わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

釉薬を掛ける4(多色塗り2)

2009-06-02 21:55:45 | 釉薬の調合と釉を掛ける
一つの作品に、3色(種類)以上の釉薬を掛ける場合、その掛け分け方によっては、

かなり、工夫が要ります。

単に、下から順に、重ね合わせて、釉薬を掛ける分には、さほど問題ありませんが、好みの位置に、

釉薬を掛けていく場合には、以下の方法が有ります。

1) 筆(刷毛)で塗る方法(この方法が、一般的です。)

 注意点は、

 ① 「塗りむら」が出易い事です。

   濃度が部分的に違い、均等な濃さに、中々塗れません。

   原因は、素地が急速に釉の水分を吸い込み、釉が伸び無いため、度々筆に釉を含ませ、

   継ぎ足して、塗る必要が有るからです。

   糊(CMCなど)を入れ、釉が伸びる様にするか、釉を若干薄くし、数度塗り重ねます。

 ② 筆塗りは、全般的に、濃度が薄くなり易いです。

   筆は引いて使わず、置いて行く様にして塗ると、濃く塗れます。

   その際、釉薬の濃度を、若干濃度します。 (①で述べた事とは、調和させて下さい。)

2) スプレーで掛掛ける

  釉薬を霧状にして、必要な位置のみに、掛ける方法で、手動のブラシング(網とブラシの組)や、

  霧吹き、コンプレサーなどを使い「ガン吹き」し、施釉薬します。

 注意点、

 ① 「マスキング」が必要に成ります。

    必要な位置のみ、施釉する為には、それ以外は、釉が掛から無い様に、します。

    ガムテープを貼ったり、陶画のり(後で述べます)を使用したり、その他の方法で、

    作品を覆い隠します。「マスキング」も意外と大変な、作業と成ります。

    市販の「マスキングテープ」は、貼り付かない為、ほとんど、役に立ちません。

 ② コンプレサーなどを使う場合、霧状の釉を吸込まない様に、屋外か、それなりの設備の有る所で、

  行なってください。又霧で周囲が汚れ易いです。

3) 陶画のり(ラテックス)を使う

  素焼した作品の上に、筆で陶画のりを塗ります。「のり」を塗った所は、釉が掛かっても、

  「のり」を剥がす事により、釉を取り除く事が、出来ます。

  使い方は、「のり」を塗ると、直ぐに乾燥し、透明に成りますので、施釉する事が出来ます。

  施釉後は、針などで、乾いた「のり」を剥がします。

  剥がした部分に、更に施釉します。(後から塗る部分は、筆で塗る事が、多いです。)

 注意点

  ① 筆が傷みやすいので、「のり」を塗ったら、直ぐに、石鹸などで、水洗いして下さい。

   そのままにして置くと、筆は「のり」で固まり、使えなく成ります。

  ② 「陶画のり」の容器は、密封し、容器の中で、固まるのを、防ぎます。

以下 次回に続きます。


陶芸の釉薬の掛け方 

釉を掛ける 多色塗り



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