4) 化粧土を使った化粧掛け以外の装飾方法。
① イッチン(スポイト掛け)、絞り描き。いずれも同じ内容です。
) 素地と異なる色土の泥漿(でいしょう)を、半乾燥状態の素地上に、スポイト等を用いて
細い線状の模様を描く方法です。この場合、イッチンを施した部分は盛り上がります。
) 盛り上がらないイッチンの方法。
素地全面に化粧土を塗り、まだ濡れている状態で、異なる泥漿の色土をイッチン技法で施す
と、イッチンした部分は最初に塗った化粧土に潜り込み、盛り上がらず平面に成ります。
) スポイト等の先端は、作品に接触させながら描くと上手くいきます。作品表面から離れて
しまうと、泥漿の量のコントロールが難しくなります。更に立体的な作品の場合、泥漿が
流れ落ちる場合もありますので、流れ落ちない様に泥漿の濃度を調整したり、作品の角度を
調整しながら作業する必要も生まれます。
尚、色土による練り込み模様ですと、鶉(うずら)紋と呼ばれます。
) フェザー・コーミング(羽梳き模様)。
イッチン描きで、複数の異なる色で、盛り上がった平行線を密に引きます。その線と直角
方向に鳥の羽の先(根元側)で連続的に引っ掻くと、「さざなみ」風の連続模様が現れます
即ち、凸状の縞模様が連続して続きます。見方によっては「孔雀の羽」の様にも見える物
です。主にヨーロッパで行われている装飾模様ですが、歴史は古く3世紀の宋(春秋戦国
時代)の頃から存在していた様です。
② 掻き落とし。
) 素地に素地と異なる化粧土を掛け、乾燥後に模様に沿って表面を掻き落とし、模様を浮き
出させると同時に素地と化粧土の色の差で、表情を表します。模様の外側を掻き落とす方法と
内側を掻き落とす方法があります。写真のネガ、ポジの関係に成ります。
) 平面な模様ではなく、単に引っ掻き線や、櫛目などの線を入れる事もあります。
この場合は、化粧土は乾燥気味の方が、綺麗な線が出やすいです。
③ 墨流し、マーブル模様。
複数の泥漿した色土を作品上に適宜垂らし、作品自体を強く揺さぶったり、斜めに傾けたり
して、泥漿同士を混ざり合わせて、模様にする方法です。一発勝負に成りますので、作業する
前に、十分考慮しておく必要があります。当然、泥漿が固定するまでの時間しかありません。
それ故、泥漿は弛めの方が作業し易く、混ざり易くなります。模様や出来上がりは偶然性が
優先しますので、思わぬ模様に成る事もあります。
④ 象嵌(ぞうがん)。
) 作品の表面を凹状に彫りこみ、模様を描きます。この凹んだ部分に素地と異なる色土の
泥漿を流し込みます。泥漿は乾燥と伴に体積が減ります。凹み部は作品の高さより低く
なりますので、数回同じ作業を繰り返す必要があります。最終的には乾燥時には、盛り上
がった状態にします。
) カンナを使って平らに削る。色土が盛り上がった部分をカンナで削り取り、表面を均一に
します。
) 彫り込みはなるべく深くし、特に模様の周辺部は深くすると、カンナで削った後、綺麗な
象嵌模様に成ります。
) 象嵌は手間隙が掛かる割には、意外と綺麗に敵上がり難いです。
⑤ 三島(印花紋)。
) 花などが彫られた印を、作品に捺印して印花紋を付けます。その後、刷毛などで化粧土を
塗ります。すると、印が捺された部分は凹んでいる為、化成土が掛かりません。即ち素地の
色のままに成ります。
) 全面に化粧土を塗り、その後に捺印する方法もあります。この場合には、凹んだ部分にも
化粧土が残る事に成ります。
5) 貼り付け文様。
以下次回に続きます。
① イッチン(スポイト掛け)、絞り描き。いずれも同じ内容です。
) 素地と異なる色土の泥漿(でいしょう)を、半乾燥状態の素地上に、スポイト等を用いて
細い線状の模様を描く方法です。この場合、イッチンを施した部分は盛り上がります。
) 盛り上がらないイッチンの方法。
素地全面に化粧土を塗り、まだ濡れている状態で、異なる泥漿の色土をイッチン技法で施す
と、イッチンした部分は最初に塗った化粧土に潜り込み、盛り上がらず平面に成ります。
) スポイト等の先端は、作品に接触させながら描くと上手くいきます。作品表面から離れて
しまうと、泥漿の量のコントロールが難しくなります。更に立体的な作品の場合、泥漿が
流れ落ちる場合もありますので、流れ落ちない様に泥漿の濃度を調整したり、作品の角度を
調整しながら作業する必要も生まれます。
尚、色土による練り込み模様ですと、鶉(うずら)紋と呼ばれます。
) フェザー・コーミング(羽梳き模様)。
イッチン描きで、複数の異なる色で、盛り上がった平行線を密に引きます。その線と直角
方向に鳥の羽の先(根元側)で連続的に引っ掻くと、「さざなみ」風の連続模様が現れます
即ち、凸状の縞模様が連続して続きます。見方によっては「孔雀の羽」の様にも見える物
です。主にヨーロッパで行われている装飾模様ですが、歴史は古く3世紀の宋(春秋戦国
時代)の頃から存在していた様です。
② 掻き落とし。
) 素地に素地と異なる化粧土を掛け、乾燥後に模様に沿って表面を掻き落とし、模様を浮き
出させると同時に素地と化粧土の色の差で、表情を表します。模様の外側を掻き落とす方法と
内側を掻き落とす方法があります。写真のネガ、ポジの関係に成ります。
) 平面な模様ではなく、単に引っ掻き線や、櫛目などの線を入れる事もあります。
この場合は、化粧土は乾燥気味の方が、綺麗な線が出やすいです。
③ 墨流し、マーブル模様。
複数の泥漿した色土を作品上に適宜垂らし、作品自体を強く揺さぶったり、斜めに傾けたり
して、泥漿同士を混ざり合わせて、模様にする方法です。一発勝負に成りますので、作業する
前に、十分考慮しておく必要があります。当然、泥漿が固定するまでの時間しかありません。
それ故、泥漿は弛めの方が作業し易く、混ざり易くなります。模様や出来上がりは偶然性が
優先しますので、思わぬ模様に成る事もあります。
④ 象嵌(ぞうがん)。
) 作品の表面を凹状に彫りこみ、模様を描きます。この凹んだ部分に素地と異なる色土の
泥漿を流し込みます。泥漿は乾燥と伴に体積が減ります。凹み部は作品の高さより低く
なりますので、数回同じ作業を繰り返す必要があります。最終的には乾燥時には、盛り上
がった状態にします。
) カンナを使って平らに削る。色土が盛り上がった部分をカンナで削り取り、表面を均一に
します。
) 彫り込みはなるべく深くし、特に模様の周辺部は深くすると、カンナで削った後、綺麗な
象嵌模様に成ります。
) 象嵌は手間隙が掛かる割には、意外と綺麗に敵上がり難いです。
⑤ 三島(印花紋)。
) 花などが彫られた印を、作品に捺印して印花紋を付けます。その後、刷毛などで化粧土を
塗ります。すると、印が捺された部分は凹んでいる為、化成土が掛かりません。即ち素地の
色のままに成ります。
) 全面に化粧土を塗り、その後に捺印する方法もあります。この場合には、凹んだ部分にも
化粧土が残る事に成ります。
5) 貼り付け文様。
以下次回に続きます。