ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

音程

2008年09月24日 | 音楽とわたし
8月丸っぽ+9月の今日まで休みだったコミュニティバンドの練習が始まりました。
先週の土曜日にちょっと吹いたとはいえ、サボりにサボってたので、唇がビリビリしびれています。
新年度の初回、かなりたくさんの新入りさんがいて、しかも金管楽器の低音族が増えて、響きがうんと豊かになりました。
やっぱり低音っていいわぁ~
どっちかっていうとキャラキャラしてるクラリネットのパートで座っていると、あの響きがとても心地良いのです

今日、初めての人達に挟まれて吹いていたのですが、ちょっと苦しかったのは音程のこと。
左横の、ナオミというアメリカン女性、もともと楽器が低めなのか、どんなにこちらで低く調整しても、どうしてもズレるのです。
こんな時、絶対音感があるってのはかなりマイナスになってしまいます。
吹いてる間中、とんでもない耳鳴りがしてるような状態になり、それだけでとても疲れてしまうのです。
途中でなんとか無視しようと頑張ってみたのだけど、彼女も久しぶりに演奏できて楽しそうだし、
そんな気持ちに水をかけるようなことはできないし、かといってこの耳鳴り、たまらんなあ~と思いながら吹いてました。

今からもう35年も前になるので、ひと昔どころかひと昔×3.5前の話です。
高校の新入生のクラブ勧誘の、かなり怪しいお兄さんに拉致されて、薄暗い部室の机の上に置かれた入部届けに名前を書き込んだあの日から、わたしのクラリネットとの付き合いが始まりました。
丁度、県のブラスバンドコンクールの入賞にこぎつけた頃のバンドだったので、練習はそれなりに厳しく、
けれども『やったるで~!』みたいな活気もあって、わたしはその雰囲気が気に入りました
朝早くから夜遅くまで(その頃の高校生は、夜8時ぐらいまで練習できちゃったんですね)、それから昼の休み時間も、
それからそれから、家に戻ってからも(あまりにうるさい音なので、分厚い掛け布団を頭から被って)練習していました。
まあ、あれだけやったらうまくなるのも当たり前なんですが、あの当時のわたしはかなり生意気で、1年生のくせに言いたいこと言うてたので、もしかしたらイヤなヤツだったかもしれません。
でも、15才の時に中二階から真っ逆さまに落っこちた事故の後遺症で握力が極端に低下してしまい、ピアノがろくに弾けなくなっていたので
そんな時にたまたまクラリネットが演奏できたのはラッキーでした。
家のごたごたも、継母の極端な意地悪も、後遺症のキツい治療も、やくざさんからの楽しい脅迫電話も、
なにもかも忘れて音楽の世界にどっぷり!
ピアノみたいにたった独りではなくて、大勢で一つ一つの音を布地のように織り込んでいくあの楽しさ、
自分がひとりぼっちじゃなくて、みんなと一緒で、目の前にある楽譜に集中しながら、指揮者や他の演奏者に気持ちを合わせる。
こういう音の楽しみ方もあるのかって、練習中に嬉しくなってきて、周りのみんなを見渡したりしてました

そのバンドでも、続きで入ったコミュニティバンドでも、それからたまに演奏させてもらった名古屋のオーケストラでも、
日本のバンドは、たまたまだったのかもしれないけれど、音程にとても厳しかったんです。
音程をきちんと合わせるのは当たり前。前提のまた前提。そういう世界で吹いてきたので、
こちらのコミュニティバンドの、合う時は合うけど、それ以外はまあしゃあないんちゃう?みたいな気風が気になって気になって、
なかなかのストレスになっているのが正直なところです
まあ、練習は毎週火曜日の7時から9時まで、仕事を終えてからのひと時なので、
そんな固いこと言わんと楽しもうや、と思いたいのだけれど、
あともう数ヘルツでいいから歩み寄ってくれません?なんて、やっぱり文句タラタラのイヤなヤツ、ですかね?


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