タイトル写真の黒い丸は、世界に存在している核兵器の数を表しています。
その数なんと13,865発…。
その中のたった二つが、広島と長崎に落とされました。
その原子爆弾によって家族を失い、幼い弟の亡骸をおぶり、唇から血がにじむぐらいに歯を食いしばりながら、焼き場の前に立つ少年の写真が、米兵オダネル氏によって残されました。
広島での挨拶文の読み間違いが問題になり、忖度した報道側がテロップを流さなかったというお粗末なお話。
ちなみに菅首相は式典に遅刻したそうです。
それに引き換え、ニュージーランドのアーダーン首相のメッセージは、人の心と知性にあふれています。
アーダーン首相のメッセージ書き起こし(訳はDeepl Translatorとわたしの拙訳のミックスです)
Kia ora koutou katoa.
As the world continues to face the challenge of responding to COVID-19, the 75th anniversary of the atomic bombings in Hiroshima and Nagasaki remind us of the devastating impacts of world events.
世界がCOVID-19への対応という課題に直面し続けている中、広島と長崎への原爆投下から75周年を迎えた私たちは、世界の出来事がもたらす壊滅的な影響を思い起こしています。
In August 1945, the world saw for the first time what nuclear weapons could do.
1945年8月、世界は初めて核兵器の威力を目の当たりにしました。
The consequences were catastrophic, involving unimaginable suffering for those who managed to survive the initial impact and radiation exposure.
その結果は壊滅的なもので、最初の衝撃と放射線被曝から生き延びた人々には想像を絶する苦しみがありました。
Since then we have also seen the disastrous and impact of nuclear testing, including in the Pacific.
Each of the more than 13,000 nuclear weapons in existence today possesses an even greater destructive force than that seen in Hiroshima and Nagasaki.
その後、私たちは、太平洋を含む核実験の悲惨な影響を目の当たりにしてきました。
現存する13,000発以上の核兵器の一つ一つが、広島・長崎で見たものよりもさらに大きな破壊力を持っています。
The use of just one bomb would be devastating and nobody believes a nuclear conflict would end there.
たった一発の爆弾が使われれば壊滅的な打撃を受け、そして誰も核紛争がそこで終わると信じていません。
Millions would certainly die, and the damage to our environment would be irrevocable.
数百万人が確実に死亡し、環境へのダメージは取り返しのつかないものになるでしょう。
Experts have warned that no state, group of states or international organization is able to prepare for or deal with the effects of nuclear war.
専門家は、いかなる国家、国家グループ、国際組織も、核戦争の影響に備えたり、対処したりすることはできないと警告しています。
So if we cannot prepare, we must prevent.
だから、私たちが核戦争が及ぼす影響に備えることができないなら、食い止めるしかないのです。
As UN Secretary-General Guterres has said, the international community must reinvigorate its work on nuclear disarmament to quote “save humanity”.
グテーレス国連事務総長が述べているように、国際社会は、「人類を救う」という言葉を引用して、核軍縮への取り組みを再活性化しなければなりません。
It is not a job that we can leave to others or to future generations.
他人や将来の世代に残すことのできる課題ではありません。
He waka eke noa - we are all in this together.
He waka eke noa - 私たちは全員、共にこの課題に関わっている「運命共同体」なのです。
This is why New Zealand - with a majority of the United Nations membership recently adopted the Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons.
だからこそ、ニュージーランドは、国連加盟国の過半数の賛成を得て、先日、核兵器禁止条約を採択したのです。
I urge all others to join with us and ratifying this landmark Treaty as a necessary step towards the total elimination of nuclear weapons, and in pursuit of global negotiations involving all nuclear weapons possessors to achieve nuclear zero.
この画期的な条約を批准することは、核兵器の完全廃絶に向けた必要なステップであり、すべての核兵器保有国が参加する核ゼロ達成のためのグローバルな交渉に向けて、私たちと一緒に行動することを他のすべての人々に強く求めます。
Only that can be a worthy legacy for those who have suffered the use of nuclear weapons in Hiroshima and Nagasaki, and their testing in the Pacific and beyond.
それこそが、広島や長崎での核兵器の使用や、太平洋やその他の地域での核実験に苦しめられてきた人々にとって、価値ある遺産となり得るのです。