轆轤で作品を作る際、素地の違いや、作り手によってそのやり方(轆轤挽き方法)が異なるのが
普通です。それ故、これが正しいやり方で、これが間違ったやり方と言う事はありません。
ご自分が先生や師匠達から学んだ事を忠実に守るのも良し、まるっきし別の方法であっても、作品を
作る事が出来るのであれば、何ら問題には成りません。但し、各地にはその土地で採取された素地
(粘土など)に適したやり方が存在します。勿論それらに囚われる必要も無い訳ですが・・・
1) 土の性質によって、轆轤挽きの難易度が変わります。
① 轆轤挽きがし易い土と、し難い土があります。
) 轆轤挽きがし易い土とは?。 一般に言われている事は以下の事柄です。
a) 適度に粘り気があり、腰(コシ)のある土です。
腰があるとは、作業中に土が「ヘタリ難い」事です。即ち、比較的長い時間その形を維持
できる状態の事です。轆轤挽きは別名「水挽き」と呼ばれる様に、水を大量に使って作る
方法です。それ故、使用していっる水に対し、比較的強くなければ成りません。水を吸い
込む量が少ない粘土や、水で粘土粒子が崩れ溶け出さない粘土の事です。
b) 具体的には、粘土の荒さも関係します。粗めの粘土は粒子が大きく、粒子が水に溶け難い
場合も有りますが、粒子間の隙間も多くなり、水を吸い込み易い事もあります。
その為、水に溶け出し易く腰が弱くなり勝ちです。
c) 轆轤挽きし易い土は、粒子の荒さ以外に粒子の形状も関係します。粒子の角が丸いもの程、
腰が無くなり易いです。特に磁土は粒子が細かく、角も丸い為轆轤挽きが難しいと言われて
います。
d) 轆轤挽きがし易い土は、土の種類の差も大きいですが、素地の硬さ(乾燥具合)も大きく
影響します。硬過ぎる場合には、強い力が必要です。但し長い時間の作業でも「ヘタリ」が
起きない利点がありますので、大物を作る際には、やや硬めの土を使うのが一般的です。
e) 市販されている素地は、轆轤挽きが容易になる様に調合(ブレンド)されています。
それ故、土が伸び易くなっており、轆轤挽きが困難となる場面は少ないです。
) 轆轤挽きがし難い土とは。
a) 粘り気が少なくパサパサ感がある、「砂っ気」の多い土です。
但し、茶碗程度の大きさの小作品であれば、ほとんど問題に成りません。
例えば、志野の「モグサ土」や萩の土などはかなり「砂っ気」の多い土が利用されています。
これは、轆轤作業が短い事も影響しています。
b) 「ハゼ石」(長石粒)が入った土も轆轤挽きが難しくなります。特に粒子の粗い石が入る
場合が問題です。単に轆轤作業で手や指が痛くなるのみでなく、混入された「ハゼ石」が
何処に現れるかによって、作品に成らない場合があります。口縁に現れた場合、口径を大きく
すると、「ハゼ石」の部分から裂け目が発生します。それ故思う通りの大きさに成らない
場合もあります。但し、作り方を変えれば問題なく作品にする事も可能です。即ち出来る
だけ大きく口径を広げずに、最初から大きくしておく方法を取れば良い訳です。
c) 水分を多量に含む、軟らかい土は轆轤挽きに向きません。
当然ですが、「水挽き」で水を使いますので、土の表面より水が浸入する事になり、一段と
軟らかくなりますので、「腰」が無くなり、直ぐに「ヘタリ」ます。勿論、轆轤挽きに時間を
掛けずに、素早く成形できる実力があれば、軟らかい土も使う事も出来るでしょう。
軟らかい土の利点として、さほど力を使わなくても、土が薄く伸びる事です。その為初心者には
やや柔らか目の土を使う事もあります。
② 轆轤挽きが容易な土が良い土とは限りません。
以下次回に続きます。
普通です。それ故、これが正しいやり方で、これが間違ったやり方と言う事はありません。
ご自分が先生や師匠達から学んだ事を忠実に守るのも良し、まるっきし別の方法であっても、作品を
作る事が出来るのであれば、何ら問題には成りません。但し、各地にはその土地で採取された素地
(粘土など)に適したやり方が存在します。勿論それらに囚われる必要も無い訳ですが・・・
1) 土の性質によって、轆轤挽きの難易度が変わります。
① 轆轤挽きがし易い土と、し難い土があります。
) 轆轤挽きがし易い土とは?。 一般に言われている事は以下の事柄です。
a) 適度に粘り気があり、腰(コシ)のある土です。
腰があるとは、作業中に土が「ヘタリ難い」事です。即ち、比較的長い時間その形を維持
できる状態の事です。轆轤挽きは別名「水挽き」と呼ばれる様に、水を大量に使って作る
方法です。それ故、使用していっる水に対し、比較的強くなければ成りません。水を吸い
込む量が少ない粘土や、水で粘土粒子が崩れ溶け出さない粘土の事です。
b) 具体的には、粘土の荒さも関係します。粗めの粘土は粒子が大きく、粒子が水に溶け難い
場合も有りますが、粒子間の隙間も多くなり、水を吸い込み易い事もあります。
その為、水に溶け出し易く腰が弱くなり勝ちです。
c) 轆轤挽きし易い土は、粒子の荒さ以外に粒子の形状も関係します。粒子の角が丸いもの程、
腰が無くなり易いです。特に磁土は粒子が細かく、角も丸い為轆轤挽きが難しいと言われて
います。
d) 轆轤挽きがし易い土は、土の種類の差も大きいですが、素地の硬さ(乾燥具合)も大きく
影響します。硬過ぎる場合には、強い力が必要です。但し長い時間の作業でも「ヘタリ」が
起きない利点がありますので、大物を作る際には、やや硬めの土を使うのが一般的です。
e) 市販されている素地は、轆轤挽きが容易になる様に調合(ブレンド)されています。
それ故、土が伸び易くなっており、轆轤挽きが困難となる場面は少ないです。
) 轆轤挽きがし難い土とは。
a) 粘り気が少なくパサパサ感がある、「砂っ気」の多い土です。
但し、茶碗程度の大きさの小作品であれば、ほとんど問題に成りません。
例えば、志野の「モグサ土」や萩の土などはかなり「砂っ気」の多い土が利用されています。
これは、轆轤作業が短い事も影響しています。
b) 「ハゼ石」(長石粒)が入った土も轆轤挽きが難しくなります。特に粒子の粗い石が入る
場合が問題です。単に轆轤作業で手や指が痛くなるのみでなく、混入された「ハゼ石」が
何処に現れるかによって、作品に成らない場合があります。口縁に現れた場合、口径を大きく
すると、「ハゼ石」の部分から裂け目が発生します。それ故思う通りの大きさに成らない
場合もあります。但し、作り方を変えれば問題なく作品にする事も可能です。即ち出来る
だけ大きく口径を広げずに、最初から大きくしておく方法を取れば良い訳です。
c) 水分を多量に含む、軟らかい土は轆轤挽きに向きません。
当然ですが、「水挽き」で水を使いますので、土の表面より水が浸入する事になり、一段と
軟らかくなりますので、「腰」が無くなり、直ぐに「ヘタリ」ます。勿論、轆轤挽きに時間を
掛けずに、素早く成形できる実力があれば、軟らかい土も使う事も出来るでしょう。
軟らかい土の利点として、さほど力を使わなくても、土が薄く伸びる事です。その為初心者には
やや柔らか目の土を使う事もあります。
② 轆轤挽きが容易な土が良い土とは限りません。
以下次回に続きます。