共謀罪、今日から施行されたのですね。
277の罪が、犯罪を計画し、準備を始めた段階で処罰されるというもので、
権力側にとっては非常に緩い、まさに(これ、安倍総理の口癖なのであまり使いたくないのですが…)もの言う国民に圧力かけ、監視しやすいようにするための道具です。
東京新聞がまとめてくれた、この法案に賛成を投じた議員の名簿があります。
次の選挙でまた立候補するようなことがあったら、もう二度と国会に関わらせないよう、きっぱりと落選させましょう。
この共謀罪について、深い懸念を示し、安倍政権に対して質問書を送っていた国連特別報告者のケナタッチ氏は、
政府からの回答が、11日現在も、未だに送られていないことを証言しました。
【報道ステーション・小川アナウンサーのインタビューより】
国連特別報告者ケナタッチ氏:
(他の国は)私が質問を送れば、時には数時間以内に回答がきます。
日本政府の振る舞いは、普通ではないと言わざるを得ません。
誠意や礼儀の面でも、普通ではない。
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ああ恥ずかしい…。
『森友学園問題』が起こったことを発端に『加計学園問題』、そしてまた、『AOI国際病院問題』が加わってきました。
この『AOI国際病院』、2014年に、国家戦略特区の事業者に認定されているのですが、
どうもこれがまた、非常に胡散臭いのです。
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自民党議員の一族が経営する病院が、事業者に選ばれていた
【日刊ゲンダイ】2017年6月22日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/207868
広島の整形外科からスタートし、ここ20年ほどで全国に急拡大している、医療法人「葵会」。
傘下の「AOI国際病院」は、神奈川県川崎市にある。
羽田空港から多摩川を渡り、川崎市に入ったあたりに位置し、このごろ流行りの医療ツーリズムには、ちょうど良い立地なのかもしれない。
2014年、この「AOI国際病院」が、国家戦略特区の事業者に認定された。
「以前は、国が運営する社会保険病院だったのですが、2012年に、葵会が、厚労省の年金・健康保険福祉施設整理機構から、60億円で払い受けた。
慢性的な赤字の病院で、一般病床利用率は50%を切っていたのですが、葵会が人員を補充し、
心臓カテーテル、がん治療、人工透析、回復期リハビリなど、診療の幅を広げて、黒字化に取り組んだ。
そして2014年12月、循環器領域での最先端医療や、がん免疫細胞治療、医療ツーリズムなどを実施する、
東京圏の国家戦略特区の事業者として、病床規制の緩和を認定されています」(医療ジャーナリスト)
理事長の新谷幸義氏は、業界では、剛腕経営者として知られる人物だという。
確かに、経営手腕は素晴らしいかもしれないが、葵会の特区認定には、見過ごせないエピソードが付きまとう。
加計学園の加計孝太郎理事長がそうだったように、新谷ファミリーも、安倍首相と親しいのだ。
最もわかりやすいのは、今年4月23日に、帝国ホテルで盛大に執り行われた、次男、正義氏の結婚式だ。
この披露宴に、安倍晋三首相自らが出席している。
実は、正義氏は、永田町でさえあまり知られていないが、自民党の国会議員である。
2012年12月の総選挙で、北関東ブロックから、自民党の比例単独で出馬し初当選、
2014年12月には、一族の出身地である広島に居を移し、中国ブロックでの比例単独で再選した。
帝京大学医学部を卒業した後、東大経済学部にも入学し、卒業している。
「国会会期中なのに、忙しい安倍首相が、披露宴に最初から出席し、花嫁の見送りまでずっといたので、他の来賓もびっくりしていました。
挨拶の中で、『正義さんの待遇について、何か忖度のようなことはありません』などと、冗談まで飛ばしていました。
ただ、正義さん本人は、無菌状態で育ったような人。
安倍さんとのお付き合いは、お父さまですよ。
安倍さんが若い頃から、ずっと応援していたのだそうです。
お父さまは、有名人が病気で困ったときに助けたりして、人脈も広い方なんです」(新谷理事長の知人)
つまり、自民党議員の一族が経営する医療法人が、特区の事業者に選ばれているのだ。
しかも、新谷正義議員は、特区認定を受けた葵会の理事を、現在も務めている。
新谷議員が、特区の認定に関わったことはあるのか、どのようないきさつがあったのか、なかったのか、
議員事務所に問い合わせたが、「公開されている情報がすべてです」と、そっけない答えが返ってきた。
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安倍さんの身内やオトモダチが特別扱いしてもらってる…っていう例が、次から次へと出てくる昨今。
どうしてそんなことになったのか、その経緯をきちんと説明してほしいという国民の要求に応えるべく、「真摯に対応いたします」なんて言っていた『口先だけ』総理は、
キーマン中のキーマンのくせに、自分が海外に出ている間だったらやってもいいとばかりに、閉会中審査の開催を許可し、
向こうでは何やら一つの会議を欠席したり、G20が終わったのに北欧訪問を続けたりと、九州北部には甚大な豪雨被害が出ているというのに、閉会中審査の場に身を置きたくないばっかりに、グズグズと戻ってきませんでした。
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安倍首相の途中帰国は、政治意図バレバレ!
訪問中止のエストニア大使館が、“他国は閉会中審査さけるため訪問した”、の指摘をRT
【LITERA】2017年7月11日
http://lite-ra.com/i/2017/07/post-3307-entry.html
恥も外聞もない、というのはこういうことをいうのだろう。
九州北部豪雨の被害が広がるなか、G20終了後、そのまま北欧訪問にいってしまった安倍首相。
本サイトは、国内でこんな大規模災害がおきているにもかかわらず、帰国しないという安倍首相の判断を批判。
「閉会中審査に出たくないためではないか」と、指摘する記事を掲載した。
すると、9日夜、安倍首相は、同行の記者団に対し、突然「九州北部豪雨で被害が出ているため、予定を繰り上げる」と発表。
最後のエストニア訪問を取りやめて、きょう11日に帰国することになった。
しかし、これはもちろん、安倍首相も、やはり被災地のことが心配になった、というような話ではない。
本当に被災地が心配で、一刻も早く復旧を指示するための帰国なら、G20が終了した8日に出発し、9日に日本に帰ってくることができたはずだからだ。
実際、安倍首相は、G20サミット直前の7月7日の時点で、Facebookにメッセージを発信しており、その被害の甚大さは認識していた。
また、今回の北欧への外遊は、喫緊の課題があるわけではなく、G20後にもうけられたバカンスに近い。
最後のエストニア訪問を中止できたのだから、他国についても同じように、外交日程をとりやめることはできたと考えるべきだろう。
ところが、安倍首相は、スウェーデン、フィンランド、デンマーク3か国歴訪は続け、エストニアの訪問だけを中止した。
帰国は11日で、わずか1日早めただけだった。
なぜか。
誰でもわかることだが、G20後すぐに帰ったら、せっかく外遊にぶつけた閉会中審査に、出席しなければならなくなるからだ。
しかし、そのまま帰国しないと、被災地のことを考えていない、と批判を浴びかねない。
それで、エストニアだけを中止して、はかったように、閉会中審査翌日に帰国することにしたのだ。
「マスコミは沈黙していましたが、ネットでは、帰国しないことに対する批判の声が高まっていましたし、
週末の世論調査で、支持率のさらなる低下が判明した。
それで、慌てて帰国する、という決断をしたのでしょう」(全国紙政治部記者)
ようするに、安倍首相の1日だけ早い帰国は、被災地を心配しているわけでもなんでもなく、
たんに、災害を、自分の人気取りに利用する、パフォーマンスに過ぎないことがバレバレなのである。
実は、その行動には、唯一、訪問中止になった当事者国であるエストニアも、不快感を持っているようだ。
安倍首相が訪問中止を発表した後の10日、在日エストニア大使館の公式ツイッターが、
安倍首相の前倒し帰国を報じるNHKのニュースについて、以下のようにツイートした一般ユーザーを、リツイートしたのである。
「NHK『安倍が被災地思い、予定繰り上げ帰国』
9日夜7時・8時45分報じる。
3か国中、最後のエストニアだけ削るという。
北欧2国も削っちゃうと、閉会中審査出られない理由がなくなる」
このツイートは、10日夜、拡散して騒ぎになりそうになったとたん、すぐに削除されたが、
大使館が、駐在している国の政権の行動を、批判するようなツイートをするのは、異例中の異例。
たしかに、エストニアが怒るのは当たり前だろう。
もちろん、本当に災害対応のためならわかるが、安倍首相は、他の3国は訪問を続け、エストニアだけ、自分の政治パフォーマンスのために、訪問をキャンセルしたのだ。
エストニアからしたら当然、「小国だからバカにされた」と、不快に思ったはずだ。
しかし、安倍首相にもっとバカにされているのは、九州北部で大きな被害に遭っている被災者だ。
災害そっちのけで、スキャンダルから逃げるために、北欧バカンスを続行しておいて、
閉会中審査が終わった途端、自分の人気取りのために、「一刻も早く被災地にかけつけたい」などと言い出したのだ。
ようするに、被災地の人々を救うつもりなんかまったくない、単なる政治利用だろう。
安倍首相はおそらく、本日11日、帰国したその足で、被災地に向かい、いつものように、「被災地の皆さんをしっかり応援します」といったメッセージを発するはずだ。
しかし、国民はもう、そんなものには騙されないだろう。
森友学園、加計学園から始まった、この間のさまざまな言動、そしてスウェーデン、フィンランド、デンマークの3か国歴訪続行したことで、
この男が、国民の生命や安全のことなど、なにひとつ考えておらず、
その頭に中は自らの保身と政治パフォーマンスだけ、というのは、完全にはっきりしてしまったのだから。(編集部)
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逃亡者、腰抜け、はだかの王様、もう一つ追加で偽善者。
そんなことをしているから、さすがに気づき始めた人が増えてきて、こん有り様。でもまだわたし的には多過ぎるように思えるのですが…。
ところでその閉会中審査。
結局、夜中の4時前まで観てしまったのですが、午前中の閉会中審査の模様を素早く簡潔にまとめてくださった、東京新聞の夕刊記事を紹介させていただきます。
前川氏、加計問題で発言 「背景に官邸の動きがあった」
【東京新聞・夕刊】2017年7月10日
http://amp.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201707/CK2017071002000221.html
安倍晋三首相の友人が理事長を務める、学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設を巡り、衆院文部科学、内閣両委員会は10日、
前川喜平・前文部科学省事務次官らを参考人招致し、閉会中審査をした。
前川氏は、国家戦略特区で、学部新設を認める過程について、
「はじめから加計学園に決まるようなプロセスを、進めてきたように見える」と発言。
「背景に、官邸の動きがあった」との見方を示した。
前川氏は昨年9月、和泉洋人首相補佐官に呼ばれ、「総理が言えないから私が言う」と、学部新設の早期対応を、直接要請されたことを認め、
「和泉補佐官が、さまざまな動きをしていたことは、(昨年)10月21日の文書を見ても明らか」と述べた。
この文書は、「10/21 萩生田副長官ご発言概要」の表題で、獣医学部新設に関し、萩生田光一官房副長官の発言をまとめたとみられ、
「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた」
「官邸は絶対やると言っている」と、官邸側の関与をうかがわせる。
「加計学園が、誰も文句が言えないような良い提案をできるかどうか」などと、加計学園を前提にしたようなやりとりが記されている、「10/7」の文書について、
前川氏は、
「在職中に、担当課から説明を受けた際に受け取り、目にした文書に間違いない」と述べた。
「10/7」の文書は、文科省の調査では、存在が確認できなかった。
萩生田氏は、昨年10月7日に、文科省の常盤豊高等教育局長と面会した事実を認め、
「特区のことについても、説明された記憶がある」と発言。
ただし、学部新設における自身の関与には、
「私が総理から指示を受けたり、文科省や内閣府に指示を出したりすることはない」と否定した。
野党から、「加計ありき」と批判がある決定プロセスについて、
特区審議にかかわったワーキンググループ委員の原英史氏は、「全くの虚構」と反論した。
これに対し、前川氏は、
「順次条件を付すことで、加計学園しか残らない。ブラックボックス化されている」と疑問を呈し、
「非常に不公平で、国民の見えないところで決定が行われている不明瞭さがある」と指摘した。
この日の審査には、安倍首相や和泉首相補佐官は、出席しなかった。
政府・与党は、東京都議選の自民党大敗を受け、野党が求めてきた閉会中審査に応じた。
参院文教科学、内閣両委員会でも、午後から審査がある。
<加計学園問題>
岡山市の学校法人「加計学園」が、政府の国家戦略特区制度を活用し、愛媛県今治市に、岡山理科大の獣医学部を新設する計画を巡り、
文部科学省が、内閣府との計画公表前のやりとりを記録したとされる、複数の文書が明らかになった。
学園理事長は、安倍晋三首相の友人で、文書には、「総理の意向」などと記載されていた。
文科省は、文書の存在を確認できないとしたが、前川喜平前文科事務次官が、「確実に存在」と証言。
文科省は、再調査で、14文書を確認した。
その後、萩生田光一官房副長官の発言を、まとめたとされる文書も公表したが、萩生田氏は、発言を否定している。
<参考人招致>
衆参両院は、憲法62条が保障する国政調査権に基づき、重要事案の調査のために、関係者を参考人として委員会に招致し、発言を求めることができる。
ただし、参考人が出頭するかどうかは任意で、虚偽の発言をしても罰則規定はない。
同じく、国政調査権に基づく証人喚問の場合は、正当な理由なく出頭や証言を拒否したり、偽証したりすると、議院証言法により罰せられる。
今年3月には、森友学園への国有地払い下げ問題で、財務省の迫田英典・元理財局長らが、参院予算委員会に参考人招致されている。
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午前、午後とも、自民党議員の質疑内容のスカスカさは、半端じゃなかったですね。
スカスカだけならまだしも、なんとかして前川氏の揚げ足取りをしようと、あの手この手の(といっても質問者の程度に合った質の低いものでしたが)言葉を投げかけていて、本当にうんざりさせられました。
しかもそれが長い。
まるで独演会です。
中には、気が触れてしまったように、ただただ用意された原稿を、委員長の静止も聞かずに(4分以上も?!)棒読みし続けた某大臣もいました。
閉会中審査で、ネトウヨ自民党議員たちが、前川前次官に卑劣な質問浴びせるも、次々返り討ちに!
逆に、詭弁と嘘を暴かれる醜態
【LITERA】2017年7月10日
http://lite-ra.com/2017/07/post-3305.html
「はじめから加計学園に決まるように、プロセスが進んだように見える。非常に不合理な意思決定だった」
「背景に、首相官邸の動きがあったと思う。和泉洋人首相補佐官が、さまざまな動きをしていた」
本日行われた閉会中審査に、参考人として出席し、あらためて、官邸主導で、国家戦略特区の獣医学部新設が「加計学園ありき」で進められたのかを告発した、前川喜平前文部科学事務次官。
前川氏は、
和泉洋人首相補佐官より、「総理は自分の口からは言えないから、私が代わりに言う」として、獣医学部新設の迅速な対応を求められてきた事実を証言し、
「(規制の)穴の開け方に不透明さがある」と言及した。
紙資料など一切持たず、まっすぐ前を向いて淡々と、しかし理路整然と答弁席に立った前川氏。
その一方、またも露わとなったのが、安倍政権の醜い答弁や、個人攻撃の数々だ。
そもそも、肝心要の安倍首相は、災害対応のために外遊日程を切り上げ、帰国を決定したものの、
なんと、閉会中審査が終わった明日11日に帰国するという、姑息な手段に出たが、
それだけではなく、与党は、きょうの閉会中審査における、和泉首相補佐官と木曽功前内閣官房参与の、参考人招致を拒否。
また、加計孝太郎理事長と安倍首相が、仲良くグラスを傾ける様子を、昭恵夫人がFacebookに投稿した、例の「男たちの悪巧み」写真や、
野党が入手した資料などの配付資料に、与党の委員会理事が出すなと拒否し、審議の開始時間がずれ込む事態に。
さらに、いざ審議がはじまっても、山本幸三地方創生相は、数分間にわたって、官僚がつくったであろう手元の紙を読み上げ、野党の質問時間を削ったかと思えば、
「なぜ、獣医学部の需給が明らかではないのに、押し切ったのか」という質問に、
「需給の数とか量を、はっきり示すのは無理」などと言い出す始末。
つまり、内閣府のトップが、「石破4条件なんか関係あるか」と、投げ出してしまったのだ。
これだけでも唖然とさせられたが、もっと酷かったのは、質問を行った自民党議員たちだ。
まず、衆院で質問に立った平井卓也議員は、「文書を流出させたのは前川さんか?」と尋ね、前川氏は回答を差し控えた。
すると平井議員は、「自分ではないと答えられないのか」、などと責め立てた。
平井議員といえば、ネトウヨの巣窟とされるネットサポーターズクラブ、通称「ネトサポ」の代表で、
2013年に行われた、ニコニコ生放送の党首討論会では、福島瑞穂議員の発言中に、「黙れ、ばばあ!」と書き込んだことが発覚したこともある人物。
そんなネトウヨ脳では、前川氏が守ろうとする、公益通報者の保護の意味などわかるはずもないのだろうが、そのあとも平井議員は、前川氏を個人攻撃。
たとえば、獣医学部の定員抑制の告示が、53年間も変えられなかった点を、前川氏は、
「告示を見直すことは、政策論としては妥当だが、18歳人口、ペットや産業動物が減少するなかでは、議論が必要」とごく当たり前の見解を示し、
加計学園ありきの決定プロセスの不透明さを問題だとしたが、平井議員はその弁を、「話のすり替えだ」と攻撃。
さらには、定員抑制は、「天下りと関係しているのでは?」と質問したのだ。
一体、どっちが話をすり替えているんだかと言いたくなるが、極めつきは、平井議員が言い放った、こんな言葉だ。
「前川さんは、つねに立派な答弁されていますが、どう考えても、自分が都合が悪くなるとノーコメントの部分もありますし、よっぽど自分を大切にされるんだな、というふうにも思います」
どの答弁や質問を聞いても、「自分を大切にしている」のは安倍政権側にしか思えないが、同じようにゲスさ全開で質問を行ったのは、自民党の青山繁晴議員だ。
青山議員については、ツッコミどころが満載すぎるため、追って別稿をお届けする予定だが、やはり青山議員も、
「既存の学校を守ろうとする姿勢と天下り問題は、密接に繋がっている。日本の闇だ」などと言い出した。
だが、この質問に対して前川氏は、
「今治市における獣医学部新設と、天下り問題を結びつけて議論するのはおかしい」とし、こうつづけた。
「仮に結びつけるのであればですね、具体的な事例は、木曽理事の問題です。
木曽理事は、たしかに私の先輩で、内閣官房参与の身分をもったまま、加計学園の理事になっておられまして、
そのふたつの肩書きをもった状態で、私のもとにおいでになり、加計学園の獣医学部新設に向けて、働きかけをされたと。
こういう、OBによる現役に対する働きかけこそ、いわゆる天下り問題の、弊害のひとつの端的な例だ、と思っておりますが、
私は、木曽理事の働きかけをもって、何らかの政策判断に影響させるというようなことは、いたしませんでした」
天下り問題をもって、前川氏が、あたかも既得権にしがみついていた卑しい人間だ、と印象づけようとしたら、官邸側の卑しい実態を指摘されてしまう。
──完全に青山議員は、前川氏に言い負かされてしまった格好で、これぞ「論破」というものだろう。
しかし、下卑た質問をしながら返り討ちにあったのは、青山議員だけではない。
共謀罪審議では、「委員長、もういいでしょう!」などと叫んで動議を促し、採決に導いた、“自民党の別働隊員”たる丸山穂高・日本維新の会議員は、前川氏に出会い系バー通いについて質問。
「会見で、国家権力とメディアの関係性に不安を覚えると言っていたが、
女性の貧困の実地調査という言い訳について、地域を回っていると、『あの言い訳ないんとちゃいますか?』と言われる」などと口にした。
だが、前川氏は、
「実地調査というのは適切ではなかったかもしれない」としつつ、
「個人的な行動が、どうして全国紙で報道されるのか」
「私は、官邸と読売新聞の記事は、連動していると主観的には感じた。
そういったことが、私以外にも行われて、横行しているとしたら、看過できない問題」
と答弁。
丸山議員が蒸し返そうとした、出会い系バー問題だったが、前川氏は、その問題の本質にある現在の権力の恐ろしさを、あらためて突きつけたのだった。
前川氏のロジカル、かつ一貫性のある答弁とは対照的に、卑しさが滲み出てしまった、安倍官邸および応援団による発言。
いや、それどころか、“味方”として参考人招致したはずの、加戸守行・前愛媛県知事から、とんでもない発言まで飛び出してしまったのだ。
既報の通り、加戸前知事は、安倍首相肝いりの諮問機関・教育再生実行会議のメンバーであり、国家戦略特区会議の今治市分科会にも参加。
安倍首相の息がかかった人物であり、加計学園の獣医学部新設に、骨を折ってきた人物であるわけだが、
きょうの答弁では、自身のことを、「(加計学園獣医学部新設の)応援団」「私は加計ありきではありません」と言い、こう熱弁を振るった。
「加計学園がたまたま、愛媛県会議員の今治選出の議員と、加計学園の事務局長がお友だちであったから、この話が繋がれてきて飛びつきました。
これはダメなんでしょうか?
お友だちであれば、すべてダメなのか」
加戸氏は美談調で語ったが、これはたんなる縁故主義で、こういった縁故を優先させる感覚を当然と考えることが、
「“腹心の友”に便宜を図ったのでは」「安倍晋三記念小学校に、特別な計らいをしたのでは」という、一連の疑惑の根底にはある。
これでは味方が、内幕の意識を暴露したようなものではないか。
このように、安倍政権サイドの醜態が、またも表れた閉会中審査だったわけだが、当然ながら、これで幕引きにはできない。
現に、きょうは、加計孝太郎理事長が、自民党岡山県自治振興支部の代表を務め、加計学園が運営する、英数学館岡山校を所在地としていた問題について、
家賃を払っていなければ寄付となるため、政治資金規正法の記載義務違反が疑われることを指摘。
加計理事長の、国会招致の声があがった。
前川氏が、この問題の官邸側の中心人物とみる、和泉首相補佐官の招致も当然だろう。
そして、誰よりも審議に参加しなければならないのは、安倍首相だ。
安倍首相は、国会が閉会して以降も、「獣医学部を全国展開する」などと、ちゃぶ台をひっくり返すような問題発言を行ったかと思えば、外遊を理由に、審議の場から逃亡してしまったが、
国家戦略特区の最高責任者であり、疑惑の当事者は、安倍首相なのである。
前川氏は、参考人ではなく、偽証罪に問われる証人喚問でも出席する、と言っている。
安倍首相も、国会で、お友だちである加計理事長と一緒に、徹底した追及を受けなければ、まったくフェアではないだろう。(編集部)
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上記の記事中に出てきた加戸氏のことをもう少し。
さらには、前川氏の証言から、杉田副長官による、天下り問題の隠蔽工作の実態も暴露されました。
「『他府省に関わるものは出すな』と、杉田氏からの指示があった」
「文部省がトカゲの尻尾切りに遭った」
もう総入れ替えが必至です。
「一点の曇りもない」(安倍首相)
「一点の曇りもない」(菅官房長官)
「一点の曇りもない」(山本幸三)
「一点の曇りもない」(竹中平蔵)
「一点の曇りもない」(国家戦略特区諮問会議)
なら、なんで全部真っ黒なの???
そしてこれは、『今治市公開資料の中に、内閣府の名刺3枚の写真があった』という情報です。
こんなので、加計学園問題は解明された、と納得できる人がいるわけがありません。
日本という国にある政治は、一体誰のために行われているのか。
立法府である国会で決められたことは、絶対に守らなければならないし、決められた税金も絶対に払わなければなりません。
わたしたちの暮らしにガッチリと繋がっている、というよりガンガン影響してくる政治なのに、それを任せている議員たちの質の劣化が甚だしい…。
長年の間、政治に無関心のまま任せ切ってきた結果、自己顕示欲と勘違いに塗れた人間が首相になり、森友学園や加計学園、それからAOI国際病院の問題を生み出しました。
与党に伺う必要などありません。
憲法で定められているのですから、臨時国会を開き、首謀者たち(安倍首相、杉田官房副長官、藤原審議官、和泉補佐官)全員を、証人喚問の場に立たせなければ!