シアトルから車で1時間ぐらいのところにあるオリンピア、そこに夫の弟Jと彼の息子のAが暮らしている。
Jは東海岸と都会が嫌いで、大学卒業後からずっと西海岸に居着いているので、同じ国にいてもたまにしか会えない人だ。
今回とうとう西海岸への小旅行を決めたのは、次男くんたちがシアトルに引っ越したこと、Eちゃんのご両親もシアトル近辺におられること、そして厳しい闘病を終え、晴れてサバイバーとなったJに会いたかったから。
というわけで、オリンピアに到着したその日、Jの案内でここに来た。
空は快晴、見渡すかぎり枯れ草の小山だ。
夫が、韓国ドラマでよく見るお墓みたいだと言う。まさに。
これはなんのシンボルなんだろうかと寄って行ったら、蜂がブンブン飛び交っていたので慌てて逃げた。
写真だけだとわからないのだけど、容赦無く照りかかる直射日光がジリジリと皮膚を焦がしていく中を、延々と歩き続けた。
渇水状態でも苔は蔓延っている。
お次は家から歩いて数分の、サウンド(スペルもSound/音と同じだけど、意味は海峡とか湾のこと)の端っこに行った。
ほぼ湖に見える。
苔に侵食されて弱ったのか、弱ったから苔に覆われてしまったのか。
Jの家。手前の建物は彼の木工作業場。
オリンピア第2日目。
今度は車で20分ほど離れている、これまたサウンドの端っこにある湿地帯をテクテク歩くの巻。
木材で作られた道を、再び延々と歩く。
道の両側は、森や湿地やサウンドがかわるがわる顔を見せる。
今は使われてないっぽい巨大な倉庫。
木がどれもこれも境内の御神木並みにでかい。
オリンピア三日目。
今度はサウンドの上を延々と歩く。
ここがほんとにほんとのサウンドの終点。塩っ辛いかどうか降りて行って舐めてみたかったけど、地面が足を取られそうだったのでやめた。少しは大人になったのかも。
いよいよ海上の道に入る。
引き潮時だったので、いろんなものが露出していた。
終点が遥か彼方に。道はまだまだ続く。
海鵜の集団。
アサリがおっきなバケツ百杯ほど獲れそう。
まだまだ続く。
この気怠そ〜な鳥さんたちは誰だろう?風が四方からビュンビュン吹き荒れている中、揺れながら足はびくとも動かないのだった。
こんもりとした森。
風の渦に飲み込まれてしまったみたいな音に包まれながらこんな景色を見ていると、なんだか世紀末の世界に迷い込んだような気になる。
ここにもサウンドの尾っぽが。
途中の休憩所で一休み。
我々はここ(赤い矢印)にいるらしい。
終点まで行きたいのかと途中で聞かれ、もちろん!と答えてしまう自分を心の中でバカバカバカ!と罵るもう一人のわたし…でも頑張りました、はい。
サウンドから離れて駐車場に戻る道すがら、トトロが隠れていそうな穴を見つけた。
頭を突っ込もうとするわたしに、熊がいたらどうする!と叱る夫。いや、おらんて😅
ここの森も弱った木がいっぱい。
真ん中の木は、海鵜の糞被害に遭って枯れてしまったそうだ。
帰り道にもう1箇所、サウンド見学。
ここで聞こえてきたのが…。
不気味な鳴き声
ここは少し前までコウモリの棲家になっていたらしい。彼らはここからシアトルに通っていたそうな。
けれども何やら問題があって、数はかなり減ったらしい。ちゃんと話してくれたのにすっかり忘れてしまった😭。
ここも枯れ野原だったけど、珍しく花を見つけた。
鬱蒼とした森の中を歩く。
Jは優れたコンピュータープログラマーで、木工を趣味にしているのだけど、わたしからすると趣味の域はとお〜に超えているように思える。
彼の作品が家のあちこちで息づいている。
彼は釘を一切使わない。
石谷夏樹さんという、日本人の家具デザイナー&制作家の大ファンで、彼と同じく金具を使わずに木組みで作る。
ISHITANI - Making Amiisu Chairs with Paper cord seat
Jの木組みはどんどん複雑化していって、それらをうまくはめ込むことだけでもとても難しい。
この椅子は中でも最高に難しかったらしい。
経過の苦労と手間を聞いているだけでも深いため息が出るのだけど、実物を見て、手で触って、椅子に座ったり、引き出しを開けたり閉めたりしているだけで、生まれ変わった木の幸せそうな顔が思い浮かんできて、こっちまで幸せな気分になる。
何年分?
Jも息子のAも料理が得意。しかも手の込んだものを作る。
滞在中の食事は全部、彼らの手作り料理で、こちらのベーベキューコンロと中華鍋用の強烈強火コンロが大活躍。
うちのカエデの爺さんと同じく、この家の主。
ダーツ好きのJはここでも遊ぶ。けれどもこれは家の壁を傷つけないためにゴム製なので、的を狙うのはかなり難しい。
Googleで検索すると、この家の周りだけ森になっていて、屋根が全く見えない。
カエルがよくハスの葉っぱの上にいるらしい。
ブドウの木もある。
こんなガレージ、いいなあ…。
前の家主が猫好きだったみたいで、遊び場がいっぱい。
玄関前の敷石
そのすぐ横に、なぜか巨大なピンクの水晶岩がゴロンと置かれている。
朝晩は肌寒いので、薪ストーブに火が入った。
観光案内から食事の世話まで何もかもしてもらったおじゃま虫は、これで退散いたします。
次は最後のレーニア山&シアトル再び編