制作した作品には、作品に応じて適度の重さが重要に成ります。重た過ぎる作品や、軽過ぎる作品は
取り扱い難い物です。当然ですが、大きな作品は重く、小さな作品は軽くなります。
但し、同じ大きさでありながら、軽く感じる作品と重く感じる作品が有るのは事実です。
その違いは何処から来るのかを知る事も大切な事です。更に、素地(粘土)の違いも重さに関係
してきます。それら、重さに関する事項を考えてみたいと思います。
1) 手に持つ作品は軽くし、手に持たない作品は少々重量があっても良い。
① 手に持つ作品も、一時的に持つ場合と、ある程度の長時間持つ場合があります。
常に手に持つ物として、ご飯茶碗が挙げられます。わが国では、ご自分専用のご飯茶碗を片手に
持って食事する事が一般的です。若い人では感じないかも知れませんが、特に年配の方では、
重たい茶碗は敬遠され易いです。
) ご飯や湯飲み茶碗は、男物、女物、子供用と大きさが異なる場合が多いです。
これは、ご飯の量と言うよりも、手の大きさから来ていると思われます。手の大きさは男女、
子供では明らかに違いがあり、持ち易い大きさも自然に違ってきます。大きさに応じて重さ
にも差が出ますが、その差はほんの数十g程度です。
) 市販のご飯茶碗(主に磁器)は、以前に比べ格段に軽くなったと言われています。
即ち、従来200g程度であった重量も、180~160gと成って来ています。勿論肉厚が薄くなった
為で、大きさが変化した訳ではありません。陶器の場合は、磁器に対して肉厚に成りますので
若干重くなる傾向にあります。
) ご自分で制作したご飯茶碗は出来るだけ200g以内に収めたいです。
上記200gとは、底削りを終えた状態の重さです。この時点では、素地も水分を含んでいます。
素焼きで水分が飛び、若干軽くなりますが、施釉で再び重量が増します。勿論釉の掛け方や
釉の厚みにもよりますが、本焼き後は、底削りの重量よりやや軽めになります。
但し作品が焼き締まり、小さくなっている分、重さが増した感じがします。
) 茶碗には色々な形があり、形によってご飯の量が異なります。
一見ご飯の量が入らない様に見えて、意外に入る物や、逆に入りそうで入らない物があります。
茶碗の口径と高さは概ね(おおむね)決っていますので、違いは底の広さの差に成ります。
底の広い物(横から見て四角形)は多く入り、底の狭い物(横から見て逆三角形)は余り入り
ません。又、同じ高さであっても、高台の高い物と低い物では深さに差がある為、入る量も
違ってきます。後者(入りそうで入らない)の例として旅館の茶碗があります。
② 皿や丼(どんぶり)類は手に持つ場合がありますが、常に持つ物ではありませんので、少々
重くても問題ありません。
) 皿や丼類は、料理を盛った状態で持ち運びする事が多い器です。
大皿やラーメン鉢など大量の料理を盛る場合や、お取り皿の様に自分だけの料理を盛る中皿、
更には、醤油や薬味を入れる小皿等があり、中、小皿は片手で持ちます。小皿は持ち運ぶ事は
無く、中皿もほんの一時持つ程度ですので、さほど問題には成りません。
) 問題は大皿(丼)の場合です。料理を盛った大皿は、両手で持つのが普通です。
大皿類は、料理を持った状態で、厨房や台所から食卓へ移動する事が多いです。
料理が「てんこ盛り」ですと、料理だけでも重量があります。それ故、出きるだけ皿は軽く
作りたいですが、肉薄に作ると機械的強度が弱くなったり、熱い料理だと、熱伝導が良くなり
皿本体が熱を持ち、運び難くなります。特に汁物は総重量が増え、慎重に運ぶ必要があります。
) 運び易い形状にする事も大切です。即ち、両手の掌(てのひら)が器の下に入り込み、
下から支える構造にする事です。それ故、「ベタ底高台」は非常に使い難い形と言えます。
高台は高めの方が、使い勝ってが良い様です。
) 食器は料理を美味しく見せる物で、脇役ですが、場合によっては準主役級になる場合が
あります。即ち、立派な器はそれだけで人の目を集める要素があります。それらが金銀で装飾
されていれば、一目瞭然ですが、地味な色彩であっても人の目に良いと映る皿もあります。
一般に、肉厚の皿は料理の豪華さを醸し出します。但し、全体が肉厚であれば、当然重く
成ってしまいますので、口縁のみを肉厚にすれば、全体が肉厚に感じられますので、口縁のみ
を肉厚にする事で、全体の重量感を出します。
③ 酒気類は、重たい物を好む人と、軽い物を好む人に分かれます。
以下次回に続きます。
取り扱い難い物です。当然ですが、大きな作品は重く、小さな作品は軽くなります。
但し、同じ大きさでありながら、軽く感じる作品と重く感じる作品が有るのは事実です。
その違いは何処から来るのかを知る事も大切な事です。更に、素地(粘土)の違いも重さに関係
してきます。それら、重さに関する事項を考えてみたいと思います。
1) 手に持つ作品は軽くし、手に持たない作品は少々重量があっても良い。
① 手に持つ作品も、一時的に持つ場合と、ある程度の長時間持つ場合があります。
常に手に持つ物として、ご飯茶碗が挙げられます。わが国では、ご自分専用のご飯茶碗を片手に
持って食事する事が一般的です。若い人では感じないかも知れませんが、特に年配の方では、
重たい茶碗は敬遠され易いです。
) ご飯や湯飲み茶碗は、男物、女物、子供用と大きさが異なる場合が多いです。
これは、ご飯の量と言うよりも、手の大きさから来ていると思われます。手の大きさは男女、
子供では明らかに違いがあり、持ち易い大きさも自然に違ってきます。大きさに応じて重さ
にも差が出ますが、その差はほんの数十g程度です。
) 市販のご飯茶碗(主に磁器)は、以前に比べ格段に軽くなったと言われています。
即ち、従来200g程度であった重量も、180~160gと成って来ています。勿論肉厚が薄くなった
為で、大きさが変化した訳ではありません。陶器の場合は、磁器に対して肉厚に成りますので
若干重くなる傾向にあります。
) ご自分で制作したご飯茶碗は出来るだけ200g以内に収めたいです。
上記200gとは、底削りを終えた状態の重さです。この時点では、素地も水分を含んでいます。
素焼きで水分が飛び、若干軽くなりますが、施釉で再び重量が増します。勿論釉の掛け方や
釉の厚みにもよりますが、本焼き後は、底削りの重量よりやや軽めになります。
但し作品が焼き締まり、小さくなっている分、重さが増した感じがします。
) 茶碗には色々な形があり、形によってご飯の量が異なります。
一見ご飯の量が入らない様に見えて、意外に入る物や、逆に入りそうで入らない物があります。
茶碗の口径と高さは概ね(おおむね)決っていますので、違いは底の広さの差に成ります。
底の広い物(横から見て四角形)は多く入り、底の狭い物(横から見て逆三角形)は余り入り
ません。又、同じ高さであっても、高台の高い物と低い物では深さに差がある為、入る量も
違ってきます。後者(入りそうで入らない)の例として旅館の茶碗があります。
② 皿や丼(どんぶり)類は手に持つ場合がありますが、常に持つ物ではありませんので、少々
重くても問題ありません。
) 皿や丼類は、料理を盛った状態で持ち運びする事が多い器です。
大皿やラーメン鉢など大量の料理を盛る場合や、お取り皿の様に自分だけの料理を盛る中皿、
更には、醤油や薬味を入れる小皿等があり、中、小皿は片手で持ちます。小皿は持ち運ぶ事は
無く、中皿もほんの一時持つ程度ですので、さほど問題には成りません。
) 問題は大皿(丼)の場合です。料理を盛った大皿は、両手で持つのが普通です。
大皿類は、料理を持った状態で、厨房や台所から食卓へ移動する事が多いです。
料理が「てんこ盛り」ですと、料理だけでも重量があります。それ故、出きるだけ皿は軽く
作りたいですが、肉薄に作ると機械的強度が弱くなったり、熱い料理だと、熱伝導が良くなり
皿本体が熱を持ち、運び難くなります。特に汁物は総重量が増え、慎重に運ぶ必要があります。
) 運び易い形状にする事も大切です。即ち、両手の掌(てのひら)が器の下に入り込み、
下から支える構造にする事です。それ故、「ベタ底高台」は非常に使い難い形と言えます。
高台は高めの方が、使い勝ってが良い様です。
) 食器は料理を美味しく見せる物で、脇役ですが、場合によっては準主役級になる場合が
あります。即ち、立派な器はそれだけで人の目を集める要素があります。それらが金銀で装飾
されていれば、一目瞭然ですが、地味な色彩であっても人の目に良いと映る皿もあります。
一般に、肉厚の皿は料理の豪華さを醸し出します。但し、全体が肉厚であれば、当然重く
成ってしまいますので、口縁のみを肉厚にすれば、全体が肉厚に感じられますので、口縁のみ
を肉厚にする事で、全体の重量感を出します。
③ 酒気類は、重たい物を好む人と、軽い物を好む人に分かれます。
以下次回に続きます。