、菅官房長官は、「(発言は)まったく問題ない」「きわめて常識的な発言」と断言。
「なぜ問題ないのか」と、東京新聞の望月衣塑子記者が食い下がると、「問題ないから」と、いつものように国民を馬鹿にしたような回答しか返さなかった。
これは無論、安倍応援団たちも、同じ態度だ。
本日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)では、コメンテーターの高木美保が、安倍首相の「こんな人たち」発言を、
「民主主義や多様性を軽んじていたのでは。悲しいものを見てしまった」と批判。
すると、“官邸のスポークスマン”こと田崎史郎・時事通信社特別解説委員は、なんと、こうやって反論しはじめたのだ。
「そこで反対してた『安倍さん辞めろ』と言っていた人たちには、多様性があったんですか?」
「多様性は、安倍総理ももたなきゃいけない。
でも、批判する側も、安倍さんの意見もある程度受け入れる、発信を認めるかたちにしていかないと、民主主義は成り立たない」
田崎の弁は、最高権力者たる安倍首相と、一般国民の圧倒的な力の差を、まったく無視したうえ、あきらかに、反対者は組織に動員された者たちと言わんばかりだが、
7月4日放送の『バイキング』(フジテレビ)では、前横浜市長の中田宏も、「これねえ、ちょっとプロ的解説するとねえ」と、もったいぶった後、こう述べた。
「見る人が見るとわかるんだよね。
小籔さんはわかってたけど、あのヤジってる反対派っていうのは、組織的活動家なんですよ。
安倍さんたちはわかってるわけ。
あそこから見て。
『あー、来てる来てる。反対陣営の組織が来てる』って」
中田といえば、加計学園が運営する岡山理科大学や、倉敷芸術科学大学、千葉科学大学で客員教授を務めるという、
まさに安倍首相と同じく、加計学園とズブズブの関係にあるわけだが、一体、どうして、「組織的活動家」などと言い切れるのだろう。
さすがに、このような中田の発言には、MCの坂上忍も、
「我々一般人の発言の自由があるとする。
こっち(安倍首相は)国の最高権力者ですよ?
これ同じなんですかって、俺はお聞きしたいわ!
だって重みが全然違うし、圧力が全然違いますよ!」と、声を荒げて反発したほどだった。
また、同日7月4日に、日本外国特派員協会で記者会見を開いた百田尚樹は、圧力団体「放送法遵守を求める視聴者の会」の新代表らしく、“メディアの偏向報道だ!”と、お得意の陰謀論を開陳した。
「これを報道した日本のテレビ局は、画像の切り取りをやりました。
実際の映像を見ると、反対派が陣取っているのは、ほんの一角だけでした。
ところが、日本のテレビ局は、その一角だけをクローズアップして放送しました。
これは、非常に汚い報道のやり方です」
しかし、この百田の発言に、フリージャーナリストの田中龍作氏が、「私は現場にいた」と前置きし、
「全方位から安倍さんへの批判は飛んでいた。百田さんは現場に行かれたんでしょうか?」と質問すると、
百田は、「行っていません」と返答。
田中氏が、「百田さんこそ、フェイクニュースじゃないですか」と反論したのだった。
だが、こうした「画像の切り取り」と同様に、報道の仕方を問題にする声は、ほかにもあがっている。
お笑いコンビ・ロザンの宇治原史規は、4日放送の『ちちんぷいぷい』(毎日放送)で、こう語った。
「安倍さんの、『こんな人たちに負けるわけにいかない』というところを切り取って、自分を非難する人たちを『こんな人たち』と呼んでいる、という報道がよくなされているんですけど」
「(安倍首相は)演説を聞かずに妨害をするという人たちには、『負けるわけにはいかない』という文脈だったと思うんですね」
そして、宇治原は、このような報道のされ方を、「フェアじゃないなと思う」と主張したのだ。
安倍首相が、〈選挙妨害の左翼活動家〉だとする意見に、「いいね!」していたことがわかった今となっては、宇治原の見立ては虚しいばかりである。
第一、宇治原の指摘は、重要な前提が省かれている。
演説カーに乗ってマイクを握り、大音量で言いたいことを言える総理大臣に対し、国民は、自らの意思を示す方法が限られている。
そうしたなかで、反対する意思を表した人びとに対して、「こんな人たち」と言い捨てたことが問題なのだ。
同時に、その根本には、「自分に反対する者は国民ではない」という、危険極まりない捉え方があることを、指摘しなくては意味がない。
さらに、ここまで挙げてきたように、安倍首相をはじめ、官邸や安倍応援団たちは、「組織的活動家の犯行」と決め付けにかかっている。
これは、沖縄の基地反対運動における、「反対しているのは一般市民じゃない」という、ネトウヨたちが流しているデマや主張とまったく同じものだ。
こうやって、権力にとって都合のいい国民を「一般市民」、反対する国民を「一般的じゃない市民」に分けることで、「弾圧してもいい人びと」という印象付けを、図ろうとしているのはわかりきっている。
安倍政権に批判的なメディアは、「言論テロ」とし、憲法に保障された正当な権利を行使し、政権に反対の意志表示を行う国民を「左翼活動家」と非難する──。
安倍首相が、「いいね!」ボタンで宣言する危険な本質には、それこそもっと、批判がくわえられるべきだろう。
(編集部)
******* ******* ******* *******
おまけ
同じく安倍首相ヨイショ組の片山さんが書いた、『プロの活動家による妨害』説に、いいね!を押している懲りない総理私人の昭恵さん。