わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

失敗と対策 (釉薬掛け2)

2008-08-04 14:54:12 | 失敗と対策
 釉薬を掛ける方法は、漬け掛け、流し掛け、スプレー掛け、塗り掛けなどの方法

 が有ります。

  作品の大きさ、釉薬の量などの関係で、釉薬を掛ける方法が、限定される場合

 が多くなります。

 釉薬をける際、以下の問題が発生する場合があります。

 1)釉薬の量の問題

   釉薬の種類が少ない場合には、釉薬の量を大量に作り置きする事も可能です

   しかし、種類が多くなるに従い、大量の釉薬を用意する事は、場所的、費用

   的にも、困難になります。

    釉薬が少量ても、釉掛けが可能な方法の順序は、以下の順番です。

   イ) スプレー掛け、刷毛塗り

     この方法が、一番少量の釉薬ですみます。

     但し、次の様な欠点も有ります。

    a) スプレー掛け

      ・ 道具が必要です。即ち、コンプレサー及び霧吹き部分(ノズル)

        又は、手動の霧吹き(市販されている)が、必要。

      ・ 場所が必要。 霧を吹き掛ける際、小さな水滴が飛び散ります。

        それ故、屋内では、換気の設備の有る所が必要です。または屋外

        で行うとしても、周りに飛び散らない様な、囲いが必要です。

      ・ マスクを使用の事。 釉薬の霧を吸い込まない様に、マスクを

        着用する事。

     b) 刷毛塗り

       一つの作品に、複数の釉薬を塗る時や、複雑な模様に施釉する時に

       便利な方法です。

      ・ 刷毛(筆)で塗ると、釉薬が薄くなりがちです。塗る釉は若干、

       濃い目にします。

      ・ 塗った痕が、まだらになり易い。(濃淡が出易い)

   ロ) 流し掛け(柄杓掛け)

    この方法も、少量の釉薬しか無い場合や、大物の作品の時にやる方法です

    又、袋物の内側を塗る場合にも、この方法を使います。

    ・ 盥(たらい)など、口の広い容器を用意し、柄杓に取った釉を、作品

      を回転させながら、流し掛けます。

    ・ 柄杓一杯分の釉しか無い場合でも、容器に溜まった釉をもう一度、

      柄杓に採り直し、流し掛けて下さい。

    ・ 釉が少ないと、流した時、一筋二筋と枝分かれします、釉薬の厚みに

      差が出る事に なりますので、勢い良く流すこと。
   
    ・ 大皿なども、一気に流し掛けます。

    ・ 袋物などは、内側に柄杓で流し込みます。口が小さく片手に持てる程

      度の作品では、口を手で蓋をし、逆さにして、そのまま5回程度振り

      上に向けてから、中の釉を捨てます。

      作品が大きい時は、両手で回転させながら、内側を施釉し、口から捨

      てます。
  
   ハ) 漬け(浸し)掛け、ガバ漬け

     一番均一に掛かり、釉の「ムラ」も少なく、綺麗にぬれます。

     釉薬の量がある程度必要です。

    ・ 作品全体を釉薬の入った容器に、浸す方法です。

    ・ 作品が板状の場合には、平たい容器(バット)を、細長い作品は、筒

      状の容器が必要です。筒状の容器の深さが足りない場合、上下二回に

      分けて、塗って下さい。

    ・ 「ガバ漬け」は、内外を一度の作業で塗る方法です。

      均一に塗れ、指痕も無く塗れます。
     
      但し、練習が必要です。

      方法は、作品を逆さに持ち、一度高台まで沈めてから、勢い良く引き

      上げ、口が水面近くに来たら、振動を与え中の空気を抜き、釉を吸い

      上げ、内側を施釉します。

   ・ 板皿など、底面が広く、釉薬を掛けたく無い場合、撥水剤を塗ると便利

     です。但し、一度撥水剤を掛けた所は、釉が掛かりません。必要最小限
     
     にする事。(もう一度素焼をすれば、撥水剤は無効になります)


 
コメント
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