先の解散選挙はやはり、ミスター国難の国難詐欺だったのですね。
「安全保障の面でも極めて難しい状態になってきたという状況にあって、
誰をリーダーにするかを、有権者の方々で真剣に考えていただいた結果だと思っている」
これを聞いて、ふと、原発事故直後の計画停電のことを思い出しました。
国民の命や暮らしなど、彼らにとっては何の意味も価値も無いのです。
ただただ、どれだけの金が吸い取れるか、だから数ぐらいなのです、気になるのは。
なので、災害が起きようが、人災や事故が起きようが、それで多くの国民が命を落としたり傷ついたりしようがお構い無し。
形だけの見舞いや訪問をして、形だけのお見舞いの言葉を言って、それでおしまい。
ひどい時には、被害が出始めていても、どこかでゴルフをしていたり、寿司を食べたりしていることもあります。
そういう、人間としても極めて劣化しているとしか言いようがない、同じ顔ぶれの人たちが、劣化の極みとも言えることを言い出しました。
これです。
いやもう、加計学園疑獄で真っ黒クロ助の萩生田さんが言うと、ブラックジョークを通り越して、お前が言うな!と大声で叫びたくなります。
ついでにこの萩生田さん、こんなトンデモなことも言い始めていて、この発言の真意も質すべきだと思います。
http://bogonatsuko.blog45.fc2.com/blog-entry-1500.html
それにしても、『直近の民意』って…。
絶対得票率でいうと、自民党が獲得したのは、比例代表選挙で約17%、 小選挙区で約25%です。
支持率も相当に低い。
それなのに、議席数=民意っていう誤魔化しが通じると思っているほど、わたしたちは舐められているのですね。
それとも、通じてしまっているんでしょうか?
まさかそんなこと…。
政権の在り方をチェックする野党に、質疑の時間を多く持たせるのは、国会議論において必要です。
そうでなければ、政権はすぐに暴走するからです。
それでなくても、とっくに暴走をし続けている政権に、これ以上何も譲ってはなりません。
そんなに開いて欲しけりゃ仕方がない、臨時国会を開いてやるよ。
その代わり、質問時間はこれまでの半分以下だ。
本当に情けない、恥知らずな政権です。
それでなくても、前回の記事で紹介したように、日本語として成り立っていない答弁をダラダラ続けるわけですし、
質疑にしても、あらかじめその内容を伝えておかなければならないという、極めて愚かな決まりがあります。
質問に対する答弁を、どこの誰が書き上げているのか知りませんが、答える側の認識力など必要がない、だからどんどん議員の質が落ちていく原因になっている、そういうバカバカしい決まりを中止できないでいるのです。
この変更には、野党は絶対に応じないでください。
国会を開いてもらえるなら…などと、折れたりしないでください。
国会の質をこれ以上、悪化させないでください。
安倍首相がご満悦だった、秋葉原でのリベンジ演説では、『大人の塚本幼稚園』と揶揄された、こんな光景が広がりました。
かつて、安倍夫妻両人が絶賛していた、森友学園経営の塚本幼稚園では、まだ幼い子どもたちが、日の丸を振ったり、教育勅語を大声で唱えたり、運動会での宣誓に、「安倍首相がんばれ」と右手を挙げて連呼したり、安保法制よかったですなどと言わされていたのです。
その姿を見て、当時名誉校長だった昭恵夫人は、涙まで流して喜んでいました。
そういうふうに、自分たちの耳に心地良い言葉を言う人間なら、年齢を問わずに歓迎し、耳障りなことを言ったり従わない人間なら、「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と指を差して叫ぶ。
この日の丸を手に「安倍首相!」と連呼していた人たちの多くは、わたしたちと同じ、搾取されるだけの庶民だと思うのですが、
なぜこんなふうに、諸手を挙げて応援できるのでしょうか?
消費税がいくら上がっても平気で、年金が支払われなくなりそうでも構わなくて、残業代がゼロになってもオッケーで、アメリカだけに向けられたいるミサイルを使って危機を煽り、自分や家族が徴兵される可能性も良しとする。
だって、自分は安倍さんを応援している権力側の人間だから。
もしもそんな能天気な考えを持っているとしたら、自分を取り巻く状況認識力の無さは、まさに幼児レベルです。
『大人の塚本幼稚園』というのは、かなり実情に沿った揶揄なのかもしれません。
「一国の政治というものは、国民を映し出す鏡にすぎません。
政治が国民のレベルより進みすぎている場合には、必ずや国民のレベルまでひきずり下ろされます。
反対に、政治のほうが国民より遅れているなら、政治のレベルは徐々に上がっていくでしょう。
国がどんな法律や政治をもっているか、そこに国民の質が如実に反映されているさまは、見ていて面白いほどです。
これは水が低きにつくような、ごく自然のなりゆきなのです。
りっぱな国民にはりっぱな政治、無知で腐敗した国民には腐りはてた政治しかありえないのです」
(出典:「スマイルズの『自助論』エッセンス版」P17より)
この『大人の塚本幼稚園』国民が、日本の中のほんの一部の人たちであることを祈りながら、
この新たな立憲野党の街頭演説に聞き入る人たちが、日本の中の大勢を占めるような社会の実現を、心の底から願っています。
そして今回の選挙で、支えることに徹し、それがために自党の議席を大幅に減らすことになった共産党へのリスペクトを、強く強く感じています。
国会の軽視、というより、もはや国会の意味すら理解していない安倍政権に対し、言いたいことをまとめました。
では、さらに基本に戻り、なぜ国会を開かなければならないのかを考えましょう。
その答えは、以下の江川さんの説明を読んでください。
ますますもって、今の国会の惨状がわかります。
特に、以下の部分は、わたしたちが求めるべきことだと思います。
国会での審議を行いなさい!
一人一人の主権者が声をあげましょう!
森友・加計問題のほかにも、九州北部豪雨や台風21号の被害に対する対策、北朝鮮問題、過労死を防ぐ働き方を巡る問題、少子化・人口減に対する対応など、議論するべき課題はたくさんある。
なにより、安倍首相自身が、「国難」を突破するため、として衆議院を解散したのだ。
その選挙結果を受けて、「国難」にどう対応するか、国会でしっかり説明し、質問に答える義務が、安倍首相にはある。
言論の府である国会で、活発な議論が行われてこそ、民主主義国家だろう。
野党議員も、選挙前や選挙中の諸事情にとらわれたり、責任追及の内輪もめなどをやっている場合ではない。
せっかく国民の代表として選ばれたのだから、この点については一致結束して、国会での審議を行うよう求めるべきだ。
******* ******* ******* *******
国会での議論が必要だ
【江川紹子】2017年10月26日
https://news.yahoo.co.jp/byline/egawashoko/20171026-00077397/
政府・与党は、衆議院総選挙後の特別国会を、11月1日から8日間の日程で開くことを決めたが、安倍首相は所信表明を行わず、そのうえ年内に臨時国会も召集しない見通しだという報道に接して、唖然としている。
せっかく選んだ国会議員に、なぜ議場で仕事をさせないのか。
特別国会を短期間で閉じるのであれば、改めて臨時国会を来月中に開くべきだ。
1年に5か月余りしか国会を開かない?!
1月20日に始まった通常国会が、6月18日に閉じられた後、野党が臨時国会の開催を求めたが、政府・与党は応じないままだった。
9月28日に冒頭解散した臨時国会を含めても、今年国会が開かれていた期間は151日。
このまま臨時国会を開かなければ、国会開会期間は、1年にわずか5ヶ月間余り。
平成に入って、もっとも国会を開いた期間が短い年になる。
昨年8月3日に、現在の自称「仕事人内閣」が発足したが、閣僚らは、一部委員会での閉会中審査で答弁した者を除いて、国会に対する説明をすることもなく、そのチェックを受けることもない事態が、来年の通常国会まで続くことになる。
安倍首相は、通常国会終了後の記者会見で、森友・加計問題などでの自らの答弁態度について、「深く反省している」と述べた。
9月の衆議院解散を明らかにした記者会見では、そうした問題について、今後も「丁寧な説明」をしていくと語った。
選挙後には、「自民党に対する厳しい視線があることをしっかり認識をしながら、この勝利に対して謙虚に向き合っていきたい」と述べた。
こうした「反省」や「丁寧な説明」や「謙虚」な姿勢は、口だけのものなのか。
安倍首相は、国権の最高機関である国会を、もはや政府・与党の方針を追認するための機関と見ているのではないか。
ここまで国会を軽視する首相は、これまでいただろうか。
前回の冒頭解散の後は…
平成に入ってから昨年までの間で、一年間の会期が最も短かかったのは、平成8(1996)年の180日だ。
この年は、今年と同じように、9月27日開催の臨時国会の冒頭で、衆議院が解散された。
小選挙区比例代表並立制での初めての総選挙が行われ、自民党が勝利。
それまで連立内閣を構成していた社民党・新党さきがけが、閣外協力に転じ、3年ぶりの自民党単独内閣となった。
11月7日に召集された特別国会の会期は、6日間だった。
しかし、特別国会閉会から17日後の11月29日には、臨時国会を召集し、橋本龍太郎首相は、衆参両院で所信表明を行い、各党からの代表質問を受けた。
自民党は、選挙には勝ったとはいえ、この時期には、様々な不祥事が相次いでいた。
組閣の当日、政界への金のばらまきや、官僚接待の疑惑がかけられている石油卸商が逮捕された。
特別養護老人ホームをめぐる汚職事件で、臨時国会召集の当日、厚生省前事務次官が、東京地検特捜部の事情聴取を受けた。その後前次官は逮捕される。
橋本首相は、所信表明を、
「最近、行政に対する信頼を失墜させる事態が続いたことは、ざんきにたえない」「政治の責任も痛感している」と、不祥事に関する陳謝から始めざるをえなかった。
それでも、自らの政治課題である行政改革についての考えを語り、「身を燃焼させ尽くしてもやり抜きます」と、強い意気込みを見せた。
この臨時国会の会期は、12月18日までの20日間。
審議では当然、不祥事も議題になり、橋本首相が陳謝した。
会期中に、10法案が可決された。
野党からの追及や、メディアの批判がある中でも、橋本首相はそこから逃げず、自身がこれからやろうとしている政策について語り、質問にも答え、国民に理解と協力を求めた。
なぜ、安倍首相にそれができないのだろう。
「国難」にどう対応するのか説明せよ
森友・加計問題のほかにも、九州北部豪雨や台風21号の被害に対する対策、北朝鮮問題、過労死を防ぐ働き方を巡る問題、少子化・人口減に対する対応など、議論するべき課題はたくさんある。
なにより、安倍首相自身が、「国難」を突破するため、として衆議院を解散したのだ。
その選挙結果を受けて、「国難」にどう対応するか、国会でしっかり説明し、質問に答える義務が、安倍首相にはある。
言論の府である国会で、活発な議論が行われてこそ、民主主義国家だろう。
野党議員も、選挙前や選挙中の諸事情にとらわれたり、責任追及の内輪もめなどをやっている場合ではない。
せっかく国民の代表として選ばれたのだから、この点については一致結束して、国会での審議を行うよう求めるべきだ。
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「安全保障の面でも極めて難しい状態になってきたという状況にあって、
誰をリーダーにするかを、有権者の方々で真剣に考えていただいた結果だと思っている」
これを聞いて、ふと、原発事故直後の計画停電のことを思い出しました。
国民の命や暮らしなど、彼らにとっては何の意味も価値も無いのです。
ただただ、どれだけの金が吸い取れるか、だから数ぐらいなのです、気になるのは。
なので、災害が起きようが、人災や事故が起きようが、それで多くの国民が命を落としたり傷ついたりしようがお構い無し。
形だけの見舞いや訪問をして、形だけのお見舞いの言葉を言って、それでおしまい。
ひどい時には、被害が出始めていても、どこかでゴルフをしていたり、寿司を食べたりしていることもあります。
そういう、人間としても極めて劣化しているとしか言いようがない、同じ顔ぶれの人たちが、劣化の極みとも言えることを言い出しました。
これです。
いやもう、加計学園疑獄で真っ黒クロ助の萩生田さんが言うと、ブラックジョークを通り越して、お前が言うな!と大声で叫びたくなります。
ついでにこの萩生田さん、こんなトンデモなことも言い始めていて、この発言の真意も質すべきだと思います。
http://bogonatsuko.blog45.fc2.com/blog-entry-1500.html
それにしても、『直近の民意』って…。
絶対得票率でいうと、自民党が獲得したのは、比例代表選挙で約17%、 小選挙区で約25%です。
支持率も相当に低い。
それなのに、議席数=民意っていう誤魔化しが通じると思っているほど、わたしたちは舐められているのですね。
それとも、通じてしまっているんでしょうか?
まさかそんなこと…。
政権の在り方をチェックする野党に、質疑の時間を多く持たせるのは、国会議論において必要です。
そうでなければ、政権はすぐに暴走するからです。
それでなくても、とっくに暴走をし続けている政権に、これ以上何も譲ってはなりません。
そんなに開いて欲しけりゃ仕方がない、臨時国会を開いてやるよ。
その代わり、質問時間はこれまでの半分以下だ。
本当に情けない、恥知らずな政権です。
それでなくても、前回の記事で紹介したように、日本語として成り立っていない答弁をダラダラ続けるわけですし、
質疑にしても、あらかじめその内容を伝えておかなければならないという、極めて愚かな決まりがあります。
質問に対する答弁を、どこの誰が書き上げているのか知りませんが、答える側の認識力など必要がない、だからどんどん議員の質が落ちていく原因になっている、そういうバカバカしい決まりを中止できないでいるのです。
この変更には、野党は絶対に応じないでください。
国会を開いてもらえるなら…などと、折れたりしないでください。
国会の質をこれ以上、悪化させないでください。
安倍首相がご満悦だった、秋葉原でのリベンジ演説では、『大人の塚本幼稚園』と揶揄された、こんな光景が広がりました。
かつて、安倍夫妻両人が絶賛していた、森友学園経営の塚本幼稚園では、まだ幼い子どもたちが、日の丸を振ったり、教育勅語を大声で唱えたり、運動会での宣誓に、「安倍首相がんばれ」と右手を挙げて連呼したり、安保法制よかったですなどと言わされていたのです。
その姿を見て、当時名誉校長だった昭恵夫人は、涙まで流して喜んでいました。
そういうふうに、自分たちの耳に心地良い言葉を言う人間なら、年齢を問わずに歓迎し、耳障りなことを言ったり従わない人間なら、「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と指を差して叫ぶ。
この日の丸を手に「安倍首相!」と連呼していた人たちの多くは、わたしたちと同じ、搾取されるだけの庶民だと思うのですが、
なぜこんなふうに、諸手を挙げて応援できるのでしょうか?
消費税がいくら上がっても平気で、年金が支払われなくなりそうでも構わなくて、残業代がゼロになってもオッケーで、アメリカだけに向けられたいるミサイルを使って危機を煽り、自分や家族が徴兵される可能性も良しとする。
だって、自分は安倍さんを応援している権力側の人間だから。
もしもそんな能天気な考えを持っているとしたら、自分を取り巻く状況認識力の無さは、まさに幼児レベルです。
『大人の塚本幼稚園』というのは、かなり実情に沿った揶揄なのかもしれません。
「一国の政治というものは、国民を映し出す鏡にすぎません。
政治が国民のレベルより進みすぎている場合には、必ずや国民のレベルまでひきずり下ろされます。
反対に、政治のほうが国民より遅れているなら、政治のレベルは徐々に上がっていくでしょう。
国がどんな法律や政治をもっているか、そこに国民の質が如実に反映されているさまは、見ていて面白いほどです。
これは水が低きにつくような、ごく自然のなりゆきなのです。
りっぱな国民にはりっぱな政治、無知で腐敗した国民には腐りはてた政治しかありえないのです」
(出典:「スマイルズの『自助論』エッセンス版」P17より)
この『大人の塚本幼稚園』国民が、日本の中のほんの一部の人たちであることを祈りながら、
この新たな立憲野党の街頭演説に聞き入る人たちが、日本の中の大勢を占めるような社会の実現を、心の底から願っています。
そして今回の選挙で、支えることに徹し、それがために自党の議席を大幅に減らすことになった共産党へのリスペクトを、強く強く感じています。
国会の軽視、というより、もはや国会の意味すら理解していない安倍政権に対し、言いたいことをまとめました。
では、さらに基本に戻り、なぜ国会を開かなければならないのかを考えましょう。
その答えは、以下の江川さんの説明を読んでください。
ますますもって、今の国会の惨状がわかります。
特に、以下の部分は、わたしたちが求めるべきことだと思います。
国会での審議を行いなさい!
一人一人の主権者が声をあげましょう!
森友・加計問題のほかにも、九州北部豪雨や台風21号の被害に対する対策、北朝鮮問題、過労死を防ぐ働き方を巡る問題、少子化・人口減に対する対応など、議論するべき課題はたくさんある。
なにより、安倍首相自身が、「国難」を突破するため、として衆議院を解散したのだ。
その選挙結果を受けて、「国難」にどう対応するか、国会でしっかり説明し、質問に答える義務が、安倍首相にはある。
言論の府である国会で、活発な議論が行われてこそ、民主主義国家だろう。
野党議員も、選挙前や選挙中の諸事情にとらわれたり、責任追及の内輪もめなどをやっている場合ではない。
せっかく国民の代表として選ばれたのだから、この点については一致結束して、国会での審議を行うよう求めるべきだ。
******* ******* ******* *******
国会での議論が必要だ
【江川紹子】2017年10月26日
https://news.yahoo.co.jp/byline/egawashoko/20171026-00077397/
政府・与党は、衆議院総選挙後の特別国会を、11月1日から8日間の日程で開くことを決めたが、安倍首相は所信表明を行わず、そのうえ年内に臨時国会も召集しない見通しだという報道に接して、唖然としている。
せっかく選んだ国会議員に、なぜ議場で仕事をさせないのか。
特別国会を短期間で閉じるのであれば、改めて臨時国会を来月中に開くべきだ。
1年に5か月余りしか国会を開かない?!
1月20日に始まった通常国会が、6月18日に閉じられた後、野党が臨時国会の開催を求めたが、政府・与党は応じないままだった。
9月28日に冒頭解散した臨時国会を含めても、今年国会が開かれていた期間は151日。
このまま臨時国会を開かなければ、国会開会期間は、1年にわずか5ヶ月間余り。
平成に入って、もっとも国会を開いた期間が短い年になる。
昨年8月3日に、現在の自称「仕事人内閣」が発足したが、閣僚らは、一部委員会での閉会中審査で答弁した者を除いて、国会に対する説明をすることもなく、そのチェックを受けることもない事態が、来年の通常国会まで続くことになる。
安倍首相は、通常国会終了後の記者会見で、森友・加計問題などでの自らの答弁態度について、「深く反省している」と述べた。
9月の衆議院解散を明らかにした記者会見では、そうした問題について、今後も「丁寧な説明」をしていくと語った。
選挙後には、「自民党に対する厳しい視線があることをしっかり認識をしながら、この勝利に対して謙虚に向き合っていきたい」と述べた。
こうした「反省」や「丁寧な説明」や「謙虚」な姿勢は、口だけのものなのか。
安倍首相は、国権の最高機関である国会を、もはや政府・与党の方針を追認するための機関と見ているのではないか。
ここまで国会を軽視する首相は、これまでいただろうか。
前回の冒頭解散の後は…
平成に入ってから昨年までの間で、一年間の会期が最も短かかったのは、平成8(1996)年の180日だ。
この年は、今年と同じように、9月27日開催の臨時国会の冒頭で、衆議院が解散された。
小選挙区比例代表並立制での初めての総選挙が行われ、自民党が勝利。
それまで連立内閣を構成していた社民党・新党さきがけが、閣外協力に転じ、3年ぶりの自民党単独内閣となった。
11月7日に召集された特別国会の会期は、6日間だった。
しかし、特別国会閉会から17日後の11月29日には、臨時国会を召集し、橋本龍太郎首相は、衆参両院で所信表明を行い、各党からの代表質問を受けた。
自民党は、選挙には勝ったとはいえ、この時期には、様々な不祥事が相次いでいた。
組閣の当日、政界への金のばらまきや、官僚接待の疑惑がかけられている石油卸商が逮捕された。
特別養護老人ホームをめぐる汚職事件で、臨時国会召集の当日、厚生省前事務次官が、東京地検特捜部の事情聴取を受けた。その後前次官は逮捕される。
橋本首相は、所信表明を、
「最近、行政に対する信頼を失墜させる事態が続いたことは、ざんきにたえない」「政治の責任も痛感している」と、不祥事に関する陳謝から始めざるをえなかった。
それでも、自らの政治課題である行政改革についての考えを語り、「身を燃焼させ尽くしてもやり抜きます」と、強い意気込みを見せた。
この臨時国会の会期は、12月18日までの20日間。
審議では当然、不祥事も議題になり、橋本首相が陳謝した。
会期中に、10法案が可決された。
野党からの追及や、メディアの批判がある中でも、橋本首相はそこから逃げず、自身がこれからやろうとしている政策について語り、質問にも答え、国民に理解と協力を求めた。
なぜ、安倍首相にそれができないのだろう。
「国難」にどう対応するのか説明せよ
森友・加計問題のほかにも、九州北部豪雨や台風21号の被害に対する対策、北朝鮮問題、過労死を防ぐ働き方を巡る問題、少子化・人口減に対する対応など、議論するべき課題はたくさんある。
なにより、安倍首相自身が、「国難」を突破するため、として衆議院を解散したのだ。
その選挙結果を受けて、「国難」にどう対応するか、国会でしっかり説明し、質問に答える義務が、安倍首相にはある。
言論の府である国会で、活発な議論が行われてこそ、民主主義国家だろう。
野党議員も、選挙前や選挙中の諸事情にとらわれたり、責任追及の内輪もめなどをやっている場合ではない。
せっかく国民の代表として選ばれたのだから、この点については一致結束して、国会での審議を行うよう求めるべきだ。
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