ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

報道特集が取材してくれた「組織委現役職員」と「ボランティアの現状を調べる19歳の学生」と「輸送ボランティア」の方々の思い、ここにもう一度!

2021年06月18日 | 日本とわたし
もう1週間近く前の報道ですが、どうしても残しておきたくて、ビデオが削除されてもいいように記事にしました。

このオリンピックに限らないと思います。
IOCと組織委、そして政治家や大手ゼネコン、広告代理店や派遣業社のバカ儲けのために、優れたスポーツ選手らを隠れ蓑に、開催国をぐちゃぐちゃに混乱させ疲弊させ、犠牲を強いる酷い行事に、いつから成り下がっていたのでしょう?

平時でも酷いのに、今は感染に苦しむ人が少なくない有事です。
それでも絶対に止めない。
こんな非常識で浅はかなことがなぜここまで執拗に押し通されてしまうのか。
その理由がこの特集の中に記されていると思います。

******* ******* ******* *******

特集です。
東京オリンピック・パラリンピックの会場運営について、組織委員会から大手広告代理店などに委託される費用が、国会でも問題になっています。
組織委員会の現役の職員が、私たちの取材に対して、高額の仲介料や報酬が、代理店に流れるカラクリについて詳細に語りました。

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会で、会場準備などを担当する現役職員が、番組の取材に応じた。

組織委・現役職員:
やはりお金の流れというのは、我々も疑問に感じるところでありますので、この実態を知って欲しいなと。

先週国会で問題になった、組織委員会と広告代理店との間で結ばれた、契約文書について聞いた。

これが、バドミントンなどが開催される、武蔵野の森総合スポーツプラザに関する委託契約書だ。


組織委員会の事務総長・武藤敏郎氏と、広告代理店社長・渋谷尚幸氏の印が押されている。

番組は、この文書を前もって職員に渡し、自分が担当する会場の契約書と比較してもらっていた。



さらにこの文書には、運営に関わる詳細な人件費の内訳が記されていた。

ディレクター1人に、1日35万円

40日間で1400万円支払うとも取れる記載だった。

だが、組織委員会は国会で、これは1日あたりの人件費単価ではないと否定した。




人件費単価そのものではない、というふうに認識しているところでございます。
(組織委員会・布村幸彦副事務総長)

だが、職員の認識は違っていた。

現役職員:
これは1人当たりの単価だと思います。



さらに職員によると、

現役職員:
一般的な感覚からしたら有り得ない数字かなと。

組織委員会と広告代理店の間で結ばれた委託契約書。

武蔵野の森総合スポーツプラザでは、計画策定のディレクターに1日25万円、大会準備業務のディレクターに1日35万円、会場運営にあたる運営統括に1日20万円と記されている。


組織委員会の現役職員は、これらを同一人物が兼ねる場合もあると聞いている。

現役職員:
計画の策定業務にあたった人が、もちろん大会に向けての準備業務も行いますし、本番業務も行うということですので、まあこれは同一人物に支払われる額なんじゃないかと思います。
Q:
いくらになるんですか?
現役職員:
合計で(1日)80万、ですね。
一般的な感覚からしたら有り得ない数字だな、本当にいびつだなと思います。
Q:
なんでこんないびつな構造なんですかね?
現役職員:
それにはやはり、政治的なものが絡んでいたりとか、利権的なものが絡んでいるからこそ、こういった額になっているんじゃないかと推察します。

さらに、オリンピック会場の運営費用の見積もり額を記した1枚の文書がある。

業務を組織委員会から請け負っているのは、大手広告代理店など9社だ。

予算規模が最も大きいオリンピックスタジアムでは、

35億円あまりが支払われることになっている。

現役職員は、この文書には、組織委員会から代理店などに支払われる不透明な金の流れが隠されていると証言する。

現役職員:
実際の現場の運営にあたるのは下請けですので、我々は当然、直で現場の業者とやりとりさせていただくこともありますので。
で、広告代理店は、その仲介をするのみ、うん、契約の仲介をするのみという状況ですね。

職員が担当するオリンピック会場では、組織委員会から運営の仕事を委託された広告代理店は、下請の会社にその仕事を再委託しているが、

それだけで特別な報酬を得ているという。
それが…。

確かに文書には、管理費という項目がある。
10%、15%という割合が示されている。

Q:
ご自身が担当している会場はどれぐらいなんでしょうか?
現役職員:
同様に、10から15%、ですね。
Q:
それを広告代理店が取っていると?
現役職員:
はい。

オリンピックスタジアムの場合、委託費の総額は35億円あまり。
管理費は10%に設定されている。

職員の会場と同じルールであれば、35億円あまりが委託された会社の収入になる計算だ。

現役職員:
我々委託する側からしても、やはりそこは疑問に感じざるを得ない。
広告代理店と契約するより、実際に運営する業者と直で契約したい。
それが本来あるべき姿だと思います。

実際に、組織委員会内部でも、代理店などを通さず、現場の業務を行う業者と直接契約すべきという問題提起があったという。

現役職員:
直で事業者と契約さ契約させてくださいと、異を唱えた部署もあったと聞いています。
Q:
その意見というのはその後どうなったんですか?
現役職員:
現状は以前と変わらず従前通りになっていますので、ということは聞き入れてもらえなかったんだなと。

この管理費について国会で問われた丸川オリンピック担当大臣は、

丸川五輪相:
業務を担当する部署以外の経費からなるものであると。
この経費は多いか少ないかというのはわかりませんけれども、一般的にそのように取り決めていると。

今回証言をした現役職員は、肥大したオリンピックの経費に胸を痛めているという。

現役職員:
組織委員会の経費で賄いきれない部分は、東京都、ないし国の負担に、税金で賄われると思いますので。
まあこういうコロナ禍で失業率も増えていて、そういった人に対する福祉が当然
重要な中で、そういったお金の使われ方をしているっていうのは、やるせないと言いますか、許せないと言いますか…有り得ないことなんじゃないかなと思います。

さらに、国、東京都に望むこととして、こう語った。

現役職員:
国民の皆さんの税金を使って、この大会を開催する以上は、やはり適正な金額で、適正なお金の流れで運営できるように。
お金を出す国や東京都が物申せば、そういった体質も解消される部分があると思いますので、ぜひ実態を知っていただいて、そういった問題に切り込んで欲しいなと思います。

組織委員会の複数の職員から直接内部告発を受けたという斉木議員は、

立憲民主党・斉木議員:
税金もこれ入ってますし、都の税金も入っているし、パラリンピックはさらに国税も入りますし、これはさすがに渡し過ぎではないかなと思いますね。
内側(資料)を見ると、こんな人件費が積まれている。

現役職員:
とにかく公表しない、外には出さない。
これはちょっと問題があると思いますね。

東京都の職員として、東京マラソンやオリンピック招致に関わってきた鈴木教授は、代理店との契約についてこう語る。

国士舘大学・鈴木友幸客員教授:
2016年の招致やった時も、こういう(費用の)数値の作成っていうのは、全て広告代理店がやってますから。
交渉がほとんどできない状態、っていうか、もう他(の会社)に競争入札ができる状態ではありませんから、ええ、ですから(代理店などの)言い値になってしまう。
Q:
オリンピックの会場運営の業務委託費が、ある一定程度はそのまま請け負った広告代理店の収入になるってことについて、どうお考えですか?
鈴木友幸客員教授:
いくらやむを得ないといっても、これは酷いですよ、やり過ぎですよ。
行政と民間の業務委託という構造の中で、長年培われてきたっていうか、悪い意味で行われてきた慣習の継続です。
それのまた肥大化と言ってもいいです。
(金の使われ方の)根本を、国民の前に曝け出して、やっぱり議論をしてもらうことですよ。

組織委員会との契約について、文書に記された9社に取材を申し込んだところ、8社から回答があった。
だが回答は…。

組織委員会にも、1人1日35万円の記載について取材したが、

組織委の回答:
当該業務を実施するにあたり、必要となる直接経費や、業務をサポートするための関係部門の費用などを含むものです。

これまでの国会答弁と同じ回答だった。
オリンピック開催まで50日を切る中、大会準備に関わる様々な場所で混乱が起きていることが、私たちの取材で明らかになった。
オリンピックの運営に関わる費用は、会場で働くアルバイトの募集現場でも混乱が広がっている。
大学の授業のため、オリンピックの人件費について調べている19歳の大学生。
アルバイトを募集している人材派遣会社に連絡すると…。


人材派遣会社によると、人手がいまだに足りていない
そのため、友人を紹介すると報酬を増やすと言うのだ。

人材派遣会社のアルバイト採用担当者:
ご本人がまず弊社に登録いただいてから、その後、自分の友人とかに紹介して、その友人がお仕事していただければ「紹介料」を支払うって形ですね。
学生:
紹介料っていくらになるんですか?
アルバイト採用担当者:
(友人が)1日お仕事するごとに1000円を(紹介者に)お支払いさせていただきます。上限は無いですね。

10人の友人が10日間働けば、10万円が紹介者に支払われる仕組みだ。
大学生は、さまざまな人材派遣会社に連絡を取ったが、そこでも…。

大学生:
どこも人材を集めるのに苦労していて、もう時給を高くしてでもどんどん人が欲しいみたいな。
もうかなり大判振舞いにお金ばらまいてるのもあったんで、どうなのかなって疑問が生まれてきましたね。

大会の運営にはアルバイトだけでなく、多くのボランティアも関わる。
だが今週、組織委員会は、



築地市場の跡地に並んだ多くの車。

大会期間中、国内外の選手や関係者らを乗せるためのものだ。

ボランティアとしてこの車を運転する予定の男性は、大会まで50日を切る中、自分も辞退するべきか気持ちが揺れていると言う。


男性はここに来て初めて、自分と同じような仕事のアルバイトが募集されていることを知った。

輸送ボランティアの男性:
正直なところ驚きました。
もらえるもんだったらもらいたいという気持ちも当然、あの、お金をもらう人がいるということであれば、そういう気持ちはわいてきますよね。
で、これまで研修も受けてきましたから、それはなんだったの?っていう気もしますよね。

さらに追い討ちをかけたのが、丸川オリンピック担当大臣のこの発言だった。

丸川五輪相:
ボランティアでおいでになっていただくところもあります。
それは、あの、私の承知している限りでは、どのような責任を負ってその職務を果たしていただくかによって、異なろうかと思います。

輸送ボランティアの男性:
ドライバーという仕事を仰せつかってますけれども、本当に命を預かっているのに無償の軽い仕事か?って言いたくなるんですよね。
怒りはありますし、あまりにも知らな過ぎる発言だな。
仕事を本当に知ってるの?実態を知ってるの?

今、組織委員会の内部でも、不安と混乱が広がっている。

組織委・現役職員:
上(幹部)の判断というのは我々も報道で知るレベルなんですね。
幹部が今、どういったことを考えているのか、今、どういう状況なのか、そういう情報共有も現場には為されないっていう…。
(観客数上限の決定について)当初3月と言われていたものが、また先延ばし先延ばしになるっていう、そういったことも全く現場には知らされていないっていう状況で、何も現場の声を拾い上げず、そういった判断をしてしまうっていうことにはちょっと納得がいかないですね。

この職員の支えになっているのが、”アスリートへの思い”だ。

現役職員の男性:
コロナ禍でスポーツより命が優先、それはもっともだと思います。
「中止」を希望するという感覚は当然なんじゃないかなと思います。
ただ一方で、この大会に向けて、それこそ命をかけて頑張ってきたアスリートというのも中にはいると思いますので、このオリンピック・パラリンピックに懸けてきたアスリートのために開催してあげたいという思いで今はやってます。

以上、文字おこし終わり

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