わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

緊急時の対応 3

2011-03-24 21:21:50 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
3) 大地震の対応

 ③ 燃焼再開

   大地震が起きても、遠く離れた場所では、大きな揺れを感じたとしても、必ずしも、

   停電するとは、限りませんし、たとえ停電しても、数分で復旧する事は、稀ではありません。

   たとえ、停電しなくても、大きな揺れを感じたら、電源を落としたり、燃料の供給を、停止

   する事は、重要な作業です。

  点検作業で、異常がなければ、燃焼の再開が出来ます。

  但し、くれぐれも、生のプロパンガスなどが、窯の中に、滞留していない事が大切です。

  生ガスが存在すると、窯が爆発し、窯が壊れます。確認出来ないときは、再開を諦め、300℃

  程度になったら、窯の扉を少し開けて、ガスが逃げる様にしてから、再開して下さい。

 ) 窯の温度の低下と、再上昇

   電源や燃料の供給が止まると、当然、窯の温度は低下します。たとえ10分間途絶えても、

   100℃以上温度が下がる事は、稀ではありません。

   (停止時の温度や、窯の大きさ、窯の壁の厚さによって、その低下度は変化します。)

   再開すれば、温度は上昇しますが、その上がり度合いに、停止直前とは、違いがあります。

  ・ 即ち、100℃上昇するのに、1時間掛かっていたとすれば、再開後はその半分の、30分

    程度で、100℃上昇します。勿論、停止時間が短い程、温度上昇が、早くなります。

    それ故、停止時に窯の温度が、高い場合には、なるべく早く、再開した方が、エネルギーの

    無駄が省けます。

  ・ 一度温度が低下後、再上昇しても、作品に与える影響は、殆ど無いと思って下さい。

    特に、素焼きの時には、影響は皆無でしょう。

    但し、結晶釉の様に徐冷の際での、再上昇では、結晶の状態にかなりの、影響が出ると

    思われます。

 ) 窯の温度が、700~800℃程度以下でしたら、余震が続くかも知れない中で、急いで

    再開する必要はないかも知れません。

    素焼き程度の温度に必要な、燃料や電気量は、本焼きの約1/3程度です。

    数日後に、再燃焼となると、このエネルギーは、丸々損失になりますが、半日や1日後の

    再開ならば、丸々の損失には、ならない場合が多いです。

    (当然、窯の大きさ、作品の量等にも、左右されます。)

 ) 再開後でも、異常を感じたら、直ぐに中止します。

    いくら点検作業を行っても、実際のとこは、異常があるかどうかは、確認できません。

    再開後に、異常が見つかる事もある得ます。

以下次回に続きます。
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