卑劣で汚いにもほどがあります。
人でなしの集団を、これ以上、わたしたちの社会にのさばらせておくわけにはいきません。
(小林よしのり氏・SAPIOより)
******* ******* ******* *******
山口敬之レイプ疑惑はどうなったのか?
詩織さんに相談されていた記者が証言!
作家の中村文則も不起訴の経緯に鋭い分析
【LITERA】2017年7月5日
http://lite-ra.com/2017/07/post-3293.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter
都議選の自民党大惨敗を受け、改めて加計学園疑惑追及の動きが盛り上がってきた。
首相不在ではあるが、閉会中審査や、前川前文科省事務次官の参考人招致が決まり、森友学園と同じような、補助金や政治献金がらみの疑惑も、報じられ始めている。
しかし、同じ安倍政権にまつわる疑惑でも、まったく放置されているのが、
“安倍官邸御用達”ジャーナリスト・山口敬之氏の「準強姦」もみ消し問題だ。
周知のように、この疑惑は5月、「週刊新潮」(新潮社)が報じたあと、
被害者の詩織さんが強い決意のもと、異例の実名顔出しで記者会見に臨み、真相究明を訴え、検察審査会に不服申し立てを行なった。
しかし、新聞やテレビは、会見の直後に、一瞬報道したものの、そのままフェイドアウト。
ネットでは逆に、安倍応援団やネトウヨたちによる、詩織さんのプライバシー暴きや、
〈ジャーナリストになりたい女の売名行為だろう〉
〈詩織の証言には何の証拠もない〉
〈山口敬之氏を貶めるための左翼のまわしものだ〉
〈民進党がバックについている〉といった、悪質な人格攻撃やデマが展開された。
さらに、当の山口氏自身も雲隠れしたまま、フェイスブックで、
〈法に触れる事は一切していません〉とレイプを否定し、
〈当該女性がもし、純粋に不起訴という結論に不満だったなら、時をおかず不服申立していたと考えます〉
〈なぜ、私がメディアに露出するようになってから、行動が起こされたのか〉などと、卑劣な“セカンドレイプ”的反論を行った。
それこそ、加害者や加害者を守った当局は、疑惑に頬被りしたまま逃げ切り、被害者が叩かれるという、理不尽な状況になってしまったのだ。
しかし、ここにきて、詩織さんに対するこうした卑劣なバッシングを、真っ向から否定する重要な証言が、第三者から飛び出した。
■ 相談を受けていた清水潔記者が、「詩織さんの主張は、2年前から変わらない」
7月3日放送の『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送)に、ゲスト生出演したジャーナリストの清水潔氏が、
山口氏によるレイプ事件発生からすぐの、2015年7月の段階で、詩織さんから直接相談を受けていたことを、初めて明かしたのである。
清水氏といえば、公式発表に頼らない、独自の調査報道を重ね、桶川ストーカー殺人事件、北関東連続幼女誘拐殺人事件など、何度も、警察や司法の嘘・欺瞞を暴いてきたジャーナリスト。
その清水氏は、生放送のなかで、こう切り出した。
「この事件について、私はお伝えしなければいけないことがあるなと、前から思っていたので、今日、ちょっとお話させていただきたい。
詩織さんが、記者会見などでいろいろ話をされたときに、ネットなどでは、
『これは政権に対する攻撃なんじゃないか?』『政治利用してんじゃないの?』『本当の話なのか?』みたいな、非常に誹謗中傷、無責任な声があがったんですね。
これについて、否定しておきたいと思います。
実は、私はこの事件、2年前からですね、詩織さんから直接、相談を受けていたんです」
さらに、清水氏はこう続けた。
「私が、詩織さんから相談を受けたのは、その年の7月の末なんです。
本当に、(山口氏が)逮捕されなかったというときから、ひと月ぐらい後だったんですね。
相談に来られたのは、まったく個人的なルートで、私のところに訪ねてきてくれた、ということなんですけど、
そのときの彼女の説明、こんな被害があるんですということと、今彼女が言っていることは、まったく同じなんですよ」
この清水氏の証言は、極めて重要だ。
つまり、詩織さんの発言内容が、事件発生から約3カ月後の段階と、それから2年経った現在とで、首尾一貫していることを、当時から相談されていた人間として、証明したのである。
そもそも、山口氏がレイプ事件を起こしたのは、まだTBSワシントン支局長だった時代の、2015年4月。
アメリカでジャーナリズムを学んでいた詩織さんは、帰国中、山口氏から、仕事のためのビザ取得について話をしようと誘われて、食事に行った。
しかし、2軒目の寿司屋で、突然目眩を起こし、記憶が途絶える。
そして明け方、身体に痛みを感じて目がさめると、ホテルの一室で、裸にされた仰向けの自分の体のうえに、山口氏がまたがっていた。
しかも、山口氏は、避妊具すらつけていなかった。
詩織さんがすぐに、被害を警察に訴えたところ、警察は当初、協力的ではなかったが、
ホテルの防犯カメラに、山口氏が詩織さんを抱えて、引きずる模様が収められていたこともあり、本格的に事件として捜査が始まる。
所轄は、山口氏の逮捕状をとり、15年6月8日には、複数の捜査員が、アメリカから成田空港に帰国する山口氏を、準強姦容疑で逮捕するため、空港で待ち構えていた。
ところが、そこに、警視庁から逮捕ストップの指示が入り、山口氏は寸前で逮捕を逃れた。
■ 詩織さんの告発が「売名」「政治目的」というのはありえない
清水氏も、逮捕状が発布されたにもかかわらず、逮捕されなかったことについて、今回のラジオで、
「まずない。ほとんどないです。ゼロとは言いませんが、よっぽどおかしいんですよ」
「警察官は、なんとかして逮捕したいわけですから」と強調していたが、確かにこれは、異例中の異例のことだった。
清水氏によれば、山口氏のレイプ事件が、すぐにマスコミに報じられなかったのも、詩織さんの告発に信憑性がなかったわけではなく、「逮捕されなかった」ことが大きいという。
「私も結構くどいですから、散々聞いたんですけども、そこ(詩織さんの話は)はまったく変わらない。
だから、信頼性はもともと高いな、というふうに思っていたんだけれども、すぐにこれが報じられなかったというのは、
だいたい『逮捕されました』というのが、本来のニュースのスタンダードなスタイルなんですよ。
ですが、『逮捕されなかった』となると、『ん?』ってことになるんですね。
その(逮捕できなかった)理由が、まずわからない。
そうすると、相当取材をしないと、これは難しいぞ、と。
本当に、誰かが捜査の妨害をした、あるいは捻じ曲げたみたいなことがあったのかどうかってことを、(取材)やっていかなきゃいけないわけです」
しかも、今回の「週刊新潮」の記事も、詩織さんが売り込んだものではなかった。
その後、山口氏が、安倍首相のヨイショ本『総理』(幻冬舎)を出版したり、首相に近いコメンテーターとして、テレビに盛んに登場するようになっていったなかで、
この事件を聞きつけた「週刊新潮」から、清水氏にアプローチがあったのだという。
「取材がしたいということで、僕のほうに紹介があったんですね。
それで、詩織さん本人とも相談をして、ご本人も、ぜひきちんと、私はこれを世に出したいんだ、という。
私もそこは同じだったので、じゃあ週刊誌の記者と会ってみますか? ということで、紹介をして、そして『週刊新潮』が取材に入ったんですね」
そして、「週刊新潮」は、詩織さんの証言を裏付ける、様々な証拠をつかむ。
そのなかでも決定的だったのが、くだんの15年6月に、山口氏が逮捕直前の空港で、逃れることができた内幕をめぐる“一級の証言”だ。
「週刊新潮」の直撃に対して、菅義偉官房長官の右腕といわれる、エリート警察官僚・中村格刑事部長(事件当時)が、「私が決裁した」と認めたのである。
ここで初めて、山口氏の逮捕取りやめが、官邸と近い警察官僚の指示だったという、紛れもない証拠が出揃ったのだ。
「DNA鑑定なんかも行われていて、そういう意味で、元TBSジャーナリストと性的関係があったのは、もう科学的にも証明されているんですけども、
そのうえでとった逮捕状が、逮捕直前、成田空港で容疑者が戻ってくるときに、逮捕を待ち構えていたら、(捜査員に)電話が入って『やめだ』という話になった、と。
全然わからないままね、事態が進んでいったわけですね。
その状態が明らかになっていくのに、この2年の月日がかかったんですよ。
ようやく、形が見えてきたわけですね」
つまり、こうした裏どり取材によって初めて、山口氏の「準強姦疑惑」は、記事として世に出ることとなり、
それを受けて、詩織さんは、記者会見を開くことになった。
それが、この間の経緯に他ならない。
詩織さんの告発が、ネット右翼たちが言うような、「売名」や「政治利用」などということは、ありえないのだ。
■ 中村文則が見抜いた山口レイプもみ消しの不可解な経緯
清水氏は放送後、ツイッターで、
〈生番組なので舌足らず、説明不足もあります。
今回の放送は、事前に、詩織さんと相談のうえでの事です。
そのうえで、彼女が2年前から被害を訴えていたこと、しかし、逮捕中止の闇が明らかになるには、時間がかかったことを伝えたかったからです〉と述べている。
実際、詩織さん自身も会見で、検察審査会への不服申し立てに時間がかかったことについては、
ホテルの防犯カメラやDNA鑑定、タクシー運転手やベルボーイなどの証言等の、証拠申請の準備が必要だったからだときちんと説明したが、
第三者である清水氏の証言によって、それも事実であることが明白になった。
だとすれば、やはり言うまでもなく、この間トンズラを決め込み、ましてやフェイスブックで、詩織さんの「売名」だと印象づけようと、デタラメを吹いた山口氏は、改めて、公の場で説明する必要があるだろう。
いや、山口氏だけではない。
逮捕をつぶした、警視庁の中村格氏や、その背後にいるといわれる菅官房長官らも、きちんと説明責任を果たすべきだ。
実は、この山口氏の準強姦事件が、もみ消された経緯について、意外な人物が、鋭い分析をしている。
それは、作家の中村文則氏だ。
中村氏といえば、売れっ子小説家には珍しく、安倍政権批判をはじめ、踏み込んだ社会的発言をすることで知られているが、
毎日新聞7月1日付愛知版で、「疑問に思う出来事があった」として、この事件に言及している。
それは、山口氏の不起訴決定時期と、『総理』の刊行時期の関係についてだ。
山口氏は、前出のフェイスブックの反論で、
〈不起訴処分は、すでに昨年7月に、全ての関係者に伝えられています。
私はこの結論を得て、本格的な記者活動を開始しました〉などと言っているが、これは大嘘だった。
逮捕を免れ、書類送検となった山口氏に、不起訴の決定が下ったのは、確かに2016年7月だったが、
フリーになった山口氏が、処女作『総理』を出版し、同時に「週刊文春」(文藝春秋)で集中連載を始めたのは、それよりも前の、2016年6月9日。
つまり、山口氏は、不起訴より1カ月も早く、記者活動を開始していたのだ。
中村氏が疑問に感じたのは、まさにそのことだった。
中村氏はこう指摘する。
〈そもそも、首相の写真が大きく表紙に使われており、写真の使用許可が必要なので、少なくとも首相周辺は、確実にこの出版を知っている(しかも選挙直前)。
首相を礼賛する本が選挙前に出て、もし、その著者が強姦で起訴されたとなれば、目前の選挙に影響が出る〉
〈でも、山口氏の「総理」という本が、16年6月9日に刊行されているのは事実で、これは奇妙なのだ。
なぜなら、このとき彼はまだ、書類送検中だから。
しかも、その(『総理』発売日の)13日後は、参議院選挙の公示日だった。
だから、この「総理」という本は、選挙を意識した出版で、首相と山口氏の関係を考えれば、応援も兼ねていたはず。
そんなデリケートな本を、なぜ山口氏は、書類送検中で、自分が起訴されるかもしれない状態で、刊行することができたのか〉
■ 『総理』が不起訴決定より早く出版された意味
そして、それは、山口氏がなんらかのルートを使って、起訴がないことを事前に把握していたからではないか、と中村氏は分析するのだ。
〈山口氏が、絶対に自分は起訴されないと、なぜか前もって、確実に知っていたように思えてならない。
それとも、起訴にならない自信があった、ということだろうか。
でも、冤罪で起訴されることもあるから、一度は所轄が逮捕状まで取った事案なのだから、
少なくとも、自分の不起訴処分が決定するまで、この種の本の刊行は、普通できないのではないだろうか〉
中村氏はこれ以上、具体的なことを書いていないが、この間、出てきた中村格氏や、内閣情報調査室トップの北村滋情報官との関係を考えると、
裏で官邸が動き、首相のお友だちである山口氏に、いち早く不起訴を知らせていた(あるいは、不起訴になるようにもっていった)可能性は十分あるだろう。
そして、山口氏の、前述のフェイスブックの反論は、嘘をついたわけではなく、事前に知らされていたため、
不起訴決定後に本格的な記者活動を開始したと、自分で錯覚してしまったということなのかもしれない。
いずれにせよ、この山口氏によるレイプ事件は、普通は考えられないような不自然なことや、不可解なことがいくつもある。
山口氏や官邸は、このまま逃げ通そうとするだろうが、そんなことは決して許してはいけない。
清水氏は、
「司法が歪められているとしたならば、とてつもない問題。
他人の問題でなく、自分の問題として、考えなければいけないと思いますね」と語っていたが、
これは、ひとりの女性の問題ではなく、すべての国民にふりかかる可能性がある、重大な不正だ。
今後も、徹底的に追及する必要がある。
(編集部)
******* ******* ******* *******
週刊新潮の記事によると、
このレイプ犯の山口敬之を救ったエリート警察官僚・中村格刑事部長(事件当時)は、警察庁総括審議官に、内閣情報官の北村滋が官房副長官に、それぞれ栄転するそうです。
ちなみにこの二人は、前川前事務次官の証言実行を知り、読売新聞に『前川潰し』の記事を書くよう誘導した張本人でもあります。
さらに内閣調査室が、詩織さんの弁護士が山尾志桜里夫妻と仲が良いことを利用して、
民進党の党利党略で告発を仕組んだかのような、「印象操作」のためのチャート図を、マスコミに配布していたということなのですが…。
下劣過ぎて、どう言葉にすればいいのかわかりません。
まあでも、有り得ないことではないと思われるのは、これまでにも、安倍政権に物を申した人たちに対する、有りもしないことを並べた誹謗中傷の数々を知っているからです。
彼らには権力も金もあります。
だから、話を作ることも、過剰に身辺調査をすることも、そしてそれをマスコミを使って垂れ流し、彼らに都合の良い話を広げることもできます。
それをこれまでで一番、露骨に、破廉恥に、やりたいだけやっている安倍政権だから、有り得ないことではありません。
政治のみならず司法にまで、薄汚い手を伸ばし歪めていることが、ここまで立証されているのです。
しっかりと、とことん追求していかなければなりません。
記者のみなさん、今後は曖昧な答弁を許さず、納得のいく説明を得るまで、徹底的に食い下がってください!
何度でも、何時間でも、相手が嫌気を差そうが差すまいが、信念を持って堂々と、追求してください!
これほどの事件を起こしておいて、フェイスブックに言い訳を並べて済ませているような男を、いつまでも野放しにしないでください!
人でなしの集団を、これ以上、わたしたちの社会にのさばらせておくわけにはいきません。
(小林よしのり氏・SAPIOより)
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山口敬之レイプ疑惑はどうなったのか?
詩織さんに相談されていた記者が証言!
作家の中村文則も不起訴の経緯に鋭い分析
【LITERA】2017年7月5日
http://lite-ra.com/2017/07/post-3293.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter
都議選の自民党大惨敗を受け、改めて加計学園疑惑追及の動きが盛り上がってきた。
首相不在ではあるが、閉会中審査や、前川前文科省事務次官の参考人招致が決まり、森友学園と同じような、補助金や政治献金がらみの疑惑も、報じられ始めている。
しかし、同じ安倍政権にまつわる疑惑でも、まったく放置されているのが、
“安倍官邸御用達”ジャーナリスト・山口敬之氏の「準強姦」もみ消し問題だ。
周知のように、この疑惑は5月、「週刊新潮」(新潮社)が報じたあと、
被害者の詩織さんが強い決意のもと、異例の実名顔出しで記者会見に臨み、真相究明を訴え、検察審査会に不服申し立てを行なった。
しかし、新聞やテレビは、会見の直後に、一瞬報道したものの、そのままフェイドアウト。
ネットでは逆に、安倍応援団やネトウヨたちによる、詩織さんのプライバシー暴きや、
〈ジャーナリストになりたい女の売名行為だろう〉
〈詩織の証言には何の証拠もない〉
〈山口敬之氏を貶めるための左翼のまわしものだ〉
〈民進党がバックについている〉といった、悪質な人格攻撃やデマが展開された。
さらに、当の山口氏自身も雲隠れしたまま、フェイスブックで、
〈法に触れる事は一切していません〉とレイプを否定し、
〈当該女性がもし、純粋に不起訴という結論に不満だったなら、時をおかず不服申立していたと考えます〉
〈なぜ、私がメディアに露出するようになってから、行動が起こされたのか〉などと、卑劣な“セカンドレイプ”的反論を行った。
それこそ、加害者や加害者を守った当局は、疑惑に頬被りしたまま逃げ切り、被害者が叩かれるという、理不尽な状況になってしまったのだ。
しかし、ここにきて、詩織さんに対するこうした卑劣なバッシングを、真っ向から否定する重要な証言が、第三者から飛び出した。
■ 相談を受けていた清水潔記者が、「詩織さんの主張は、2年前から変わらない」
7月3日放送の『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送)に、ゲスト生出演したジャーナリストの清水潔氏が、
山口氏によるレイプ事件発生からすぐの、2015年7月の段階で、詩織さんから直接相談を受けていたことを、初めて明かしたのである。
清水氏といえば、公式発表に頼らない、独自の調査報道を重ね、桶川ストーカー殺人事件、北関東連続幼女誘拐殺人事件など、何度も、警察や司法の嘘・欺瞞を暴いてきたジャーナリスト。
その清水氏は、生放送のなかで、こう切り出した。
「この事件について、私はお伝えしなければいけないことがあるなと、前から思っていたので、今日、ちょっとお話させていただきたい。
詩織さんが、記者会見などでいろいろ話をされたときに、ネットなどでは、
『これは政権に対する攻撃なんじゃないか?』『政治利用してんじゃないの?』『本当の話なのか?』みたいな、非常に誹謗中傷、無責任な声があがったんですね。
これについて、否定しておきたいと思います。
実は、私はこの事件、2年前からですね、詩織さんから直接、相談を受けていたんです」
さらに、清水氏はこう続けた。
「私が、詩織さんから相談を受けたのは、その年の7月の末なんです。
本当に、(山口氏が)逮捕されなかったというときから、ひと月ぐらい後だったんですね。
相談に来られたのは、まったく個人的なルートで、私のところに訪ねてきてくれた、ということなんですけど、
そのときの彼女の説明、こんな被害があるんですということと、今彼女が言っていることは、まったく同じなんですよ」
この清水氏の証言は、極めて重要だ。
つまり、詩織さんの発言内容が、事件発生から約3カ月後の段階と、それから2年経った現在とで、首尾一貫していることを、当時から相談されていた人間として、証明したのである。
そもそも、山口氏がレイプ事件を起こしたのは、まだTBSワシントン支局長だった時代の、2015年4月。
アメリカでジャーナリズムを学んでいた詩織さんは、帰国中、山口氏から、仕事のためのビザ取得について話をしようと誘われて、食事に行った。
しかし、2軒目の寿司屋で、突然目眩を起こし、記憶が途絶える。
そして明け方、身体に痛みを感じて目がさめると、ホテルの一室で、裸にされた仰向けの自分の体のうえに、山口氏がまたがっていた。
しかも、山口氏は、避妊具すらつけていなかった。
詩織さんがすぐに、被害を警察に訴えたところ、警察は当初、協力的ではなかったが、
ホテルの防犯カメラに、山口氏が詩織さんを抱えて、引きずる模様が収められていたこともあり、本格的に事件として捜査が始まる。
所轄は、山口氏の逮捕状をとり、15年6月8日には、複数の捜査員が、アメリカから成田空港に帰国する山口氏を、準強姦容疑で逮捕するため、空港で待ち構えていた。
ところが、そこに、警視庁から逮捕ストップの指示が入り、山口氏は寸前で逮捕を逃れた。
■ 詩織さんの告発が「売名」「政治目的」というのはありえない
清水氏も、逮捕状が発布されたにもかかわらず、逮捕されなかったことについて、今回のラジオで、
「まずない。ほとんどないです。ゼロとは言いませんが、よっぽどおかしいんですよ」
「警察官は、なんとかして逮捕したいわけですから」と強調していたが、確かにこれは、異例中の異例のことだった。
清水氏によれば、山口氏のレイプ事件が、すぐにマスコミに報じられなかったのも、詩織さんの告発に信憑性がなかったわけではなく、「逮捕されなかった」ことが大きいという。
「私も結構くどいですから、散々聞いたんですけども、そこ(詩織さんの話は)はまったく変わらない。
だから、信頼性はもともと高いな、というふうに思っていたんだけれども、すぐにこれが報じられなかったというのは、
だいたい『逮捕されました』というのが、本来のニュースのスタンダードなスタイルなんですよ。
ですが、『逮捕されなかった』となると、『ん?』ってことになるんですね。
その(逮捕できなかった)理由が、まずわからない。
そうすると、相当取材をしないと、これは難しいぞ、と。
本当に、誰かが捜査の妨害をした、あるいは捻じ曲げたみたいなことがあったのかどうかってことを、(取材)やっていかなきゃいけないわけです」
しかも、今回の「週刊新潮」の記事も、詩織さんが売り込んだものではなかった。
その後、山口氏が、安倍首相のヨイショ本『総理』(幻冬舎)を出版したり、首相に近いコメンテーターとして、テレビに盛んに登場するようになっていったなかで、
この事件を聞きつけた「週刊新潮」から、清水氏にアプローチがあったのだという。
「取材がしたいということで、僕のほうに紹介があったんですね。
それで、詩織さん本人とも相談をして、ご本人も、ぜひきちんと、私はこれを世に出したいんだ、という。
私もそこは同じだったので、じゃあ週刊誌の記者と会ってみますか? ということで、紹介をして、そして『週刊新潮』が取材に入ったんですね」
そして、「週刊新潮」は、詩織さんの証言を裏付ける、様々な証拠をつかむ。
そのなかでも決定的だったのが、くだんの15年6月に、山口氏が逮捕直前の空港で、逃れることができた内幕をめぐる“一級の証言”だ。
「週刊新潮」の直撃に対して、菅義偉官房長官の右腕といわれる、エリート警察官僚・中村格刑事部長(事件当時)が、「私が決裁した」と認めたのである。
ここで初めて、山口氏の逮捕取りやめが、官邸と近い警察官僚の指示だったという、紛れもない証拠が出揃ったのだ。
「DNA鑑定なんかも行われていて、そういう意味で、元TBSジャーナリストと性的関係があったのは、もう科学的にも証明されているんですけども、
そのうえでとった逮捕状が、逮捕直前、成田空港で容疑者が戻ってくるときに、逮捕を待ち構えていたら、(捜査員に)電話が入って『やめだ』という話になった、と。
全然わからないままね、事態が進んでいったわけですね。
その状態が明らかになっていくのに、この2年の月日がかかったんですよ。
ようやく、形が見えてきたわけですね」
つまり、こうした裏どり取材によって初めて、山口氏の「準強姦疑惑」は、記事として世に出ることとなり、
それを受けて、詩織さんは、記者会見を開くことになった。
それが、この間の経緯に他ならない。
詩織さんの告発が、ネット右翼たちが言うような、「売名」や「政治利用」などということは、ありえないのだ。
■ 中村文則が見抜いた山口レイプもみ消しの不可解な経緯
清水氏は放送後、ツイッターで、
〈生番組なので舌足らず、説明不足もあります。
今回の放送は、事前に、詩織さんと相談のうえでの事です。
そのうえで、彼女が2年前から被害を訴えていたこと、しかし、逮捕中止の闇が明らかになるには、時間がかかったことを伝えたかったからです〉と述べている。
実際、詩織さん自身も会見で、検察審査会への不服申し立てに時間がかかったことについては、
ホテルの防犯カメラやDNA鑑定、タクシー運転手やベルボーイなどの証言等の、証拠申請の準備が必要だったからだときちんと説明したが、
第三者である清水氏の証言によって、それも事実であることが明白になった。
だとすれば、やはり言うまでもなく、この間トンズラを決め込み、ましてやフェイスブックで、詩織さんの「売名」だと印象づけようと、デタラメを吹いた山口氏は、改めて、公の場で説明する必要があるだろう。
いや、山口氏だけではない。
逮捕をつぶした、警視庁の中村格氏や、その背後にいるといわれる菅官房長官らも、きちんと説明責任を果たすべきだ。
実は、この山口氏の準強姦事件が、もみ消された経緯について、意外な人物が、鋭い分析をしている。
それは、作家の中村文則氏だ。
中村氏といえば、売れっ子小説家には珍しく、安倍政権批判をはじめ、踏み込んだ社会的発言をすることで知られているが、
毎日新聞7月1日付愛知版で、「疑問に思う出来事があった」として、この事件に言及している。
それは、山口氏の不起訴決定時期と、『総理』の刊行時期の関係についてだ。
山口氏は、前出のフェイスブックの反論で、
〈不起訴処分は、すでに昨年7月に、全ての関係者に伝えられています。
私はこの結論を得て、本格的な記者活動を開始しました〉などと言っているが、これは大嘘だった。
逮捕を免れ、書類送検となった山口氏に、不起訴の決定が下ったのは、確かに2016年7月だったが、
フリーになった山口氏が、処女作『総理』を出版し、同時に「週刊文春」(文藝春秋)で集中連載を始めたのは、それよりも前の、2016年6月9日。
つまり、山口氏は、不起訴より1カ月も早く、記者活動を開始していたのだ。
中村氏が疑問に感じたのは、まさにそのことだった。
中村氏はこう指摘する。
〈そもそも、首相の写真が大きく表紙に使われており、写真の使用許可が必要なので、少なくとも首相周辺は、確実にこの出版を知っている(しかも選挙直前)。
首相を礼賛する本が選挙前に出て、もし、その著者が強姦で起訴されたとなれば、目前の選挙に影響が出る〉
〈でも、山口氏の「総理」という本が、16年6月9日に刊行されているのは事実で、これは奇妙なのだ。
なぜなら、このとき彼はまだ、書類送検中だから。
しかも、その(『総理』発売日の)13日後は、参議院選挙の公示日だった。
だから、この「総理」という本は、選挙を意識した出版で、首相と山口氏の関係を考えれば、応援も兼ねていたはず。
そんなデリケートな本を、なぜ山口氏は、書類送検中で、自分が起訴されるかもしれない状態で、刊行することができたのか〉
■ 『総理』が不起訴決定より早く出版された意味
そして、それは、山口氏がなんらかのルートを使って、起訴がないことを事前に把握していたからではないか、と中村氏は分析するのだ。
〈山口氏が、絶対に自分は起訴されないと、なぜか前もって、確実に知っていたように思えてならない。
それとも、起訴にならない自信があった、ということだろうか。
でも、冤罪で起訴されることもあるから、一度は所轄が逮捕状まで取った事案なのだから、
少なくとも、自分の不起訴処分が決定するまで、この種の本の刊行は、普通できないのではないだろうか〉
中村氏はこれ以上、具体的なことを書いていないが、この間、出てきた中村格氏や、内閣情報調査室トップの北村滋情報官との関係を考えると、
裏で官邸が動き、首相のお友だちである山口氏に、いち早く不起訴を知らせていた(あるいは、不起訴になるようにもっていった)可能性は十分あるだろう。
そして、山口氏の、前述のフェイスブックの反論は、嘘をついたわけではなく、事前に知らされていたため、
不起訴決定後に本格的な記者活動を開始したと、自分で錯覚してしまったということなのかもしれない。
いずれにせよ、この山口氏によるレイプ事件は、普通は考えられないような不自然なことや、不可解なことがいくつもある。
山口氏や官邸は、このまま逃げ通そうとするだろうが、そんなことは決して許してはいけない。
清水氏は、
「司法が歪められているとしたならば、とてつもない問題。
他人の問題でなく、自分の問題として、考えなければいけないと思いますね」と語っていたが、
これは、ひとりの女性の問題ではなく、すべての国民にふりかかる可能性がある、重大な不正だ。
今後も、徹底的に追及する必要がある。
(編集部)
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週刊新潮の記事によると、
このレイプ犯の山口敬之を救ったエリート警察官僚・中村格刑事部長(事件当時)は、警察庁総括審議官に、内閣情報官の北村滋が官房副長官に、それぞれ栄転するそうです。
ちなみにこの二人は、前川前事務次官の証言実行を知り、読売新聞に『前川潰し』の記事を書くよう誘導した張本人でもあります。
さらに内閣調査室が、詩織さんの弁護士が山尾志桜里夫妻と仲が良いことを利用して、
民進党の党利党略で告発を仕組んだかのような、「印象操作」のためのチャート図を、マスコミに配布していたということなのですが…。
下劣過ぎて、どう言葉にすればいいのかわかりません。
まあでも、有り得ないことではないと思われるのは、これまでにも、安倍政権に物を申した人たちに対する、有りもしないことを並べた誹謗中傷の数々を知っているからです。
彼らには権力も金もあります。
だから、話を作ることも、過剰に身辺調査をすることも、そしてそれをマスコミを使って垂れ流し、彼らに都合の良い話を広げることもできます。
それをこれまでで一番、露骨に、破廉恥に、やりたいだけやっている安倍政権だから、有り得ないことではありません。
政治のみならず司法にまで、薄汚い手を伸ばし歪めていることが、ここまで立証されているのです。
しっかりと、とことん追求していかなければなりません。
記者のみなさん、今後は曖昧な答弁を許さず、納得のいく説明を得るまで、徹底的に食い下がってください!
何度でも、何時間でも、相手が嫌気を差そうが差すまいが、信念を持って堂々と、追求してください!
これほどの事件を起こしておいて、フェイスブックに言い訳を並べて済ませているような男を、いつまでも野放しにしないでください!