ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

さまよえるオランダ人

2008年12月02日 | 音楽とわたし
これは、今までにブラスバンドをやった人、あるいはやっている人にのみ分かる話です。あしからず。

今夜のコミュニティバンドの練習に、魅惑のピッチグニャグニャウーマンが参加。
それだけでかなり頭がクラクラして、精神的に疲れていたところに、

指揮者のワスコ氏、なにやら嬉しそうに楽譜を配り出し、なにやらすつもりやねん、と覗き込んだら……、

『The Flying Dutchman Overture』どっひゃ~ん!!

日本語名『さまよえるオランダ人』は、ドイツの詩人ハイネが、神罰によって、この世と煉極(←なんですかこれ?)の間を彷徨い続けているオランダ人の幽霊船があり、喜望峰近海で目撃されるという伝説を元にして書いた「さまよえるオランダ人」に、ワーグナーが着想を得て作曲したものです。

英語名が、どうして『空飛ぶオランダ人』になるのか??それは謎です。

前置きが長くなりましたが、この曲、それはそれはややっこしくて、やたらと速くて、どんなに繰り返し練習してもまともに吹けない、
しかもそれがめちゃ重要な、なんちゅうか荒れ狂った海のような、緊張感と荒々しさと暗さを現す部分があるんですね。

高校2年の時、この曲がコンクールの自由曲に選ばれて、っていうかクラブの顧問が勝手に選んだんですけど、
早朝から1時間、昼休みもちょっと、さらに午後の部活で夜まで吹いて、夏の合宿でも唇の皮が破けるまで吹いて、
家に持って帰って掛け布団を頭から被って吹いて、そりゃもう吹いて吹いて吹きまくったのに、
しかもあの頃のわたしは、今の何倍も指が動いて、若くて、エネルギーもあって、根性もあったのに、
たったの1回も、まともに演奏できなかった曲なんであります。もちろんコンクール本番の舞台でも。

いろんな思い出が走馬灯のようによみがえり、ってうそうそ!そんな余裕なんかありません。
必死で指を動かしたけれど、音符を追う目も、クラリネットのキーを押さえる指も、思いっきりさまよえる日本人……
もちろん、楽譜、お持ち帰りです。はぁ~35年も経ってからまた出会うとは思いもよりませんでした
しかもワスコ氏、ゆっくりめになんて言いながら、それって仕上げのテンポやんけ~の速さでガンガン指揮棒振っちゃって。

でも、耳はかなり楽しんだようです。やっぱりワーグナーは金管の低音がお腹の底に響きます。

今年の練習は、来週の火曜日で終わりです。
ってことは、これってもしかして、冬休みの宿題?びぇ~ん!!

 
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